カテゴリ:宝塚
愛しの美稀さんにまで、目が辿り着かねぇえええッ!!(笑)
何と言う運命の皮肉だろう。 双眼鏡で追いかける若手の人数が増えれば増える程、そして彼らが輝きを増せば増す程、美希千種を見つめる時間が減ってしまうなんて…。 今や彼らは、織姫と彦星の仲を引き裂く天の川のように、僕達の間で眩しく煌めいている。 美希さんをもっと見たい。 だけど、若手にももっと煌めいて欲しい。 そう、きっと僕達は宝塚の星屑ロンリネス。 (この昭和ネタ、分かるかな…笑) レビュー【モアー・ダンディズム!】はオーソドックスながら、古き良き宝塚をしっかりと感じさせてくれる、かなり僕好みの舞台だった。 挑戦的なショーもあり、伝統的なショーもあるというのが宝塚の良さだと思う。 そのどちらも分け隔てなく楽しめる僕は、幸せ者だ。 幕開けは、4色のスーツとドレスに身を包んだジェンヌ達が列になって互いに交差して行くのだが、派手さは無いものの「いかにも宝塚」という雰囲気があり、徐々に気分が盛り上がる。 第3章『キャリオカ』も宝塚らしさに溢れ、ずっと観ていたいと思わせる華やかな場面だ。 曲調やダンスと共に舞台セットも刻々と変化し、全てを効果的に使う構成になっており、これだけでも観る価値がある。 第4章『ゴールデンデイズ』は、卒業する愛月ひかるのために用意された特別な場面。 【うたかたの恋】をイメージした舞台で、白い軍服姿の愛月がどこまでも麗しく映える。 続く第5章『ハードボイルド』は、打って変わってどこまでも渋く格好良い男の世界。 礼真琴の低い歌声が曲と相まって、場の雰囲気を盛り立てる。 それにしても、上手い(笑)。 今更、礼の歌唱力について語る必要など無いのだろうが、最近はトップスターとしての自信というか余裕が出て来たのか、これまで以上に歌に深みが増したように感じる。 ダンスも見惚れる程に美しく、愛月ひかるが礼を評して言った「恐ろしい子」の意味を、今公演で今更ながらに理解した。 歌と言えば、今回は間奏曲(3)『ラ・パッション!』で聴かせた瀬央ゆりあも圧倒的だった。 確かに、これまでも公演の度に成長を感じさせてはいたが、【ロミオとジュリエット】を経て新たな次元に達したようだ。 芝居でも礼と見事に対峙し、礼・舞空コンビを下支えするに相応しい役者に育った。 以前に比べ、随分と痩せたように見えるので、身体には気を付けて欲しい。 (ずんに、カレーを作ってもらいなさい…笑) 瀬央に続くは、綺城ひか理。 元・花組という事で、宙組出身の愛月ひかると共に星組に新たな煌めきをもたらしてくれている。 今後は、愛月が演じて来た目上・格上の役柄を、綺城が担う事が増えるだろう。 無理に星組に染まろうとせず、花組で培った花男としての個性を大切にして、若手に刺激を与えて欲しい。 恐らく、その方が星組にとってはプラスになるはずだ。 バウ主演のチャンスがあるなら、弾けたコメディを観てみたい。 天華えまも、面白い役者に育って来た。 『鬼滅の刃』の伊之助さながらに、「綺麗な顔の野生児」がいよいよ開花しつつある。 【スカーレット・ピンパーネル】の新人公演で僕が課題に挙げたノーブルさも身に付いて来たし、今後は【ロミオとジュリエット】の死とマーキューシオ役のように、公演毎に振り幅を大きく配役してやれば、更に逞しく成長するはずだ。 バウ主演させるなら、本人の希望通り【春の雪】のような作品・役柄が、彼女には新たなチャレンジになるだろう。 正統派の系譜に連なる極美慎、期待の碧海さりおや天飛華音を始め、若手にもどんどん前に出て来て欲しい。 (注目して欲しい若手がいたら、新人公演で主演させてくれると、こちらも確認しやすくなって助かる…笑) そして、彼らの中から将来、愛月ひかるの精神を受け継ぐ者が生まれる事を楽しみにしている。 と、話が逸れた。 個人的には、第2章『ミッション』のようにストーリー性やメッセージ性がある場面も好きだ。 そして、鑑賞しながら「あれ?」と感じたので調べてみたら、やはり皆が踊っているのはジョージアン・ダンスだった。 ここは再演に伴う新場面らしいので、もしかして僕の嗜好を取り入れてくれたのだろうか(笑)。 (しかし、僕があの記事を載せたのは7月末だし、時期的に無理があるか…) 第8章『アシナヨ』では、礼・舞空・愛月の3人による美しい場面。 トップコンビの2人と共にスポットライトを浴びる愛月を見ると、「ああ、これで本当に最後なんだな…」と胸にこみ上げて来るものがある。 この場面では、客席からの拍手も一際大きかった。 卒業後は未定らしいが、インタビューでは「宝塚が好きなので……この言葉から汲み取っていただければ」と語っており、今後も何らかの形で宝塚と関わってくれるのだろう。 彼女の新たな人生に、幸多からん事を。 ありがとう、愛月ひかる!! ありがとう、星組!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.10.18 19:14:44
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