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ブエノスアイレスに到達した。突如、エレナが街を一人で見て回りたいと言い出す。出発までには船に戻るというので、これを許可した。 出航所役人へ到達の報告をしている途中に、酒場が喧騒に包まれる。原因を確かめに、酒場に行くと、そこには、エレナの姿があった。船乗りから世界周航した艦隊について聞いているようだが、見返りとして首にかけているロザリオをよこせと言われて困惑しているようだ。エレナの代わりにプルケを振る舞い、船乗りから世界周航を成した艦隊についての話を聞いた。 「世界周航を達成した艦隊だが、この辺りにも停泊していたらしい。なんでも、ここ新大陸の東岸から、西岸に抜ける「海峡」を探していたそうだ…。なぜ海峡に拘るか。重要なのは香料諸島への到達ではないか、あんた、そう考えているんじゃないか? だが、当時の状況がそうさせたんだ。当時、東回り航路はポルトガルの独壇場だ。もし、そこでライバルのイスパニアの船を見つけようものなら、すぐさま拿捕しにかかったもんさ。もし、海峡の発見無しに香料諸島を発見したとしても、ただ、香辛料の産地を発見しただけ。とても利益を生む発見とはなりえない。この航海を計画した人物、つまりマゼランの心中には、なんとしてでも海峡を発見するという頑なな意思があった。それに当時の最新の地図には、なぜか、まだ発見されていないはずのこの海峡が、克明に描かれていたんだ。期待は大きく膨らんだ。だから、ここの側を流れるラプラタ川の河口、これを見たとき、まさしく海峡の入口か! そう考えて、非常に丹念な調査を行った。だが結果は… 分かるだろう? 艦隊は重苦しい空気に包まれた。海峡はどこだ? そもそも、そんな海峡なんてあるのか? 地図は眉唾? 俺たちの苦労は? そんな状態にも関わらず提督は、さらなる南下を決定した。他の人間とは、かけ離れた情熱をもって…そちらの航海者さんには、この決定を強いられるのがどれだけ苦痛なのか分かるだろう? ついにはそれが、大変な事態を招いたそうだが…、これ以上、くわしいことは、分からねえ」。 話を聞き終え、我々は、次なる寄港地サンアントニオに向け、出港した。 そのころセビリアでは、バルボサが捕らえられ、ピガフェッタの手記の捜索を世界周航計画の任を負った複数の航海者に依頼したことがエルカノの知るところとなる。 エルカノ曰く「なに!? ピガフェッタの手記と言ったか! くっ!! 手の込んだ真似を!! 依頼を受けた航海者の特定を急げ。同時に、バルボサの身辺を徹底的に調査しろ。そして。どんな手を使っても構わん。手記のありかを。バルボサから聞き出せ。よいな!! なぜそのような物が…、今になって…」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.07.27 15:30:39
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