ある日の教室-第2回
そもそも、「講師認定制度」がいつ始まり、どうしてここまでの「塾管理システム」になったのか、「物知りのT塾長」に聞いてみることにした。「昨日、私のところに○○教育事務所の人が来て、お前のところは、もう塾が出来ん、のようなことを言われたんです。何で、と聞くと、認定講師がいないからだそうです。これは一体どうなっておますの?」「実はワシは10年前、そう、あれも寒い季節じゃった・・・・反対したのよ。でもほれ、人間っちゅうのは目の前しか見えんじゃろ。どいつもこいつもアメリカも、いやこれは関係なかったの、みんな冬期講習が忙しいの、ホレ、ナンじゃったかの、何とか協会なんぞどうでもええ、とかということで、反対運動が盛り上がらんかったんじゃ。」「10年前と言えば、教育基本法が改正されたころでんな。」「ほーほ~、よく知ってるじゃないか。」「そら、そのくらいは分かりますわ。教育基本法が改正されてから、学校教育もガラッと変わりましたから。この間の学校の、何とか発表会でも国歌斉唱があって、私の塾の保護者の一人が、起立しなかったそうですわ。そしたら、教頭が飛んできて、外に出されて、それからいろいろ事情を聞かれたそうですわ。」「そうだろな。認定制度も、最初はそれほど話題にならなかったのよ。ところがじゃ、最初から国(厚生労働省)から予算が出ておった。何と2800万円じゃ。」「国はそのころ「雇用高度化」と言って、少子化の中で、各業界をどうするか考えておった訳じゃ。おっと、ちょっと待て、来客じゃ、また後な。」