|
テーマ:ミニ・シアター系映画(152)
カテゴリ:アメリカ映画
100.マリア
■原題:The Nativity Story ■製作年・国:2006年、アメリカ ■上映時間:100分 ■日本語字幕:戸田奈津子 ■鑑賞日:12月8日、シャンテシネ(日比谷) ■公式HP:ここをクリックしてください □監督・製作総指揮:キャサリン・ハードウィック □脚本・製作総指揮:マイク・リッチ □製作総指揮:ティム・ヴァン・レリム □製作:ウィック・ゴッドフレイ、マーティ・ボーウェン □撮影監督:エリオット・デイヴィス □プロダクション・デザイナー:ステファノ・マリア・オルトラーニ □編集:ロバート・K・ランバート、スチュアート・レヴィ □衣装デザイナー:マウリッツィオ・ミレノッティ □音楽:マイケル・ダナ ◆ケイシャ・キャッスル=ヒューズ(マリア)小さな村で生まれ育ち親がヨセフとの結婚を決める ◆オスカー・アイザック(ヨセフ)マリアの夫として「神の子」を宿した妻を優しく包む夫 ◆ヒアム・アッバス(アンナ)マリアの母 ◆ショーン・トーブ(ヨアキム)マリアの父 ◆アレクサンダー・シディグ(天使ガブリエル)マリアに神の子を宿したことを告知する ◆ナディム・サワラ(メルキオール)救い主誕生の兆候を探る東方の三博士の一人で学者 ◆エリック・エブアニー(バルタザール)東方の三博士の一人でエチオピア人の天文学者 ◆ステファン・カリファ(ガスパール)東方の三博士の一人 ◆スタンリー・タウンゼント(ザカリア)敬虔な聖職者で妻が「神のお告げ」で妊娠できる年齢を過ぎて神の子を宿す ◆ショーレ・アグダシュルー(エルザベト)ザカリアの妻で「神の子を妊娠」する ◆キアラン・ハインズ(ヘロデ王)ユダの王で救い主誕生の情報を聞きつけベツレヘムの2歳以下の幼児殺害を命じる 【この映画について】 イエス・キリストの生涯を扱った作品は過去にも多く映画として存在するが、キリストの両親「マリアとヨセフ」についてを描いた作品は珍しいのではないか? マリアは殆ど面識の無かったヨセフとの結婚を両親の薦め(強制?)で承諾する。しかし、ヨセフとの正式な結婚式を待たずに「神の子」を宿したマリアには冷たい村人の視線が投げかけられる。 圧政を敷くヘロデ王の追手からの逃亡を経てイエスを産んだマリアとヨセフの「一組の夫婦」にスポットを当てた作品だ。ヘロデ王が如何なる人物だったかも詳しく描いている。 予断ですが、キリストの生年は「紀元前4年」であり「西暦0年」ではありません。 【ストーリー】(ネタバレなし) ユダのヘロデ王はローマの支配下にあり、ローマ皇帝の名の下に重税を取り立てるなど民衆を苦しめ圧制を敷いていた。 そのヘロデ王は「救い主」が現れて民衆は王の支配から逃れられるとの予言を恐れ、ベツレヘムの2歳以下の男児全員殺害を兵士に命じた。 ヘロデ王の虐殺命令から1年前のエルサレム、敬虔な聖職者ザカリアは或る日教会内で「思えの妻は子供を産む。その子は神の預言者となり、民を主の渡来に備えるだろう」との啓示を受ける。しかし、ザカリアは妻が既に妊娠できる年齢を遥かに過ぎており神の予言をにわかに信じられなかった。そんな煮え切らない態度を見せるザカリアに対し、「神の声」は彼を一喝した。 その頃、ヘロデ王による税金の厳しい取立てに苦しめられていたナザレ村では、10代のマリアがヨセフとの婚約が整ったと両親から告げられ取り乱した。 オリーブの林に逃げ込んだマリアは、そこで天使ガブリエルから「やがて神の子を身ごもり男の子を産むだろう。その子にイエスと名付けよ」と告げられ困惑する。 その頃、ペルシアでは三人の博士たちがそれぞれの専門分野を生かして「救い主」誕生の兆候を探るため、ユダへの旅を決行することになった。 マリアは受胎告知を受けてから、親類のエリザベトに会いに行き「収穫期」には帰ると告げてナザレから旅立った。エリザベトもマリア同様に「神の子」を宿しており、マリアは自分に告げられたことが真実であると確信する。 村に戻ったマリアには結婚前に夫以外の男性の子を宿したことで冷たい視線にさらされる。ヨセフにも彼の両親も、マリアから伝えられて衝撃の内容に動揺を隠せなかった。しかし、ヨセフだけはマリアからの告白を信じたことで二人の絆はこの日を境に強くなっていく。 それからまもなく、ヘロデ王はローマからの布告後、人口調査を行うため国民に出身地に1月以内に戻るよう強制する。王は人口調査を「救い主」を見つけ出す口実に使う。 そしてヨセフとマリアはヨセフの出身村であるベツレヘムへと向う。二人はあらゆる困難と兵士たちの検問を逃れ、やがてマリアがベツレヘムで産気付くのだったが...。 さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。 1.ヘロデ王は「救い主」の何を恐れていたのか? 2.東方の三人の博士は「救い主」誕生の兆候を何を見て感じてきたのか? 3.エリザベトは高齢で無事に「神の子」を出産出来たのか?「神の子」の未来とは? 4.マリアとヨセフの苦難の旅はどのようなものだったのか? 5.イエス誕生の瞬間を見届けた人たちの様子や反応は? などを中心に是非DVD発売時にご覧下さい。 【鑑賞後の感想】 日本人に取ってキリスト教(カトリックや正教も含めて)はX'masとかハロウィンとか教会での結婚式など「イベント」では馴染み深いが、実際に「キリスト教徒」の国家ではないしましてや聖書の記述に精通している人はごく僅かであろう。 過去にキリストを題材にした映画では、最近ではメル・ブルックス監督「パッション」などがあるがいずれも「キリストの生涯」を描いた作品だった。ところが「マリア」はイエス・キリストの「両親」であるマリアとヨセフ「夫妻」が主人公である。 マリアは若くして殆ど面識の無い「ヨセフ」との結婚を両親が決めたことで当初は動揺する。所が、マリアが「神の子」を妊娠して村人達から冷たい視線を浴びてもヨセフだけは信じてくれたことで「夫婦」としての絆が深まっていく。こうした描き方は聖書を知らない日本人でもすんなりと物語に入って行けると言う点では評価したい。 今から約2千年以上前の「夫婦の物語」だが、夫婦になったきっかけは戦前の日本でも普通にあったケースである。夫婦としての絆は、「お腹の中の子」の存在を巡って命が狙われたことで生まれ育った村を後にし安全な場所へと移動する中で過酷な自然と向き合うことで二人の絆は強くなった。 イエス・キリストが最後にベツレヘムで誕生するシーン(ポスターの絵がそうです)は、正に神々しさを感じさせる名シーンでした。 この映画を通してイエス・キリスト誕生当時のヘロデ王の統治が如何に過酷だったかも確りと描かれていた。世界史の教科書では分からない2千年前の様子が理解出来ました。 【自己採点】(100点満点) 74点。派手さや娯楽性は無いけど、心に沁みる何かがありました。 ←映画「マリア」関係のブログ満載! ←西武ライオンズのことならここ ←「プロ野球、メジャーリーグ」の情報満載 人気blogランキングへ←映画の話題がザクザク お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|