把構文の基本的な使い方
中国語ジャーナルより
中検2級出題問題。
正しいものを選ぶ。
1)快把一件衣服洗了。
2)快把那件衣服洗。
3)快把一件衣服洗洗。
4)快把那件衣服洗洗。
答えは4)。その服をすぐに洗いなさい。
”把”構文は、処置文と呼び、”把”に続く目的語に何らかの処置を施すことを表す。
使い方のルールは次のとおり。
1)語順は
把+名詞+動詞
となる。
2)”把”の後の名詞(目的語)は、特定できるものであること。
3)動詞は単独ではなく、ほかの成分を必要とする。たとえば、重ね型などにしなければならない。
問題1と3は、目的語が”一件衣服”:一着の、ある服、という、不特定のものであるため、ルール2に合わない。
問題2は、動詞が単独で使われているので、ルール3に合わない。
だから、4)が正解。
”把”構文の動詞が、なぜ単独で使ってはいけないのか、ずっとなぞだったが、最近、こういう理由があるのではないか、と思い始めた。
”把”は介詞。もとは動詞だった。
”把”構文の語順は、介詞句と動詞句が連続する、一種の連動文と考えられる。
把那件衣服: その服をもってして(介詞+目的語の介詞句)、
洗洗: (ちょっと)洗う
述語動詞が単独で使われると、
把那件衣服+洗
と、述語動詞には補語も目的語もない裸になってしまう。
これでは中国語として収まりが悪いので、補語をとったり、目的語をとったりするのだろう。