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起ちあがれ! 奴隷となることを望まぬ人びとよ! 我らの血肉を以って新たな長城を築こう! 中華民族に最大の危機がせまり 一人ひとりが最後の咆哮をあげる時だ。 起て! 起て! 起ちあがれ! 我々すべてが心を一つにして、 敵の砲火をついて進め! 敵の砲火をついて進め! 進め! 進め! 進め! 「コールデスト・ウインター」には書いていないが、上の義勇軍進行曲を歌いながら朝鮮戦争に中国人民解放軍が参加したのかな?なんて想像しながら第八部、第九部を読み終わった。目次を見てもわかるように、この二部は戦場一色で両軍の部隊配置の地図も多くなっている。米軍側は無謀運転により事故死したウォーカーの後任として、名将リッジウェイが第8軍司令官に就任する。それにより、戦場の兵士たちの士気も取り戻し戦況が大きく変化する。期待していた彭徳懐の紹介はさらっと書かれているだけで、中国人民解放軍のことを知るには物足りない。アメリカ側から見た戦場なので、映画で例えたらエキストラを使った中国軍の大軍に囲まれた数人の俳優演じる米兵たちの姿が描かれている。中国軍は、ソ連製、日本製、アメリカ製の武器を用い、チャルメラと笛の合図に人海戦術で波のように押し寄せる。米軍側は、飛行機、大砲など近代兵器を使って対抗する。戦闘隊形としては、西部劇で数台の幌馬車が円陣を組み、その周りをインディアンの大軍が走り回りながら襲ってくるといった陣形だ。 朝鮮戦争を題材にした小説であれば、米軍のほかにも国連軍であるフランス軍やトルコ軍、韓国軍のことまで細かく描かれるはずだが、これはアメリカのジャナーナリストの取材で得た情報が書かれているので、国連軍の様子はほとんど書かれていない。ただ、東京のマッカーサーと取り巻き連中の机上の戦争ゲームと、最前線での兵士たちの命がけで戦う姿の対比や、戦場での指揮官の優劣が詳しく説明されているので、この戦争は何であったかということを知るには十分だった。 さあ、残るは第十部、第十一部そしてエピローグ。マッカーサーは、この朝鮮戦争を「クリスマスまでには終わる」と宣言し、実際は終わらなかったが、僕の方はクリスマスまでに読み終わるだろうか? 下巻目次(続き) 第八部 中国の参戦 第27章 殺戮の前奏曲 第28章 つのる不安 第29章 中国軍の攻撃が始まる (地図12:1950年11月25日─26日 清川江流域の米第二師団への中国軍の攻撃) (地図13:1950年11月25─26日 ラブ中隊への中国軍の攻撃) 第30章 東京の命令に戦場の現実をあわせる (地図14:1950年11月25日─28日 西部戦線における中国軍の主要作戦) (地図15:1950年10月─11月27日 米海兵隊担当方面) 第31章 狭すぎる脱出路 (地図16:1950年11月30日 ゴーントレット(苔刑場)) 第32章 西へ血路を開く 第33章 それぞれの脱出行 第34章 身代わりの山羊が必要だ (地図17:1950年11月27日─12月9日 長津湖からの脱出行) 第35章 マッカーサー、政府批判を始める (地図18:1951年1月 中国軍南進の最深ライン) 第36章 リッジウェイの着任 第37章 戦場の転換 第九部 中国軍との闘い方を知る 双子トンネル、原州、砥平里 第38章 彭徳懐の憂い (地図19:中部回廊争奪戦) 第39章 原州で激突か 第40章 双子トンネル前哨戦 (地図20:1951年1月─2月 双子トンネル─砥平里・原州地区) 第41章 双子トンネルの戦いを制する (地図21:1951年1月31日─2月1日 双子トンネルの戦闘) 第42章 砥平里の戦い その1 第43章 アーモンドの戦場、原州 第44章 砥平里の戦い その2 (地図22:1951年2月13日─14日 砥平里の戦闘) (地図23:1951年2月13日─15日 マギーヒル) 第45章 自己の栄達か、部下の安全か (地図24:1951年2月14日─15日 クロンベズ救援隊の進路) 第46章 砥平里の戦い その3 第47章 砥平里と原州、勝利の意味 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Dec 23, 2010 05:01:16 PM
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