2633780 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

madamkaseのトルコ行進曲

madamkaseのトルコ行進曲

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

madamkase

madamkase

Calendar

Favorite Blog

Comments

 marnon1104@ お久し振りです (。≧ω≦)ノ!! kaseさんのお誕生日だったのですね。 お元…
 marnon1104@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) kaseさん、こんにちは(*'▽')♪ …
 madamkase@ Re[1]:渡航記念日(03/16) 高見由紀さんへ こんにちわ、イスタンブ…
 madamkase@ Re:渡航記念日(03/16) marnon1104さん、こんにちわ。 3月に書い…
 madamkase@ Re:トルコでシュウマイはいかがですか?(07/08) ひなのさん、おひさしぶりです。 トルコは…

Freepage List

Headline News

2017年03月29日
XML
カテゴリ:メフテル軍楽隊


【3月29日・水曜日】


 去年は誕生日のお楽しみに、テレビタレントの小林正貴さんや、メフテル大好きの七緒さんと共にメフテル軍楽隊のコンサートを観賞し、そのあとバスでアクサライ地区に行き、正貴さんがお祝いにと、ウイグル料理をご馳走してくれた。七緒さんには白いお洒落な額縁を頂いたので、どんな写真を入れるか未だに検討中。

27.3.2016  
去年の誕生日にコンサートのあとの記念写真。


 今年も誕生日祝いはメフテル・コンサートで、と思っていたのだが、27日が月曜日にあたり、博物館は月・火が休館日なので2日延ばして振替誕生日祝いには水曜日の今日行こうと決めていた。

 テロに襲われたばかりのロンドンから26日の夜到着した由加さんも、おととし知り合った軍楽隊長デニズ少佐との再会を望んでいたので、願いがかなうように事前にアレンジしておいた。

 一方、ベルガマに滞在中の大学の理科の先生、後藤香織さんもイスタンブールで、とある資料写真を探し出すために夕べ遅く夜行バスで出発、かつては11~12時間かかった道程を、高速道路とオスマン・ガージイ大橋の完成で、8時間ちょっとでオトガルに到着したのだそうだ。

 用事が何時間かかるのか分からないので、確約はしていなかったが、由加さんがイスタンブール滞在中にベルガマの後藤さんを訪問する、と言う約束で、今日の用事が早く終われば一緒にお昼を食べられるし、何しろ2人が初対面を果たしてベルガマ行きをきっちり打ち合わせすることが必要、と言う状態だった。

 タキシム広場の向こう側、和食レストランのうどんやさんで由加さんと待ち合わせ、12時半頃、私の携帯から、由加さんがこれから使う携帯電話に後藤さんのナンバーを登録してあげましょう、と私が二つの携帯を並べようとしたところに、当の後藤さんから電話がかかってきた。

 「仕事が終わったので広場まで来ています。あと数分で着きますので伺ってもよろしいでしょうか」と言うのだった。そして5分待つか待たないうちに後藤さんが到着した。これには由加さんも大喜びだったが、後藤さんのほしい資料はあいにくどうしても見つからず、これ以上探しても、ないものはない、と結論付け別な方策を考えることにして資料室を暇乞いしたのだそうだ。

udonya  
ランチタイムに合流出来ました。後藤さんは今夜の夜行バスで再びベルガマへ、
由加さんは4月1日~2日に、1泊2日で後藤さんを訪ねることになりました。
 


 顔が揃ったところで、ランチメニューから好きなものをそれぞれに選んで、私が一昨日、後藤さんは昨日誕生日だったので、誕生祝い、初顔合わせ、いろいろ兼ねてそれぞれちょっとアルコールっ気も取り入れて乾杯し、やがて出て来た料理に舌鼓を打ちながら2時過ぎまでゆっくりと時を過ごしたあと、軍事博物館に向かうことにした。

 折りよくタキシム広場の折り返し地点のバス停にちょうどバスが停まっていて、乗れば3つ目の停留所が軍事博物館のあるハルビエ、渋滞中でなければものの5分とかからないのである。

 軍事博物館の正門の内側では、小・中学生と思しき大勢の子供達が先生の合図を待っていて、本館の入り口をおおいつくす賑やかな列から沸き起こる「日本人だ、日本人だ!」のコールの中を「みんな、悪いけどちょっと通してねえ」と隙間を開けて貰い中に入った。


 後藤さんはいま、ベルガマに「ガレノス博物館」を開設したいと、関係諸機関に働きかけて奮闘中で、ガレノスと言う人は、ベルガマ(ローマ時代の名・ペルガモン)と言う、今のエーゲ海沿いのイズミール県北部の歴史の古い町の生まれで、医学・薬学の先駆者として知られた人であったと言う。

