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明日は「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」と呼ばれる、非常に珍しい皆既月食が見られる。
夜空が晴れると良いのだが…。 と、今日はその話ではない。 昨年末に漫画【黒執事】の最新巻が発売され、ついにシエルの秘密が明らかになった。 僕も3年越しに自分の推理の答え合わせをする事になったのだが…。 ![]() 果たして、推察通りだった。 「シエルは双子」 「今のシエルは本当は弟(本名はまだ不明)で、兄に成りすましていた」 「使用人のタナカは、シエルの秘密に気付いていた」 さて、こうなると今後の展開についても予測したくなるのが人間というものだ。 現時点で分かる範囲内で推察してみた。 個人的に気になるキーワードは「フランス」。 本物のシエル復活の首謀者であるアンダーテイカー(葬儀屋)は、ドイツのディーデリヒを訪ねた際「フランスに用事があったついで」と言っている。 つまり、フランスとの繋がりがあるという事だ。 また、「豪華客船編」で、彼はゾンビ達を動物兵器として欲しがっている「依頼者」の存在に言及しているが、黒幕がフランス人なら英国人を犠牲にした人体実験には何の躊躇も無いだろう。 では、ファトムハイヴ家はどうだろうか。 先ず、シエル(Ciel)という名前が「天」や「空」を意味するフランス語だ。 これに関しては、最新巻で父親のヴィンセントが「英国の伝統ある名前なんか古臭い―――なんて言われる時代がそう遠くないかもしれないしね」と意味深な発言をしている。 また、シエル達の「羊だって牧草(エサ)がなかったら余所へ行っちゃうだろ」という会話に、何か言いたげな表情を見せている。 ドイツ人のディーデリヒに子供達の無事を託したり、妹のフランシスに「番犬のお役目ごと領地を陛下に返上するしかないかもしれないね」と答えたり、あまり英国に愛着が無いようにも映る。 こうした情報から考えて、もしかするとヴィンセントは英国王室を裏切り、フランス側に寝返ろうと(或いは「亡命」しようと)していたのではないか…。 弟シエルがフランス語を流暢に話せるのも、始めから渡仏を想定してヴィンセントが子供達に学ばせていたのだとすれば辻褄が合う。 (因みに、ドイツ語の発音は苦手) 彼は、大英帝国の斜陽が近い事を、どこかで感じ取っていたのかも知れない。 そして、それがヴィクトリア女王の知れる所となり、彼女の怒りを買ったファントムハイヴ家は襲撃された…。 そのあまりに一方的な襲われ方を見ると、相手はかなりの手練れと考えるのが妥当だ。 史実によれば、女王の最愛の夫アルバートの命日は12月14日で、シエル達の誕生日と一致しており、何か因縁めいたものを感じさせる。 そうなると、シエル達の復讐の相手は英国王室という事になるが…。 ここでもう一つ気になるのが、シエル達の祖母にあたる「クローディア」の存在だ。 21巻に描かれたファミリーツリーによれば、クローディアの生年月日は1930年4月5日、没年月日は1866年7月13日(享年36歳)。 葬儀屋が死神派遣協会から離脱したのが半世紀前なので、豪華客船の事故(1889年)から逆算して1839年頃という事になる。 葬儀屋とクローディアの間に何があったかはまだ明らかにされていないが、彼女との出会いが死神派遣協会を抜ける契機になっただろう事はほぼ間違いない。 そうなると、2人の出会いは、クローディアがまだ10歳にも満たない幼い頃という事になる。  ![]() 14巻のこの場面は、葬儀屋がシエルの中にクローディアの面影を見た瞬間だろう。 また、彼女の夫、つまりヴィンセントの父親であるセドリックの姓が「Ros...(後半は不明)」である事から、ファトムハイヴ家の直系はクローディアであり、当主として「女王の番犬」の任を受けていたのは彼女だったと考えるのが妥当だろう。 ファントムハイヴの家系は、死神を認識できる能力があるようだし、その事からもクローディアは死神時代の葬儀屋と間違いなく出会っている。 葬儀屋とファトムハイヴ家の関係は、ヴィンセントが生まれるずっと以前からあったのだ。 そして、何らかの目的のために、葬儀屋は常にファトムハイヴ家に関わっている…。 (因みに、ヴィンセントの生年月日は1851年6月13日、没年月日は1885年12月14日) 恐らく、この「フランス」と「クローディア」の両者が結び付く所に、葬儀屋の真の目的が隠されているのだろうと思う。 ただ、現在連載中の「青の教団編」では新たなキャラクターも出て来そうだし、それによっては全く違う展開になる可能性もある。 (ファントムハイヴ家には、まだ明らかにされていない秘密が他にもありそうだし…) 更に、僕の見落としや勘違いもあるだろうから、今回はあまり自信は無い(笑)。 最後にもう一つ。 「豪華客船編」に登場した正体不明の製薬会社名、「オシリス」について触れておきたい。 オシリスとは、古代エジプト神話に登場する神の一柱で、イシス、セト、ネフテュスの4兄弟の長兄とされている。 神話によると、オシリスは生産の神として、またエジプトの王として同国に君臨し絶大な支持を得ていたが、これを妬んだ弟のセトに謀殺され王位を奪われてしまう。 この際、セトがその遺体をばらばらに切断しエジプト中にばら撒いたため、妹であり妻でもあるイシスが各部を拾い集め、アヌビスの助力によってオシリスはミイラとして復活する。 (ただし、男根を魚に食べられてしまったため、完全な身体を失ったオシリスは現世に留まる事ができなくなり、やむなく冥界の王となった) その後、オシリスはイシスを通じて自身の遺児ホルスを後見し、セトを倒して王位を奪還すると、これをホルスに継承させる。 これ以降、現世はホルスが治め、自身は冥界の楽園であるアアルの王として君臨し、死者を裁く事となった…。 この挿話は、どことなく今のシエル達の関係性を想起させないだろうか。 (弟シエルが兄を妬んでいたとは思えないが、殺された兄の目にはそう映ったかも知れない…) そして、オシリスを兄シエル、セトを弟シエルと見立てると、葬儀屋はさながらミイラ作りの神アヌビスと言える。 まあ、その辺りも含めて、今後の展開を楽しみたい。 それにしても、次回の答え合せは、果たして何年後になるのだろうか…(笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.01.31 23:33:06
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