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madamkaseのトルコ行進曲

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 marnon1104@ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
 madamkase@ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

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2015年07月01日
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【7月1日・水曜日】


 カディルさんの店から戻ってきたのは午前1時近くだった。すぐには寝付かれず、自分のブログを遡り、ポップちゃんの生まれた頃の記事を読んでいるうちに、気の早い太鼓叩きの一隊がそろそろ動き出していると見え、遠くからサフル(今年は3時15分から3時半くらい。断食する人々は夜明けのエザーンの前に腹いっぱい食事する)の準備を促す太鼓の音が聞こえてきた。

 さすがにたくさん泣いたせいで、目の縁が痛み、パソコンを閉じて横になった。しかしなかなか寝付かれず、目が覚めた時はもう8時半過ぎになっていた。

 昨日アンさんに私は言った。明日はオカンさんに頼んでメフテル軍楽隊のコンサートを見に行くといいわよ、と勧めたのだが、オカンさんには用事があって来られないとのことで、私が一緒に行くことになった。

 行く前にサロンを掃除しておこうか、と水フィルター掃除機を組み立てると、なんと水道の蛇口から水が出なかった。えええ、また断水!?とあきれ果てた。

 家を出るとき、玄関の内側で引き込み口の水道管を取り替える工事をしており、断水も1~2時間のうちに収まる、とオスマンが言った。

 タクシーを頼み、2時きっかりに昨日のタキシム広場の甘味喫茶の前で、アンさんをピックアップして軍事博物館に行ったが、まだ早いので少し歩いてニシャンタシュの繁華街に案内した。

 この街にはたくさんの世界的に有名なブランド製品が入っているのだが、アンさんはそれらには興味をそそられた様子はなく、トルコのパシャバフチェというガラス製品のショウルームに入りたいと言った。この会社は半官半民の公社とかで、毎年のようにきれいなシリーズもののコレクションを出している。アンさんも「きれいですね」と感じ入っていた。


 30分くらい2人で見とれていて、あらら、あと10分くらいで3時になるから急いで戻ろう、とその辺りの店で、いつも親切にしてくれる門番の兵隊さん達に、イフタル(断食明けの食事)のあとのおやつになるようなものを買い、博物館に急いだ。オヌル君に「いつもありがとう」とそれを渡して大急ぎで博物館に入った。

 長い廊下を競歩のように歩いて、コンサート・サロンに到着すると、ちょうどメフテルの歴史を説明する映画が終わる少し前で、ほどなくスクリーンになっていた壁がスルスルと開き、庭の木々や植え込みの向こうにパレードの整列をしている軍楽隊の華やかな衣装を着た人々が、まぶしい陽光の中に見えた。

niwa  
建物に囲まれた中庭に待機するメフテル・バンド。音楽に合わせゆっくりと前進してきます。

konser  
チョルバジュ・バシュのご挨拶。ムラットさんももう長らくこのお役を務めています。

mehterbasi  
かつてメフテル・バシュは指揮棒を右手で振っているだけでしたが、
デニズさんの留守中お役を務めるこの方も左手を活用しています。


 アンさんはもう嬉しそうに音楽が始まると拍手し、演奏中、じっと見とれていた。今日はメフテル・バシュがデニズ大尉ではないので、大きなパフォーマンスはないが、総大将のチョルバジュ・バシュはムラット中佐だったので、後で挨拶に行くことにして、演奏終了後、隊列が退場してしまうと、アンさんが記念撮影用にサロンに残った、サンジャクタル(旗持ち)の兵士と並んで写真を撮りたいと言うので、私が彼女のスマホで写した。

 会場警備の白い半そでシャツの兵隊さんの1人が、警備隊長のセダットさんの指示を受けて私達をメティン曹長の部屋に連れて行ってくれた。

 総務課長とでもいうべきメティン曹長のてんてこ舞いの忙しさは相変わらずで、次々と持ち込まれる書類をパソコンでチェックしながら、電話にも出てあれこれ返答し、ふとこちらを向いて私達の相手もしてくれる。

 急に立ち上がったかと思うと、ロッカーを開け、メフテルのCDやトルコと、日本のあとに訪問したボスニアの小さな国旗を取り出しプレゼントしてくれたり、アンさんの仕事について聞いたり、チャイを飲んだり、といっときも止まることなく動き回っているのだった。

metin  
メティン曹長。アンさんに、次回来た時には館内を自分で案内するつもりらしい。



 そのうちにチョルバジュ・バシュのムラットさんが会議の前に少し時間があるから、と呼んでくれたので、中佐の部屋に表敬訪問した。アンさんが軍楽隊の演奏を初めて聞いて感動しました、というと、やはり嬉しそうに口元をほころばせた。

