マレーシア総選挙
マレーシア総選挙3月8日に投票が行われた下院(定数222)総選挙は、与党連合の国民戦線が140議席を得て過半数を確保したが、全議席の3分の2の安定多数には届かなかった。野党勢力が4倍増の82議席を占めた。与党連合が憲法改正に必要な3分の2の議席を失うのは39年ぶりのことだ。野党陣営は82議席を獲得し勢力を拡大した。同時に行われた州議会選でも、野党が13州のうち5州「ペーラ州入り」を押さえた。その1969年に与党連合が3分の2の安定多数を失った下院選の際には、華人系政党の躍進に危機感を抱いたマレー系住民と、華人、インド系が衝突し、約200人が死亡する暴動が起きた。この事件を機に、マレー系住民の不満を抑えるため経済的に優位な華人との格差を縮める目的で推進されたのが、マレー系優遇のブミプトラ(土地の子を意味する)政策だった。旗振り役は後の81年に首相に就任するマハティール氏である。マレーシアは英植民地時代、スズ、ゴム農園の労働者として中国人やインド人が大量移入し、現在の民族比率はマレー系66%、華人26%、インド系8%となっている。