琴電
高松琴平電気鉄道株式会社は、香川県に3つの路線を持つ鉄道会社である.太平洋戦争中の1943年11月1日、いわゆる戦時統合で高松市周辺の鉄道事業者が合併して誕生した。直後に、同じく高松市周辺のバス事業者を吸収している。空襲による市内線の焼失、その代替として高松築港までの路線延長を行うなどの結果、1950年代前半に現在の鉄道路線網ができあがった。以降、琴電グループの中心として、鉄道事業・バス事業などを行ない、1970年代には流通事業、ホテル業に進出した。バス事業は1985年に子会社の高松バス(現在のことでんバス)に譲渡している。転機となるのは、鉄道3線の拠点である瓦町駅の近代化計画である。1970年代に構想が持ちあがったもので、駅ビルを建設し百貨店を開くというものである。しかし、諸般の事情により計画の具体化は1980年代後半となり、着工は1993年、竣工は1997年となった。そしてそごうグループと提携して「コトデンそごう」を設立・開店した。しかし、バブル経済期の甘い見通しのもとに立てられた収支計画、ならびに2000年のそごうグループ破綻の余波を受け、コトデンそごうは民事再生法の適用を申請し閉店する。その同社への債務保証が原因で高松琴平電鉄は経営難に陥り、2001年12月に子会社のコトデンバス(現在のことでんバス)とともに民事再生法適用を高松地裁に申請、事実上倒産した。結果、琴平電鉄時代からの経営者である大西一族は退陣、代わりに香川日産グループや地元の大手食品メーカー「加ト吉」などの支援を受け、経営再建することになった。この再生計画は2006年3月に終了した。瓦町駅