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カテゴリ:CAMINO巡礼
帰りの飛行機の出発地が、バルセロナ。 また来ちゃった、大好きな街。 午前中は、友人に勧められたteteria(お茶屋さん)へ足を運ぶ。 落ち着く素敵な店内で、美味しいお茶をすすりながら書きものなどをしていたら けっこうな長居になってしまった。 こういうのって、トーキョーでも、メキシコ・シティーでも、バルセロナでも変わらない。 私はここに住んでいて、休日にちょっとお茶を飲みにきたんだけど、 居心地良くて、ついユックリしてしまったよ、という感じで。 仮に、ここバルセロナに住むことになったとしよう。 留学や一時的な滞在ではなく、居住者になったと考えて。 最初のこのウキウキ感が時間とともに消え、大都会の孤独がじわりじわりと押し寄せてくる。 大好きなはずのこの街がよそよそしくなる。知り合いも家族もいない。 仕事は大変だし、病気やけがをする。 どこの国に住んでも変わらない、日常の生活が続く。 その中で、時間の流れとともに知り合いが増え、友達ができ、誰かに惚れたりもする。 恋人がいて、甘かったり辛かったりする。 ゴミを出し、仕事帰りにスーパーで買い物をし、風邪をひいたり 動物に追いかけられたり(?)、友達とBARでワインを飲んだり、旅行したり。。。 現地の人と結婚をすれば、すっかりその国への移住者になる。 これは2~3年というスパンでなく、少なくとも5年以上のまとまった時間の流れが必要だ。 異国の地に時間をかけて慣れてゆくプロセスは経験済。 あんなに大好きなメキシコでの生活も、最初の2~3年は災難続きだった。 同じ日本人である仲間達が、ここの生活をどんどん楽しんでいるのに、 空気も水も汚いメキシコ・シティーで、私はお腹を壊してばかり。 肺炎寸前まで咳が止まらなく、病院に駆け込んだこともある。 スペイン語はなかなかうまくならず、日本語の本が読みたかった。 犬に噛まれて100針縫う大けがした時は、ある同僚に、 同情とも哀れみともつかぬ感じで、こう言わせてしまったのだった。 「あなたにとって、メキシコは鬼門なんだよ。」 しかし、こういうのは、他人が決めることではなく私が決めること。 私のシアワセはわたしが決める!と、ずっと思っていた。 (後に、ドラマAround40の主人公が、この時の私と同じようなセリフを言っていたので驚いた。) 不器用な私は人より時間が倍かかる。 気づけば10年という歳月の流れの中で、メキシコが私にじっくり付き合ってくれたのだ。 日本の家族には会いたかったし、心配もかけたけれど、 つまずいても「日本に帰りたいよう」と思ったことは一度もなかった。 あきらめるつもりも全然なかった。 他人には辛そうに見えていたかもしれないが、私は私なりに試行錯誤しながら前進していた、と思う。 最後は楽しくて楽し過ぎて、ラテン生活にも十二分に慣れて、 このままだと私は脳みそ溶けてしまうがな、という思いまで持てたのだから、ありがたい。 だから、もしバルセロナに住んだとしても、時間はかかるかもしれないが、 またメキシコ生活と同じような経緯をたどるのであろう、そう容易く推測できる。 「スペイン!スペイン!」と連呼している私。 「日本に慣れないんです。」と怖気づいている私。 「それなら、さっさとスペイン行って住めばー?」という話なのだが、 いえ、それは違う。 違うのよ。 今回のスペインの旅を通して、カモフラージュしてきた自分の心があぶり出された。 外国に行ってしまえば何とかなる、という甘ったれた心も正直あるが、 今は、日本。自分が納得できるまで、かじりつきたい。 大変=逃げたい 今までの私もそうだけど、こんな公式は当てはまらないのですわ。 私は、今、日本でがんばるべきなのだ。 日本で、「私は、こうです。」という自信をつけないと、結局は何処いっても駄目なのよ。 メキシコでできたから、きっと、日本でもできる。 Barceloneta あれこれ物思いにふけりながら、散策。 2月の地中海は、もう既に夏の色をしていたよ。すばらしく青かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年05月30日 06時54分54秒
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