 由加さんもセラピストとしてロンドンで自立している人であり、やはり、後藤さんの研究する医療の先駆者ガレノスに関して興味を引かれ、一度ベルガマに後藤さんをお訪ねしたいと今回、初めてのベルガマ旅行の計画を立てたのだそうだ。

 軍事博物館の外を通るバス停の一区間分よりもっと長い敷地の中の、本館とその奥の文化センターとコンサート・サロンのあるコンプレックスもたいそう長い建物で、コンサート・サロンは一番奥まったところなので、そこをせっせと歩く間も、2人は意気投合して話が尽きない様子だった。

 サロンに着くと、先刻の入り口にいた子供達が先に到着しており、日本人が3人も固まって入ってきたので大喜び。まだメフテル紹介映画(3:00上映)が始まるまで7~8分あるので、どっと後藤さんと由加さんの周りに円陣を作って取り囲んだ。

 日本の大学で週に何度か講義を受け持つ本当の先生である後藤さんが、ずっと幼い子供達の相手をしてやるのを由加さんが嬉しそうに見ながら言った。
「トルコの子供達って、ほんとに素朴で可愛いですねえ」

mehter  
子供達に囲まれて相手をする後藤さん、子供達は習いたての英語で話しかけます。


 学校で英語を習っているので、これを試してみたくて仕方ないのであろう。挨拶したり相手の名前を聞いたり、自分の名前を紹介したり、写真を撮らせて下さい、などなど、英語で果敢に挑戦してくるのだった。

 やがて3時。場内が暗くなり、みんな席について映画が始まった。約12分程度のメフテルの歴史を解説する記録映画である。下に英語の字幕が出る。トルコのメフテルの歴史は古く、現在の世界各国の軍隊にあるブラスバンドの発祥のきっかけとなった、世界でも一番古い軍楽隊、という誰もが認める存在なのだった。


 12分後映画が終わり、場内にパッと明かりが点き、いつものように総大将のチョルバジュ・バシュが独りスクリーン前を中ほどに進み出て、部下達に「いざ!」と声を発すると入場行進が始まり、舞台を丸く一回りして隊員達が半月形の円陣を調えると、総大将が中央に進み出て観客に向かって立ち、大刀を引き抜き、肩に担いで深々と一礼し、コーラス隊の朗々たる美声の持ち主が指揮者のメフテル・バシュを呼び出す。

mehter2  
チョルバジュ・バシュが聴衆にご挨拶。クジャクの羽根飾りが豪華です。

mehter3  
ナッカーレゼンバシュ(赤い服、二連太鼓のリーダー))に呼びだされた
メフテル・バシュに表敬の形を取るキョスゼン(大太鼓奏者)

mehter4  
メフテル・バシュが演奏を始める合図をしてみんなが動き出します。

mehter5  
一曲終わるごとに振り向いて聴衆に挨拶をするメフテル・バシュ

mehter6  
鎧帷子の護衛兵 ズリュフル・ムハフズは非常に重いコスチュームでたいへんです。

mehter7  
キョスゼンは大変な重労働、休みなく両手で大太鼓を打ち続けます。体力勝負!


 ナッカーレという、二連の小太鼓のリーダーが一歩前に足を踏み出し、タンタカタンタカ、と軽いリズムで太鼓を打ち、メフテル・バシュの登場をうながすと、チョルバジュ・バシュは向かって左端の所定の位置に引っ込み、メフテル・バシュは右側から登場して舞台中央で大太鼓奏者と2mくらい離れた位置に立ち、隊員達に「メルハバ、エイ、メフテラーン」と声をかけると、勢ぞろいした隊員も「メルハバ、メフテル・バシュ!」と答えて、それぞれの楽器を演奏する態勢をかっこよく決めると場内は大拍手、そしてメフテル・バシュが声高く最初の曲名を告げ、20分余りのコンサートに入るのである。

 1曲の長さはばらつきがあるので、それをうまく組み合わせて時間が延びないようにやりくりするのもこのメフテル・バシュの役目で、毎回、7~8曲くらいが演奏される。定番で必ず毎回聴ける曲もある。特に最後の戦闘場面のときは、大音響なので、場内は馬のいななき、人々の怒号、刀のぶつかる音、太鼓の腹の底に響くようなドーン、ドンという音が熱狂的な雰囲気を醸し出す。

 そしてメフテル・バシュが退場すると総大将のチョルバジュ・バシュが再び正面に出て終わりの挨拶をし、場内アナウンスがトルコ語と英語で10分間の記念撮影のサービスがあることを告げ終わると、またチョルバジュ・バシュを先頭に楽器を演奏しつつ行進しながら舞台を去って行くのである。

