テーマ:最近観た映画。(39264)
カテゴリ:映画
やっぱ、オレって変ですよね。
どこかがみんなと違ってるんですよね。 一人で夜中に映画を見に行くのって変ですね。 しかも、よりによって「NANA」を。 周りはカップルだらけの映画館で。 ひとり一番端で。 さみしく。 「NANA」 この映画の評価は保留。 評価をする前に、片付けておかないといけない問題がある。 「原作モノ」の映画をどう評価するか、だ。 「原作モノ」の特徴は、文字通り「原作がある」ということである。 それが小説であれ、マンガであれ映画の製作の前提として、 「その原作が結構人気がある」ことがある。 (そうでないと、普通は映画化されない) その上で「原作モノ」を見るとき、鑑賞のポイントは 「いかに原作を忠実に再現しているか」 この1点に限られる。 特に今回の「NANA」に関しては、 原作のコミックがかなり人気があり、 映画を鑑賞している人は、 ほぼ100%コミックを読んだことがある人々だといっても過言ではないだろう。 また、今回はマンガが原作の映画という点において、 映画を鑑賞する人はすでに「画像」としてのイメージを明確に持っている。 これは小説を原作とする映画とは大きく異なる点である。 小説を原作とする場合、読者の持っているイメージは、 読者個人にゆだねられている。 筋肉質のハリー・ポッターであろうが、 インテリめがねのハリー・ポッターであろうが、 下半身むき出しのハリー・ポッターであろうが、 それは読者の自由な想像に任せられている。 だから、ダニエル・ラドクリフ演じるハリー・ポッターは、 今では「ハリー・ポッター」の代名詞的存在になってはいるが、 「私のハリーは違う!」 と主張する人が大勢いてもおかしくはない。 しかし、先ほども述べたように、 今回私が鑑賞した「NANA」はマンガ原作である。 鑑賞している人のほとんどは、マンガの「NANA」を知っている。 「矢沢あい」が描く、キャラクターを知っている。 さらにストーリーも知っている。 そんな人々が、この映画で一番の関心を持つのは、 やはり「原作を忠実に再現しているかどうか」ということである。 つまり観客のほとんどが、 「原作に忠実かどうか」をチェックする審査員のようになってしまう。 実際、私は結構前に原作を読んだのでうろ覚えの箇所が多かったが、 「ああ、こんな場面あったなぁ」 「ここでこんなセリフを言ったなぁ」 などと、原作と映画の共通点を探して再確認する作業に終始してしまった。 これが「原作モノ」の楽しみだぎゃ(名古屋弁)。 といってしまえばそれまでなのだが、 私には、これは映画の楽しみを外れてしまっているような気がした。 よって、原作を知っている私にとっては、 この映画の評価を正しくすることはできないと思う。 だって、映画の評価=原作の再現率になってしまうから。 それを承知で評価をするなら、 「非常に原作に忠実だった」というのが最適な評価だろう。 私の持っているイメージと今回のキャストは結構合っていた。 その点だけでも「原作を忠実に再現した」いい映画だったといえる。 しかし、原作を知らないでこの映画を見たとき、 はたして「いい映画だった」と感想をもてるかは、甚だ疑問である。 最後に気になった点をひとつ。 原作の再現率は結構高かったように思えるが、 「本城蓮」役って、松田龍平でよかったの? かなり重要な役どころであったにもかかわらず、 彼だけ原作とは違う雰囲気を持っていた。 正直なところ、松田勇作の息子で独特な雰囲気を持つ彼には、 鑑賞者のイメージを投影しがちな「原作モノ」は、合いません。 だって、癖がありすぎるもん。顔にも雰囲気にも。 結論。 今回の映画の失敗は、松田龍平をキャスティングしたこと。 あとの点はおおむね及第点か。(あくまで原作を知っている人にとっては・・・) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年09月07日 02時58分21秒
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