エゼキエル18章・エホバは個々の人の義にゆえにその人を生き永らえさせる

　エゼキエル18章には、エホバ神が私たち個人個人をどのように扱われるかが説明されています。基本的にエホバ神は、義の基準を守り愛ある親切を行なう人が生き永らえるようにされます。また、邪悪な人が死ぬようにされます。

　もちろん、聖書は、義なる人が邪悪な人々によって時ならぬ死を迎えることがあること、また、邪悪な人が繁栄して生き永らえる場合もあることを示しています。(サムエル第一4:11。ヤコブ5:5,6。ヨブ21:7)そして、その人が義の基準を守っているかどうかにかかわらず、私たちは皆アダムから罪を受け継いでいるので、義なる人が病気や障害のため早死にすることもあります。(ローマ5:12)

    しかし、エゼキエル18章にある記述は、エホバ神の基本的な方針と意向を示しています。(歴代第二6:23。ガラテア3:11。ペテロ第一6:18。ヨブ36:6)

　エゼキエル18章によると、偶像崇拝と姦淫を避け、飢えた人に食物を裸の人に衣を与え、不正を避け、他の人を虐待しない義なる人は、「必ず生き続ける」とエホバは言われました。(エゼキエル18:9)義なる行いと愛ある親切の行いは、エホバの是認と恵みを得ます。

　ですから、私たちが神の律法を守り、他の人に愛ある親切を示すことは私たちの命を左右します。エホバ神は、個々の人がその義に基づいて、全体的に、地全体に臨む試練の時を生き残らせるということがあるでしょう。

  さらに、エホバ神は、個々の人の義に基づいて裁かれます。親が義人であっても、子が邪悪なことを行なうならば、子は親の義の行為によって守られるということはなく、やはりエホバ神によって裁かれてしまうでしょう。また、親が邪悪なことを行なっていても、子供が義なることを行なうように努力を払うならば、子が親の罪のために罰せられ、命を失うことはありません。(エゼキエル18:4,7)

エホバ神は親と子を個別に扱われ個々の人の義に基づいて裁かれます

　さらに、このエゼキエル18章が示していることは、その人の最新の状態、現在の状態でエホバ神はその人を裁かれるということです。それは、エホバ神は、邪悪な者が死ぬことではなく、「彼がその道から立ち返り、実際に生き続けることを喜ぶ」からです。(エゼキエル18:23)

エホバ神は邪悪な人が生き方を変えて生き続けることを望まれています

　　これは、人間の法律の施行とは基本的に異なっています。人間の法律の場合、一般的にその人が現在良いことを行なっているならば、過去の罪は問われないということはありません。かえって昔行った犯罪で裁かれることがあります。

　しかし、確かに、人間の裁判の場合も、現在の犯罪者の悔恨の情を見たり、現在の素行によって裁きを和らげたり、厳しくしたりすることがあります。つまり情状酌量ということがあります。　エホバ神は、その点で大変寛大です。エホバ神は、邪悪な人が邪悪な道を捨てて、義なる行為を続けるならば、その人の過去の罪を許して、その人が生き続けることを許されます。過去の罪が問われないということになります。

　　それはエホバ神の愛と寛大さを表しているからです。それで、エホバの基準からそれている人は、自分をその基準に合わせる必要があります。

　さらに、エホバ神は、世界情勢の大きな事態の発展の中で、義なる人々、ご自分の助言に耳を傾ける人が生き続けるように取り計らわれます。昔、ユダの人々にバビロンが攻撃してきたら、バビロンに投降することを勧められました。(エレミヤ27:11,12)そして、バビロンに投降した人々は、生き永らえました。また、一世紀には、ローマ軍が攻撃してくる前に山に逃れるようにとイエスを通して指示を与えられました。(マタイ24:15,16)イエスの助言に従った人は生き続けました。

　それで、過去に置いてエホバの信仰を置く人々は、エホバの指示に従ったので、神の民の地が裁きを被る時でも生き永らえました。しかし、エホバの助言に聞き従わないことが習慣になっている邪悪な人々は、エホバ神は死ぬように取り計らわれました。

　それで、義なる人々が邪悪な人々によって命を奪われる事態が生じる場合があることも事実ですが、エホバ神はご自分に依り頼む大半の人々に保護を与えて、生き永らえるようにとりはからってくださいます。(箴言18:10)義なる人がエホバに保護を呼び求める時、エホバはその祈りに答えられるでしょう。(詩編31:23)

エホバの証人は人に嫌われることもありますが平和主義で殺人をしないことが知られているので人々から敬意を払われ危険な所を無事に切り抜けることができる場合もあります―エホバ神の助けがあるのでしょう

　聖書は終わりの時に、大患難を生き残る国際的な大群衆が数が数えられないほど多くなることを予告しています。(啓示7:9)それらの大群衆は、キリストの贖いの血にも守られています。(啓示7:14)しかし、それらの人々はエホバを崇拝し、エホバに救いを感謝しています。(啓示7:10)このことは、神を崇拝する人々の多くがエホバの保護を受けることを示しています。

　そのことは、義なる人が生き続けるようにとりはからわれるというエゼキエル18章の言葉とも一致しています。しかし、私たちは、アダムから受け継いだ罪により、また、自分の置かれた状況のために、エホバの律法を守ることは容易な事ではありません。私たちは罪を犯してしまいます。

　そのためには、エホバ神に保護と助けを呼び求め、聖書の中に見られるエホバの助言に従う努力が求められると思います。そして、神の基準を守っている人々は、その状態を保つ必要があります。それで、いつもキリストの贖いの犠牲によって私たちの罪を許してくださるようにエホバ神にお願いしましょう。(ヨハネ第一2:1)そして、義の道において進歩していくように努力をしていきましょう。

"Saint Peter Repentant" 1823-25, Goya

エホバ神に罪の許しをお願いし生き方を改めてエホバの是認を求めましょう