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マックの文弊録

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2005.07.18
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◇月曜日:旧暦六月十三日 癸卯(みずのと う) 海の日
古川町のへちま
ほらね、やっぱり梅雨が明けた!
東京地方は、昨日までとはうって変った夏空で、今日は33度くらいまで気温が上がるんだそうだ。
僕の予告は当たったわけだけど、天気図は実に分かりやすいパターンだったから、大して自慢できるほどのことじゃないな。

ところで、わが愛読する希少なブログをお書きになっている釈迦楽教授は、最新の稿でチェスタートンのブラウン神父シリーズに触れておられる。

僕は実はミステリーが大好きだ。元々学生時代はSFが大好きで、早川SFには随分お世話になった。それが、段々ミステリーにシフトして、同じ早川書房や創元社のお得意さんになった。そして、・・・・日本の作家は読まなくなった。

お好きな方には怒られるかもしれないけれど、日本のミステリーは抜けが多い。始めから終わりまで時刻表の穴探しに終始したり、「どうしてそうなるの?」という不自然だらけだったり、果てはテレビドラマの台本のようなものだったり。・・・

欧米では、面白い小説のことをPage turnerなどという。つまりは、本を置く能わず、次から次へとページが捲れて行くように読みふけってしまうという意味だ。

こういうPage turnerに出会うと、その後はその作家ばかり追いかけることになる。僕にとっては、教授同様先ずはシャーロックホームズだった。しかし、アガサクリスティーは違う。
シャーロット・マクラウドはそうだが、チェスタートンは違う。
他にも、ジェフ・アボット、ジョン・ガードナー、ジョン・ダニング、ネルソン・デミル、・・・・
何れにしても日本の作家はいない。(でも、テレビの「赤かぶ検事」シリーズだけは好きなんだなぁ。あの、鼻の穴が下ではなく前を向いた橋爪さんが、妙な高山弁でとうとうと情を説き、謎を解く。・・・でも、あくまでもテレビだけ。小説のことではない。一度だけ読んで「損した!」と思った。)

しかし、例外が一人だけいる。(正確には「いた」だ。)
森博嗣である。

「すべてがFになる」でこの人に出会った。「理科系のミステリー」というのが帯に書かれたキャッチコピーだった。それにつられたのかもしれない。
驚きだった。構成が緻密で抜けが無い。登場人物が、一人ひとり明瞭な人格を持っている。それぞれの歴史的な背景も、予め充分準備されている。推理の過程も、スマートで面白い。

何より、謎解きの主役を務める萌絵ちゃんだ。
大学の建築学科に在籍するお嬢様だ。彼女は那古野(名古屋のもじりだ。無論。)市内のマンションのペントハウスに執事(執事ですぞ!)と一緒に住んで、オーディオのついていないスポーツカーで、颯爽と研究室に通っている。気位高く才気煥発、目から鼻に抜けるような秀才で、それでいて可愛い(可愛いに決まっている)。学生時代に好きだったアノコに似ているような・・・
彼女がほのかに想いを寄せる、オボケでちょっと天才肌の大学の助教授も、ちょっと嫉妬を感じるけれどいい感じだ。

他にもクセのある人物が沢山出てくるが、名前が皆一風変っているのが可笑しい。
舞台の中心は、明らかに名古屋大学である。
森博嗣という人も、同じ大学のセンセイらしい。

この人は多作家で、随分沢山の作品を一連のシリーズとしてお出しになっている。順に読んでいくと、登場人物それぞれが織り成す綾が段々見えてくる。
そういう仕掛けを予め施して、一作ずつ書いていらっしゃるとすれば、これまた中々のものである。

釈迦楽教授も名古屋の大学の先生のようだ。僕も、東海地方の出身である。そういう地縁も、本を読むときに入れ込む要因の一つなのかもしれない。

但し、最近は少しずつ作品の雰囲気が変ってきて来ているようだ。(だから、「いる」ではなくて「いた」。)
それに今までの作品の中にも、観念に走りすぎて鼻に付くものもあるから、僕自身がお奨めするのは、「西之園萌絵シリーズ」なのだけど。







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最終更新日  2005.07.18 15:13:10
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