カテゴリ:映画
最近、映画の感想が長くなっている気がする。
「長文は駄文だ」と思っている僕としては、もっと短く的確に表現したいのだが…。 【ホテル・ルワンダ】…満足度★★★★ ![]() 1994年にルワンダで実際に起きた、民族間の大量虐殺を描いた作品。 劇中でも、アフリカ人がいかに冷遇されているかを物語る場面が、幾つもあった。 避難民を救えない苛立ちから、国連軍大佐が吐き捨てる「お前は黒人だ / ニガー(黒人の蔑称)ですらない / アフリカ人だ」という言葉が重い。 (アフリカ人は、欧米諸国で差別されながら暮らす黒人達よりも下等という意味合いだろう) そして、彼らは世界から見捨てられた。 いや、今現在も難民達は見捨てられている。 つい最近も、シリア難民のニュースが大きく報じられたばかりだ。 僕達日本人にも、劇中の「世界の人々は あの(虐殺の)映像を見て『怖いね』と言うだけで ディナーを続ける」という台詞が耳に痛い。 そして、この作品は『一度紛争が起きてしまうと、国家権力がその全てを掌握・統制する事は難しく、末端では暴力や略奪などの蛮行が横行する事』と『過去の怨恨から起こる民族間、宗教間、或いは国家間の争いがいかに愚かで無益であるか』を教えてくれる。 物語は幸いにも感動的に終わるが、その傍らでは夥(おびただ)しい数の名も知らぬ人々が虐殺されている事を忘れてはならない。 内容がどこまで事実に基づいているかは不明だが、映画としてはやや予定調和が過ぎる印象を受けたため、この評価に止めた。 【百万円と苦虫女】…満足度★★★☆ ![]() 地味で取り柄も無く、消極的で人付き合いの苦手な主人公・鈴子(蒼井優)が、ある出来事を切っ掛けに実家を出て、引っ越し先の人々と触れ合う。 それだけの物語だ。 何かが起きるのを期待しながら観ても、結局何も起こらないままに過ぎてしまう。 しかし、実際は、彼女も気付かない内に、いつも変化は起きている。 (寧ろ、それに気付かないまま引っ越してしまう所に、この作品の妙味がある) そうした幾つもの光景を、敢えて(?)控え目な表現で描いたのは、女性監督ならではの感性か。 気付ける人にしか気付かれない繊細な描写だが、個人的には結構好きだ。 達観したかの様なラストの台詞も、清々しくて良い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.10.21 23:06:23
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