「由美子ハヌム、先日は娘さんに会えずに残念なことをしました」
「はい、お気にかけていただいてありがとうございます。娘も日曜の夜には日本に無事帰り着き、隊長さんにもよろしくお伝えください、と申しておりました」

 ムラットさんも右手を左胸に充てて「アレイクム・セラーム」と軽く会釈した。
 梅酒についても「デニズ大尉から受け取りましたよ。味見をさせて貰いましたが美味いですね。少しずつご馳走になってますよ、ありがとうございます」とニコニコ顔で言った。何と気さくなお方なのだろう。

 ムラット中佐は間でちょっとだけ席を外した、と思う間もなく戻って来て「何を召し上がりますか、チャイ、トルコ・コーヒー、どちらがいいですか」と聞いた。

 会議があるような話だったのではないか、と私は気を揉んで尋ねてみた。
「もう大丈夫ですよ、気にしないでください」

 トルコ・コーヒーが来ると、アンさんも大喜び。だんだんムラットさんもリラックスしてきたのか、自分でも英語は出来るのに、私の出番をなくすまいと、トルコ語で彼女に質問し、私がそれを日本語で彼女に聞き、トルコ語に直して伝え、いろいろ話したのだった。

ann  
アンさんの明るいキャラクターは、軍人さんのお部屋を華やかにしました。

kahve  
軍隊のチャイやトルコ・コーヒーは、非常に美味しいので
専門のチャイジュ(給仕)がいるに違いないと思います。



 アンさんが日本に留学し、日本が大好きだと言うところで2人の意見が一致し、ムラットさんは「日本に行く少し前、ニューヨークにも行きましたが、同じ大都会と言っても東京には親しみやすさがありましたよ。一晩、仲間達と飲みに繰り出して、エスコートしてくれた東京在住のトルコ人や通訳の手伝いをしてくれた日本人達と、居酒屋に行ったんですよ。あれは楽しかったなあ・・・」

 そう言いながら、居酒屋での写真をiphoneから見せてくれた。打てば響くようなアンさんのことも大いにお気に召して、南スーダンでNGOの団体職員として働いていることを知ると、「お父さん、お母さんは心配しないのかね」と、ムラットさん自身が心配しているかのような顔つきで身を乗り出した。

yalbay  
ムラット中佐を中に、執務室で記念撮影。

rouka  
広い廊下の中央部に、アタテュルクがメフテルの恰好をしている珍しい写真があります。


 そろそろお暇しないと、とアンさんを促して席を立ったのは小一時間もしてからだった。私達が礼を述べて広い廊下に出ると、「ここでも記念に写真を撮りましょう」と兵士を呼んで写真を撮り、なんと下の階の出口まで送って来てくれた。

 チョルバジュ・バシュの中佐が出てきたので、出口の前のアプローチにいた大勢の迷彩服の兵隊さん達が直立不動で私達のことを見送ってくれた。

 しかも、正門のところで門番のオヌル青年達と挨拶しているところにムラットさんが車で追いついた。
「由美子ハヌム、どちらへ行かれるのですか。もしベシクタシュ方面でしたらお送りしますよ」

 アンさんが明日は勤務先の南スーダンに帰るので、最後の夕食を一緒にどこか海辺で食べよう、と提案するつもりだった私は、ムラットさんの言葉に甘え、アンさんに後ろに乗って貰い、自分は助手席に乗せて貰った。


 道路が夕方の交通混雑でかなり渋滞していた。長くかかった分、歓談の続きが出来て楽しいサプライズとなった。ベシクタシュのT字路で中佐は左折して行くので、やや手前で心からお礼を言って降ろして貰った。

 10日ほど前、ロミット先生達と入ったレストランに案内し、静かな2階の席に腰を下ろした。アンさんは船着き場の見えるそのレストランで、トルコの人達はみんな温かいですね、大好きになりました、またきっと来ますから、と言った。

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ベシクタシュ船着き場のそばにあるレストランです。


 私達は別れの前の夜をゆっくりとトルコ料理を食べ、あれこれと語り合って過ごしたのだった。アンさんが楽しいトルコ旅行を過ごせたのだったら、私を紹介した甲斐があったと、アンさんの仲良しの千春さんも、その妹でメキシコに住む芳江さんも、きっと喜んでくれるに違いない。





   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)




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Last updated  2015年07月08日 01時46分03秒
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