545251 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

[Stockholm syndrome]...be no-w-here

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2023.08.03
XML
カテゴリ:宝塚
風邪を引いてしまった…(現在は、ほぼ完治した)。
気を付けてはいるのだが、エアコンの冷気に弱い体質のため、何だかんだ毎夏一回は引いている。
とりあえず鼻水は止まったものの、寒気はなかなか治まらず、劇場内は凍えるようだった(笑)。
(後ろの年配グループは「天国やな~」と言っていたので、皆にとっては快適な涼しさなのだろう)

そんな体調での観劇だったので、あまり集中できなかったが、今回も【鴛鴦歌合戦】は笑えて、【GRAND MIRAGE!】は美しかった。



【鴛鴦歌合戦】は、先日映画を観たせいか、物語の世界観をより素直に楽しめた。
時代劇とジャズの融合は斬新だし、戦前の映画ながら女性がはっきり意見を言う姿も新鮮。

普段は原作を観ず(読まず)に臨む僕だが、本作は映画を観てからの方が楽しめるように思う。
白黒だった風景がパッと鮮やかに色付き、戦前の作品が令和に甦ったような錯覚を味わえる。
(幕開けのチョンパも、その効果を狙ったのかも知れない)
また、映画を観てからの方が、小柳奈穂子のアレンジ力を実感できるだろう。

最後の「金持ちは嫌いだ」という台詞は、映画と宝塚版では少し意味合いが違う。
映画でのお春は「大金持ちになって、おとみさんに負けない大きな別荘を建てられる」と完全に浮かれている。
その姿に、人間の浅ましさを見た礼三郎は「成り上がりの金持ちは特に嫌いだ!」と吐き捨てる。
それに対して、宝塚版ではお春のこの台詞はカットされ、単に「夜逃げしなくて済む」という流れになっている。

これは僕の憶測だが、監督のマキノ正博は「戦争成金」に対する批判を礼三郎のこの台詞に込めたのではないかと思う。
第一次世界大戦(1914~1918年)では、様々な投機や株式ブームによって景気が高騰し、日本全国に成功して大金を手にする企業家達が現れた。
庶民は、こうした人々を羨望と非難を交えて「成金」と呼んだ。


成金の代表的な風刺画(1928年)

吾郎さんに貰った【昭和タイムズ】を調べてみると、ちょうど映画が公開された1939年(昭和14年)の記事に「日中戦争による軍需景気の恩恵に預かった成金達が登場し、彼らの金に糸目を付けない派手な暮らしぶりに、庶民は冷ややかな目を向けていた」とあった。
マキノ監督は、そうした庶民の気持ちを礼三郎(片岡千恵蔵)に代弁させたのではないだろうか。
「金持ちがそんなに偉いのか?」と。
(映画での礼三郎は本気で怒っている)

現代人の感覚では、この台詞の本意は正しく理解されないだろう。
それも踏まえて、小柳奈穂子は台詞のニュアンスを変えたのではないかと思う。

また、劇中に米国発のジャズを取り入れたり、歌詞に「ヒステリー」といった英語が普通に使われている事から、この当時はまだ「鬼畜米英」の雰囲気は無かった事が窺える。
それと、おとみの「誕生日」という言葉を聞いて、「日本で誕生日会を開くようになったのって、いつ頃からなのかな?」と、どうでも良い疑問が湧いた。
『歴史探偵』に依頼したら、調べてくれるだろうか…(笑)。
(北条時行の回は非常に楽しませてもらった、ありがとう!!)


レビュー【GRAND MIRAGE!】で特に好きな場面は、『第2章 遥かなるMIRAGE』『第5章 夜の町の幻影』『第7章 ボレロ・ルージュ』。
体調が良ければ、もっと前のめりで満喫できたのだが…。
予定が合えばもう一度観に行きたい、素敵な舞台だった。

ありがとう!!



次回の観劇は、月組【フリューゲル -君がくれた翼-】。
配役が発表された時から「もしかして…」と思っていた人物が、相関図を見て「やはり!」だったので、最後にどうやって正体が明かされるのか(明かされないのか)、個人的に楽しみにしている。
(東ドイツの物語に彼らは外せないと、齋藤吉正も判断したのだろう)
観劇は8月29日(火)の予定だ。

今度は体調を万全にして臨みたいが、浮世どころか、とかく我身もままならないもので…(笑)。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023.08.03 22:08:08
[宝塚] カテゴリの最新記事


PR

Profile

love_hate no.9

love_hate no.9

Category

Calendar

Archives

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.