カテゴリ:●艦艇
「護衛艦はたかぜに乗艦」
京急田浦駅の改札を出ると自衛官が立っていた。「おはようございます」と挨拶し、船越岸壁へと向う。国道16号線を渡り、船越小学校の横を通って、田浦中学校方面へ進む。途中、立っている自衛官にも挨拶をして横断歩道を渡り、カーブになった道を歩いていくと海が見えてくる。ゲートまでの岸壁には、すでに30人くらいの人がたたずんでいる。並んでいるのかと思ったが、そうではないらしい。写真を撮ったり、携帯電話をいじくっていたり、人と待ち合わせのようでもあり、無言でそれぞれ時間つぶしの方法をやっているのがおもしろい。そのうちナップザックに入れてある携帯電話が鳴り、尾張の若武者ことユウから、今 門のところにいますのでと連絡があった。そちらへ向うと、ユウが手を振っている。おお!早いなあと久々の再会に喜んだ。彼は、前日に横浜で一泊していた。大桟橋と新港の艦内一般公開にも行ったそうで、大桟橋での公開はすごい人の数だったらしい。それに比べて新港は空いていて、大桟橋は観光地ですねと笑っていた。6時30分過ぎにゲートが開き、チケットを出して受付へ。受付は各艦ごとに分かれていて、地面にもわかりやすく区分け線が引かれている。ここから出港するのは「DDG171はたかぜ」「DE227ゆうばり」「DE228ゆうべつ」「ASR403ちはや」の4艦。前の護衛艦3艦は受閲艦艇部隊で訓練展示では展示艦隊部隊に編成される。潜水艦救難母艦の「ちはや」だけは観閲付属部隊。 海上自衛隊船越庁舎前の岸壁には「ゆうばり」「ゆうべつ」が並んで係留されていて、本日最初の被写体はこの2隻となった。観艦式の訓練展示では、対潜ロケット弾を撃つ小型の護衛艦で、その時だけは人気が高いみたいだ。実は僕は、このくらいの大きさの艦艇が好きなので撮影できたことがうれしい。艦橋の正面に設置された対潜水艦用のボフォース発射装置が、横須賀で見慣れた護衛艦のものと異なっていて新鮮に映る。 乗艦する「はたかぜ」は、岸壁側の潜水母艦「ちはや」と並んで係留されている。タラップの手前で、もう一度乗艦券を渡し、チケットの下の部分を切ってもらい、上部は渡されたホルダーに入れておくように指示された。今回は、下船する時にもチケットのチェックがあるのだ。先に乗艦手続きを終えたユウが「ここにある観艦式のパンフレット、もらっていいみたいですよ」と長机に重ねられたパンフレットを手にしている。1冊もいらないよと最初は苦笑いしたが、急にてら姉さんのことを思い出し、もう1冊ゲット。今年は観艦式のマークが印刷されたクリアファイルのオマケはなくて、パンフレットのみ。「ちはや」から「はたかぜ」に乗り移ると、ユウと二人で後部甲板に並べられた椅子の左舷一番後列に荷物を置いた。女性のOさんも来るので、いちおう2席確保した。荷物は僕がみているから艦内を撮影してくればいいじゃんとユウを送り出した。一人甲板に残り、Oさんと師匠が来るのを待つことにした。しばらくすると見覚えのある女性の後ろ姿を見つけた。何か自衛官と話している。近づいて行き名前を呼ぶと、Oさんであった。どうやら同じ電車に乗っていたらしく、駅を出て前を歩いている人の姿が僕に似ているなあと思っていたらしい。あとは師匠が来れば皆揃うのだが、実は出港時間に間に合うか心配しているのだ。さっきから、こちらへ向って歩いてくる乗客たちを双眼鏡で見ているのだが、まだ来ない。ふと気が付くと、ザックに入れてある形態電話が鳴っている。どこに入れたか探しているうちに切れてしまった。「間に合わない」という電話ではないかと心配になるが、招待券を渡しているので、もし乗り遅れても出港時間の遅い艦艇に乗れるだろうと思っている。首に下げた双眼鏡で何度か岸壁の乗客を見ていると、師匠の濃い眉毛が見えた。手を振って合図を送ったらそのうち気が付いたようで合図が返ってきた。これで今日同行するメンバーが全員揃い、ホッとしたのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[●艦艇] カテゴリの最新記事
|
|