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2018.10.12
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カテゴリ:徒然草を読もう
第二百三十八・その2
 一、当代、いまだ坊におはしましし比(ころ)、万里小路殿(までのこうじどの)御所(ごしょ)なりしに、堀川大納言殿(ほりかわのだいなごんどの)伺候(しこう)し給ひし御曹司(みぞうし)へ、用ありて参りたりしに、論語の四、五、六の巻をくりひろげ給ひて、「ただ今御所にて、紫の朱(あけ)奪ふことを悪(にく)むといふ文(もん)を御覧ぜられたき事ありて、御本(ごほん)を御覧ずれども、御覧じ出(いだ)されぬなり。なほよく引き見よと仰せ事にて、求むるなり」と仰せらるるに、「九の巻のそこそこの程に侍る」と申したりしかば、「あなうれし」とて、もて参らせ給ひき。
 かほどの事は、児(ちご)どもも常の事なれど、昔の人はいささかの事をも、いみじく自讃したるなり。後鳥羽院の、「御歌に、袖と袂と、一首のうちに悪しかりなんや」と、定家卿(ていかのきょう)に尋ね仰せられたるに、
 「秋の野の草の袂か花薄(はなすすき)穂に出(い)でて招く袖と見ゆらんと侍れば、何事をか候ふべき」と申されたる事も、「時にあたりて本歌を覚悟す。道の冥加なり。高運なり」など、ことことしく記しおかれ侍るなり。九条相国伊通公の款状(かじょう)にも、ことなる事なき題目をも書き載せて、自讃せられたり。

現代風訳
 一、今上帝(後醍醐天皇)が、まだ皇太子でいらっしゃった頃の話。万里小路殿の屋敷を御所とされていた時、堀川大納言がご出仕なさっている控室へ、(私は)用があって参った所、論語の四、五、六の巻をお広げになって、「ただ今、東宮殿下におかせられては、紫の朱(あけ)奪うことを憎むという本文を御覧になりたいということなのだが、見つけることができなくていらっしゃるのだ。もっとよく探し出せという仰せ事なので、探している」と仰せられたので、「九の巻のどこそこのあたりにございます」と申したところ、「ああ嬉しい」といって、それを持って差し上げなさった。
 この程度のことは児戯に等しい何でもないことだが、昔の人は少しの事でも、たいそう自讃している。後鳥羽院が「歌に、袖と袂と、一首のうちに(同じ意味の言葉を二つ)含めるのは悪いことだろうか」と定家卿にご質問なさったのに答えて、
 「『秋の野の草の袂か花薄穂に出でて招く袖と見ゆらん』(秋の野の草の袂なのだろうか花薄は。穂が出ているその様子は、人恋しさに招いている袖のようだ)とございますので、何の問題がございましょうか」と申された事も、「ここぞという時に本拠となる歌を覚えていた。歌道の神の御加護である。好運である」など、仰々しく書き記している。九条相国伊通(これみち)公の昇進申請書にも、どうということはない項目をも書いて載せて、自画自讃なさっている。

四つ葉さくら四つ葉
兼好法師、論語に精通!





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最終更新日  2018.10.12 07:00:15
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