テーマ:まち楽ブログ(32376)
カテゴリ:山登り
※宮城県の山をご紹介するブログです。
今回ご紹介する山は「名号峰」(みょうごうほう)(川崎町・かわさきまち)です。 県南西部の蔵王町遠刈田(ざおうまちとうがった)から山形県上山市に向かって蔵王エコーラインを西進し,最後は蔵王ハイラインを登って行った蔵王山頂駐車場が起点となります。 まず,注意をしていただきたいのは,ふつう,往路が登りとなるのが登山ですが,今回ご紹介するコースは,往路が下山で,復路が登山になるという,ややこしいルートです。標高差がある分,復路に体力を温存しておく必要があります。 蔵王山頂駐車場は標高1758mの刈田岳(かっただけ)山頂のそばにあり,そこからなだらかな馬の背コースを歩き出します。右手には観光名所として名高い蔵王のシンボル御釜(おかま)が,深いエメラルドグリーンの湖水を湛えています。山頂の天候は変わりやすいし,太陽の位置関係によっていつも観光絵葉書的なスポット写真が撮れるとは限らないので,ぜひ早朝一番に定番写真を撮っておきましょう。 馬の背北端の馬の背分岐を北西に分かれ,ほどよい斜面を標高1841mの熊野岳山頂にいっきに登ります。山頂には熊野神社が祀られており,360度パノラマの絶好の眺望になっています。北西に山形県側の三宝荒神山と地蔵岳,北東に宮城県側の雁戸山(がんとさん),南に屏風岳(びょうぶだけ)と,奥羽山脈の雄大な山並みが一望できます。目指す名号峰は雁戸山へと続く北蔵王縦走路の谷間にやっと視認できる程度のところにあります。 熊野岳山頂から真東に下っていくと,北蔵王縦走路の熊野十字路に出合います。東はロバの耳コース,南は馬の背コースとなっていますが,ロバの耳コースは通行禁止になっています。この十字路を北へ縦走路を下っていきます。荒涼とした斜面では進路が設定されており,朝露に濡れた高山植物のコマクサやイワカガミを守っています。 砂地から灌木地帯へと下っていくと自然園と呼ばれている日本庭園風の小広場に出合います。さらに,道端にリンドウが咲き誇る,緩やかな灌木地帯を進むとかもしかコースとの分岐となる追分に出合い,ほどなく名号峰へ至ります。 標高1491mの名号峰は,雁戸山と刈田岳とを結ぶ北蔵王縦走路のほぼ真ん中にあり,熊野岳から350mあまり下ったところにあります。山頂は低い岩が散在した小空間になっており,ここから周辺の山並みを見上げていると,名のとおり,阿弥陀仏を念じたくなるような心境にさせられます。 昼食をとり,十分に休憩をとったら,帰路は往路を戻ります。自然園までは緩やかな移動となりますが,そこから馬の背までの北斜面が標高差で300mほどの急傾斜になっており,行程の終盤でかなり体に堪えてくるところです。小休止し,振り返って下に見る名号峰山頂を探しながら,焦らずに登りましょう。 往路で下り始めた十字路に登りつめると,正面に馬の背が,逆光を背にして刈田岳山頂へとなだらかに続いております。左手の御釜を巻きながら,厳しかった後半の疲労をクールダウンしてください。朝とは違った,やさしい御釜を感じとれることでしょう。 登山適期としては,県内でも最高級の標高を誇る山岳地帯なので,寒さを避け,初夏から初秋にかけた季節がベストとなります。御釜付近は観光地となっていますので,スニーカーでも十分散策は楽しめますが,ご紹介したルートはトレッキングシューズ無しでは楽しめません。 お時間が許せば,蔵王エコーラインを隔てて,南に南蔵王縦走路が整備されています。2日がかりで蔵王縦走路の全踏破にチャレンジしてみてはいかがですか。 標高:熊野岳 1841m 名号峰 1490m 行程:約4時間20分(休憩時間を除く。) 参考文献:「新・分県登山ガイド3宮城県の山」(山と渓谷社) 「山と高原地図7 蔵王・面白山・船形山」(昭文社) 行政管理室 T.M お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.08.17 08:02:57
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