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2007.02.16
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カテゴリ:ヨーロッパ映画
15.善き人のためのソナタ
■原題:Das Leben Der Anderen(The Lives Of Others)
■製作年・国:2006年、ドイツ
■上映時間:138分
■鑑賞日:2月12日 シネマライズ(渋谷)
■公式HP:ここをクリックして下さい
□監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
□製作:クヴィリン・ベルク、マックス・ヴィーデマン
□音楽:ガブリエル・ヤレド、ステファン・ムッシャ
キャスト

◆ウルリッヒ・ミューへ(ヴィースラー大尉):国家保安省に勤務し尋問や盗聴のプロ
◆マルティナ・ゲデック(クリスタ=マリア・ジーランド)ドイツを代表する女優
◆セバスチャン・コッホ(ゲオルク・ドライマン)クリスタの恋人で西側での評価も高い劇作家
◆ウルリッヒ・トゥクール(グルビッツ部長)ヴィースラーの上司
◆トーマス・ティーメ(ヘムプフ大臣)国家保安省大臣でクリスタに肉体関係を迫る
◆ハンス=ウーヴェ・バウアー(パウル・ハウザー)ドライマンの友人
◆マティアス・ブレンナー(カール・ヴァルナー)ドライマンの友人
◆フォルクマー・クライネルト(アルベルト・イェルスカ)ドライマンが敬愛する劇作家

【この映画について】
1989年のベルリンの壁崩壊は、冷戦時代の終焉を告げる出来事として人々の記憶に残っている。しかし、旧東ドイツでその支配中枢を担っていた国家保安省(シュタージ)については、統一後も、長い間映画のテーマとして描かれることはほとんどタブー視されていた。
取材に4年を費やし、秘密組織“シュタージ”の内幕を描いた本作は“近年のドイツでもっとも重要な映画”と称賛されアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされている。
出演は、自身も監視された過去を持つ東ドイツ出身の名優ウルリッヒ・ミューエ。変わりゆくヴィースラーの哀しみと歓びと人生の移り変わりを静かに物語っている。
※後日談:見事に、アカデミー賞外国語映画賞(ドイツ語)を授賞した。
【ストーリー(ネタバレなし)】
1984年11月、東西冷戦下の東ベルリン。劇作家ドライマンの舞台初日上演後のパーティーで国家保安省大臣のヘムプフは、舞台の主演女優でドライマンの恋人であるクリスタを気に入る。
劇作家のドライマンと舞台女優である恋人のクリスタが反体制的であるという証拠をつかむようヘムプフ大臣から命じられたシュタージ文化部部長グルビッツは、国家保安省(シュタージ)局員のヴィースラーに盗聴を命じた。
ヴィースラーには成功すれば出世が待っていた。早速、ヴィースラーは盗聴機器取り付けの為の下準備を終え、ドライマンとクリスタが外出中を狙い空き家に侵入しあっという間に部屋のあちこちに盗聴を張り巡らせた。
この様子を密かに観察していた隣家の婦人には脅しをかけて口を封じて見せた。これからヴィースラーはアパート内の屋根裏で24時間交代で監視を開始し、毎日の会話記録を作成するのが日課となった。
或る日、尊敬する劇作家のイェルスカが自殺した事を知ったドライマン。彼を偲び彼が贈ってきた「善き人のためのソナタ」の楽譜を開き自室のピアノで弾く。その美しくも悲しい旋律を屋根裏の盗聴器越しに聴いていたヴィースラーは落涙し心を揺るがされたのだった。
イェルスカの死に衝撃を受けたドライマンは友人等とともに、西独の雑誌「シュピーゲル」の記者と連絡をとり東独の自殺者の割合が高いことの記事を掲載させようと試みる。この件はクリスタには内緒で進められ、クリスタの不在時に提供されたタイプライターで原稿を書いていた。そのクリスタは彼に内緒で外出しヘムプフ大臣と情事を重ねようとするが彼は知っていたのでやめるよう説得する。
クリスタはドライマンを振り切るように外出したが、その時、外でヴィースラーは身分を隠しバーで呑んでいたクリスタに彼女のファンであることを伝え「今のあなたはあなたでない」と告げて去った。
心の変化を予期していなかヴィースラーは、彼らの世界に近づくことで監視する側である自分自身が変えられてしまうとは予想していなかった。国家を信じ忠実に仕えてきたヴィースラーだったが、盗聴器を通して知る、自由、愛、音楽、文学に影響を受け、いつの間にか今まで知ることのなかった新しい人生に目覚めていく。
そしてドライマンたが企てていた記事掲載の計画の際に国境を越える計画を知りながら、「今回だけだ」と見逃してしまう。
アパートが監視されていないことを確信したドライマンと友人等は、シュピーゲル誌の記者を呼び込み記事を渡す。その間、タイプライターを自宅の中を改造し隠すのだった。だが、不覚にもその行動は、何故だかクリスタに覗かれていた...そして、記事は掲載され監視の甘さを糾弾されたクルヴィッツ部長はヴィースラーを問い詰める。
ドライマンは白を切るがクルヴィッツはドライマン宅を「ある情報に基づき」自信を持って家宅捜索する。だが、何故か証拠の物件はある場所に無かったのだが...
さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。
1.クルヴィッツが家宅捜索をする元になった情報とは誰がもたらしたのか?
2.クリスタが密会を重ねるヘムプフ大臣との関係はこの先どうなる?そして彼女の運命は?
3.ヴィースラーはこの事件を機にその地位はどうなったのか?
4.東独崩壊後のドライマン、ヴィースラーの立場や地位に変化は生じたか?

等を中心に映画館でご覧下さい。ただし、週末の午後は私が鑑賞したときもそうですが満席が予想されますので早めに映画館には早めに着くのが良いでしょう。
【鑑賞後の感想】
ベルリンの壁が崩壊し1990年に東西ドイツが統一国家として誕生してから17年後の今になってこの映画を観ると、こうした監視社会がヨーロッパにありその実態を見ると恐ろしささえ感じた。
旧東独が旧ソ連の影響下で一党独裁を続け、シュタージが国家として国民を監視していた事実は知っていたが、その実態をこうして映画を通して見ると信頼していた身内が監視員や通告者だったという事実は日本人の感覚では想像出来ない。
そんな監視社会の中で尋問の専門家であり、盗聴を通じて行動を逐一監視していたヴィースラーが盗聴器から聞えて来た音楽に心を揺るがされるという設定は人間味を感じた。シュタージの一員から一人の人間へ少しずつ気持ちの変化が生じてくるのだが、ヴィースラーは常に表情を変えずにいる為かえって内面の変化が掴みやすかった。
芸術は閉ざされた社会であっても人の心を変え、場合によっては国家をも揺るがす力を発揮することが出来た。この映画では監視員として優秀だったヴィースラーが自らの出世を捨てて、変わり行くであろう国家体制を察知し捨てて行った。そして統一後、彼はこの件の責任を取らされる形で閑職に生涯左遷させられ、彼が助けた形になったドライマンは劇作家としての自由な活動を手にしたラスト・シーンは印象的だった。
【自己採点】(100点満点)
85点。暗めの映像とマッチしているガブリエル・ヤレドの音楽も良かった。

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Last updated  2007.02.27 00:46:33
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