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カテゴリ:イスタンブール新発見/再発見
【5月29日・金曜日】 今年の「母の日」5月10日のことである。9日に娘が日本に帰った次の日だ。 病み上がりでもあったし、今日こそは家で一日ゆっくりしようと、友人のアリ・オスマンさんが企画した「カドゥキョイ観光」のお誘いも断った。 ところが、日本からメールが来て、8月に来るお客に頼まれたホテルを見に行く必要が生じ、昼から家を出た。 ジハンギルに去年かおととしオープンした新しいデラックスなホテルなのだが、あいにく浴槽が必須、というお客の希望にそぐわず、値段も高すぎるので諦めた。 スルタンアフメットにもう一ついいホテルがあるのでそちらを訪問しようとトラムワイに乗ったが、降りる前にホテルに電話してみると、日曜日なのでマネージャーがいない、とのこと。 ええい、せっかく来たのだからトラムワイで、前日娘を見送った帰りに見かけた、トプカプ駅発の新しい路線を見に行ってみようとそのまま乗り続けた。 トプカプ駅で乗り換え、スルタンチフリイ方面行き、という電車に乗った。路面を行くかと思うと、時々地下に潜って、地上駅はいかにもトラムワイの停留所、という風で簡単な造りだが、地下の駅はなかなか豪華で、日本の地下鉄のようだった。 片道45分、22の駅があった。終点の駅までの線路が繋がっていないとのことで、一つ手前で電車は終点となる。 戻りの電車を待つ間、駅の周辺を見回すとなんだかとんでもない田舎に来たようである。そこここでブルドーザーやショベルカーが唸りを上げ、砂埃を立てながら動き回っている。 建物の壁はむき出しの赤い日干し煉瓦も多く、開拓民のいそうな村の風景である。 はあ~、ここもイスタンブールか・・・15分か20分後、やってきた電車に乗って再びトプカプ駅に。 すぐ近くに環状道路が走っていて、メトロビュスの乗り場があった。躊躇なくそれに乗り、ズィンジルリクユでカドゥキョイ・ソウトゥルチェシュメ行きに乗り換える。 ボスポラス大橋を初めてメトロビュスに乗って通過した。上天気だけに海が空を反映してどこまでも青かった。 メトロビュスの終点から、カドゥキョイの船着場に行くためにミニビュスに乗り、船着場の近くでチャイを飲み、そのあとカドゥキョイ・バルック・パザール(魚市場)に行ってみた。 マグロとむき海老をゲット、連絡船に乗った。船の中でまたチャイを注文、とても風情のある旅をした気分である。 カラキョイで船を下りたあと、最後にまたトラムワイに乗ってトプハーネ駅に戻る。まだ十分に明るいうちに家に戻れた。 この刺身は中トロと赤身の中間。すごく美味しかった~! マグロを切り、海老は10匹くらい茹で、あとはロボット(フードプロセッサー)ですり身にし、海老団子を作った。不運なレイラは友人と出かけるといって、わが家には来なかった。 猫の餌をやったあと、一人で豪快に分厚く切った刺身を食べた。まあ、母の日だし、一人でビールは飲みたくないのでコーラを注ぐ。 この日はまさにヨーロッパからアジアを股に駆けて、というくらいの距離を、公共機関の乗り物だけを乗り継いで、言うなれば「路線バスの旅」「近郊電車の旅」「連絡船の旅」の総合編。 アクビルの減り具合を見たら、8.5リラ分(29日のレートで535円くらい)。たまにはいいかな、こんなお遊びも。人間いくつになっても探究心を失わないことが必要だ。 追 記 アクビルって、何だ? アクビルは、アクルル・ビレット(お利口さん切符)の略で、イスタンブール市営バス、私営ハルク・バス、地下鉄、トラムワイ、IDO(イスタンブール・デニズ・オトビュス)連絡船、などで共通に使えるプリペイド式磁気チケット。主要な駅で5、10、20、50リラなどの札で自動的に充填できる装置もある。 親指で、改札口やバスの乗り口にある器械の磁気読み取り器に押し付けると、1回分の乗車賃が引かれる。メトロとトラムワイ、市営バスとトラムワイなど、一部の路線では乗り換えのときに半額分だけ引かれるお得なケースがあり、経済的にも庶民の味方といえよう。 アクビルには緑・黄色・水色・ピンクなどの色がある。 以前は白・黒・赤・紫などもあった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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