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madamkaseのトルコ行進曲

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 marnon1104@ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
 madamkase@ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2013年08月09日
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【8月9日・金曜日】


 今朝は朝6時半に起きて風呂を立て、1~2本のメールの返事書きを済ませたが、そこですでに朝食を食べている時間がなくなった。9時にホテルを出発、本日のスケジュール・タイムテーブルに沿って回るべきところを回り、2時過ぎに昼食、5時頃スルタンアフメットに戻ってきた。

 途中のエミニョニュなども大混雑で、スルタンアフメットも大変なにぎわいをみせている。今日の日程を消化し、私は6時で上がらせて貰い、オカンさんが残って記者さんの夕食後ホテルに送り届けるまでを受け持ってくれた。

 私は早や上がりだったことが幸いして、美保子さんと一緒にひとみさんとしばしの別れになる前に、2人で会いに行った。するとひとみさんの家で、先客の1人が私が来ると聞いて帰らずに待っていてくれたのである。

 ひとみさんの家に入るや否や「加瀬さん、私のこと、覚えていらっしゃいますか?」と話しかけてきたショートカットのその女性は、見たことがあるようなないような。珍しく私が思い出せないでいると・・・

「もうずっと昔に一度だけお会いしたんです。じゃあ、ヒントです」
 彼女は笑いながら娘の会社のボスだった人の名を言った。

「あっ、あーっ、ノリコさん!」
 私は思わず涙がこみ上げて鼻先までジーンとなり、彼女に両腕を差し出した。ノリコさんも私に抱きつき、私達はしばしの間しっかりと抱き合った。

 ノリコさんは1992年、つまり21年前、私が初めてイスタンブールの娘のところにやって来た時、同じ会社で働いていた同僚の女性だったのである。そして会社の役員だったボスの妹の家で、歓迎会を開いてくれた折り、出会ったのだった。

 それより1年前に私の娘が、会社のあるビルの階段を下りようとしたら突然電気が消え、足を踏み外して一番下まで転げ落ちてしまったとき、あごの骨が砕けて入院、手術を受けたことがあった。

 そして退院後ジハンギルの自宅まで会社の帰りに毎日立ち寄り、あごにまかれた包帯のせいで、ストローで流動食しか飲むことの出来なかった娘のために、牛乳とバナナで美味しく栄養価も高いフルーツジュースを拵えに来てくれていたのがノリコさんだったのである。

 1995年に私がイスタンブールに移住したものの、半年後に娘は日本に帰国、2年余り1人暮らしになったとき、もうすでに会社を辞めていたと言うノリコさんに会いたいと思い、手掛かりを探したが届かず、近年になってようやくずっとトルコにいたことを知ったのだが、会う機会がなかったのだ。

 ひとみさんとは折々講話を聞きに行く教会で数年前に知り合って親しくしていたと言う。美保子さんは初対面だったので自己紹介をしあって、ひとみさんが留守になる間でも機会があれば会いましょう、と話し合っているのを聞き、私はいい人同士の友情はどこからどこまで広がるのだろう、と喜ばしく思った。

 ノリコさんを一瞬で思い出せなかったのは、当時の流行で、彼女もV子も背中の方まで垂れる長いワンレングスの髪をソバージュにしていたのに、今はストレートの短いボブ・スタイルになっていたためと、ひとみさんの家で会うことが予測もつかなかったせいである。

 7時を過ぎると美保子さんのダンナが帰宅を促す電話をかけてきたので、それを潮にノリコさんも立ち上がり、2人は前後して帰って行った。

 私は少し残った。

 ひとみさんが、「もしよかったら夕飯に有り合わせの物ですがご一緒にいかがですか」と言ってくれたので、片付けや荷造りが残っているであろうひとみさんの邪魔をしないように、と思っていたのだが、美保子さんから聞いていた「息子さんも日本に夏休みで行っているし、1人では考え込んでしまってばかりいて、食欲が全然出ないんだそうですよ」と言う言葉を思い出した。

「じゃあ、そうさせて貰うわ」と言って、ひとみさんが作ってくれた夕食を2人で食べた。すると、ひとみさんが私より多く食べたのに気付いた。今日は友人達が顔を出して元気が出たところに、夕飯を私が相伴したので、喋りながら思いがけなくすっかり残さず食べることができたのである。


ひとみさんと  
再会の楽しみが2人の夕食に美味しいエッセンスを加えたのかも・・・



 何ヵ月先になるかわからないが、再会の約束をしっかりとして、私達は抱き合った。
病気持ちの猫2匹も幸い預かってくれる人が見つかったそうで、ひとみさんは後顧の憂いなく明日の東京行きに乗れると言った。


 長々と18年も住んでいるので、いつも見送る側になる私だが、ひとみさんは最後に、

「病気が分かったのは、おそらく堀先生の鍼灸治療を受けたからだと思います。ここ1~2年ずっと体調不良で身体全体がどうしようもなくだるかったり痛かったりしていたのに、鍼灸の治療後身体の方はぐんと楽になりました。そうしたら、胸のしこりがはっきりしてきたんです。お陰で早期発見につながり、私はきっと病気を克服できると信じられるようになりました。どうぞこの次先生がお見えの時、よろしくお伝えください」と言った。

 彼女の郷里は先生のところに通える距離ではないので、術前に治療を受けるのは不可能だろうが、きっと治って帰ってくると信じ、私もそれを楽しみに待つことにした。

 いつものようにタクシー乗り場まで見送りに来て手を振ってくれたひとみさんに、私は強い肉親のような愛情を感じたのだった。
 





   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)                      




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Last updated  2013年08月10日 13時46分05秒
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