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カテゴリ:徒然草を読もう
第二百三十八段・その6
一、賢助僧正(けんじょそうじょう)にともなひて、加持香水(かぢこうずい)を見侍りしに、いまだ果てぬほどに、僧正帰りて侍りしに、陳(ぢん)の外(と)まで僧都見えず。法師どもを帰して求めさするに、「同じさまなる大衆(だいしゅ)多くて、え求め逢はず」と言ひて、いと久しくして出(い)でたりしを、「あなわびし。それ、求めておはせよ」と言はれしに、帰り入りて、やがて具して出でぬ。 現代風訳 一、賢助僧正のお供をして加持香水(かぢこうずい)の儀式を見学していた時のこと。いまだ式が終わらないうちに、僧正が帰ってしまった。会場の外にも僧都の姿が見当たらない。法師たちを戻して探させたが、「同じ格好の多くの僧徒がいて、見つけ出せません」と言って、たいそう長い間かかった。「ああ困った。あなた、探してきてください」と言われたので、戻って入って、すぐに奏上を連れて出てきた。 ![]() ![]() ![]() かくれんぼしていた賢助僧正をすぐに見つけたよ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.16 07:00:20
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