セブの青い空

　昨日久々に彼女とデートした。ここのところあまり良い関係じゃなかったんだけど、やっと回復したみたい。昨日のデートは楽しかったヨ。

　彼女との関係がおかしくなり始めたのは、２ヶ月前の日曜礼拝に行った時のこと。もともと私が日曜礼拝に行くのは、なぜ多くの人がキリスト教を信じるのか、その秘密を探るため。

　フィリピン人の多くはカソリック教徒ですよね。少しずつキリスト教の秘密が分かってきたような気がするんですけど。

　まあ、それはいいとして、この日曜礼拝で嫌なことがひとつある。奴のことだ。奴とはファーザーのことなんだけど、超気に入らない。ファーザーって神父って訳すみたい。でも奴って神父って感じじゃない。セブに長いこといて多くのファーザーやブラザーと出会ったけど、彼らはみんなファーザーやブラザーのイメージそのもの。何て言うのかな、ほのぼのしてくるんだよね。

　でも今行っている日曜礼拝の奴は違う。はっきり言って大嫌い。まず第一に超アブラぎっている。力込めすぎだよ。圧迫感を感じるんだよ。神父なのに超世俗的じゃない。あんた見てると、正直問屋の小娘に手を出そうとして弥七に邪魔される悪徳代官とダブっちゃうんだよ。

　それはみんな私のせい。私があんな質問をしなければ．．．
　日曜礼拝の直後、あの悪徳代官に気分を害していた私は、彼女に矢継ぎ早の質問を浴びせかける。彼女は正真正銘カソリックだ。悪徳代官のことを素晴らしいといっているのが気に入らない。奴はきっと本物の悪徳代官だ

質問１：
　奴は『神はこの世の中を創造した、そしてオールマイティーだ』っていうよね。じゃ何でストリートチルドレンを創造したんだ。創造だけじゃないぞ。放置しているぞ。オールマイティーなら早く救ってやれよ。できないんならオールマイティだなんて言っちゃいけないよ。

質問２：
　奴は『神がこの世のすべてを創造した』って言ってるよね。じゃあ蚊も神が作ったんだよね。イエス様って神だよね。もしイエス様のほっぺたに蚊がとまっても、イエス様は喜んで血を吸わせてあげたよね。蚊も神の子でしょう。でもアンタは叩き殺すでしょう。時々毒ガス兵器まで使って殺すよね。あなたの行動はイエス様の精神に反することじゃない

質問３：
　血を吸う蚊ってみんなメスなんだよ。出産のための栄養補給ために敢えて危険を冒しているんだよ。けなげじゃない。人間は母胎保護は大切だ！って叫んでるじゃないか。神様は蚊の母胎は保護しなくて良いって思っているのか。
（もちろん俺は蚊をたたき殺すよ。蚊に刺されたら痒いじゃない。）

質問４：
　蚊がこの世に存在するってことは『ノアの箱舟』に乗ったんだよね。何で神様は蚊を乗せたの？もしかして蚊は『ノアの箱舟』に不法乗船したの？

質問５：
　蟻は教会に行かなくていいの？蟻の教会どこにあるの？
　
質問６：
　蟻は女王蟻、兵隊蟻、働き蟻がいるけど、何で神は平等にしなかったの？

　私の超屁理屈は止まらなかった。訳のわからない質問をしすぎちゃった。彼女相当頭にきたんだろうな。その後、口もきいてくれなかった。

　以前フィリピン人の友人（彼はサンカルロス大学で心理学を習った熟年プレイボーイ）に、『何でイスラム教徒とキリスト教徒は憎しみあって、時として殺しあうの？』って聞いたら、『神がそうするようにしたんだ。』って。うーん頭痛い。神なら、そうならないようにすりゃ良いじゃん．．．　やっぱりキリスト教ってよくわからない。

＊＊＊教訓＊＊＊
宗教は精神的なものです。理屈ではありません。変な屁理屈で論破しようと思っちゃだめです。