「竜とそばかすの姫」
観てきました。モチーフは明らかに美女と野獣。すぐに分かりました。あちらは魔法で野獣にされてこちらは仮想現実。現実とヴァーチャルを行き来する演出は以前の「サマーウォーズ」と通じる。全編を通したテーマは歌による癒しと相互理解。美女と野獣の原作よりも手段が明確。原作はリスペクトしつつゼロベースで再構築している。最初にSNSに登録して投稿を2つしただけで一瞬でバズってフォロワーが激増するってのは何らかのノウハウや戦略があったとしても出来過ぎな感じはある。SNS戦略担当がikuraさんだったのは気がつきませんでした。お母さん役の島本さんはすぐに分かりました。ロケ地のモデルは四万十川の沈下橋。自宅付近の風景は山の中。「君の名は。」と近い雰囲気。新海監督は「天気の子」で守りに入った感があった。細田監督はモチーフのテーマは踏まえた上で竜とのコミュニケーションが成立してエンディングとはせずリアルの世界に通じるラストにした。あのラストならリアルを描く演出、竜のバックグラウンドの設定もそれほど必要なかったような気もする。この作品ではリアル=実家、バーチャル=都会であり都会の象徴はライブ会場=アリーナの観客。ネット媒体をメインに一気にフォロワーを増やした演出に説得力を持たせるにはikuraさんのキャスティングは納得できる。もちろん本人が一番理解しているでしょう。「竜とそばかすの姫」