 そして記念撮影サービスのために、指し物を持つトゥージュ、旗手のバイラクタル達、鎧の護衛兵が3組残るのだった。

 舞台の袖にデニズ少佐がいったん消えた後、また戻ってくれたのを確認し、私は2人を促して左側の階段から舞台に下りた。少佐もこちらに向かって舞台の袖から出て来てくれたので、挨拶をしているところに子供達がドドーッと軍楽隊長を取り囲み、結局私達は子供に押し出されて一番最後に記念撮影して貰うしかなくなり、兵隊達も道具をまとめて舞台から出て行ってしまい、警備の責任者が施錠のために私達の撮影の終わるのを待つだけになってしまった。

 急いで写真を撮り、また階段を上ってサロンの出口まで少佐も送って来てくれた。4月になると気候もよくなり、雨さえ降らなければコンサートの入場行進も舞台の大扉(映画のスクリーンも兼ねている)を全開にして、中庭から木々や噴水の間を抜けてサロンに入場する素敵なシチュエーションになる。

 コンサート・サロンは古代円形劇場の形をしているので、もっと若いころは階段など何でもなかったのだが、今は上り下りが難儀になってきた。会場に入った途端、若い義務兵役の青年が場内警備要員として背広姿で立っているので、最近は彼らの腕につかまらせて貰い、下りて行くようにしている。

 そそっかしくて転びやすい私、ちょうど1年前に派手に転がり落ちたため、満場の聴衆を総立ちにさせてしまった苦い経験があり、用心しているのである。そのときは幸い入場行進の始まる直前であったため、コンサート自体に支障はなかった。

 デニズさんと一旦別れ、私達は建物の外に出て、前庭に続く通路に面したカフェテリアに寄ってチャイを飲んだ。デニズ少佐がそこに来てくれたので、送迎車が出るまでの間、3~40分談笑して過ごした。

     mehter8 mehter9 mehter11 mehter zilzen mehter b mehter10  
      この可愛いイラストは、東京のイラストレーター 樋口亜希恵さんの作品です。


 思えば今を去る38年前、メフテル軍楽隊との最初のご縁が出来たような気がする。その年スタートしたNHKの連続ドラマ、向田邦子さんの脚本になる「阿修羅のごとく」の主題曲として、今までに聴いたこともない楽器の混じった音色と、行進曲らしい旋律にたちまち惹きつけられた。

 私は当時、タイプ教室と小さな印刷所を経営していたので、土曜日の夜間もタイプの生徒がおり、あいにく番組は見られなかったし、当時ビデオ装置もなかったので、夜8時から始まる夜の部のタイプの授業の間に、ドラマの冒頭部分、つまりその主題曲の鳴っている間だけ、教室から廊下で繋がっている大家さんの家で見せて貰いに行き、カセットに録音して、車の運転中にも折々聴いていた。

 そのうちに、人気の高いこのドラマの風変わりな主題曲はなんだ、と世間の話題になってきて、新聞の芸能欄でトルコの軍楽隊の行進曲の一つで、「軍隊行進曲」、別名を「ジェッディン・デデン」だと知った。

 すると不思議なもので、2年後、中学2年生になった13歳の娘が、英語のペンパル雑誌の「ペンフレンドを求む」欄に名前を登録したら、その雑誌は世界中で出版されているので、待望の航空便が1通、わが家の郵便受けに舞い込んで来た。

 その封筒がトルコのイスタンブールからだったのである。差し出し人は、トルコ陸軍士官学校の高校1年生の男の子だった。2人の文通は6年半続いた。それが縁となって、娘ばかりか私までもがトルコと切っても切れない生活を送っている。

 1992年、一期一会の旅だと思いつつ、私が娘に会いに春まだ浅いイスタンブールを訪れた時、娘は「お母さんの好きなところに行こうね」と私をメフテル軍楽隊のコンサートに連れて行ってくれた。今のサロンが建設中だったので、軍事博物館の正門の奥にある講堂での演奏だったが、初めて本物のメフテル軍楽隊を見た私は胸がいっぱいになった。

 そして93年、94年と毎年イスタンブールに来てコンサートを見に行き、トルコ語も習っていたので94年の日本への帰途、和歌山海洋博に招待されたメフテル軍楽隊の皆さんと偶然同じ飛行機に乗り合わせたことで、22年続く友情が芽生え、細く長くメフテル・ファンとして今日に至っている。

 38年前の1979年、それは現在の軍楽隊長、デニズ少佐がこの世に生を受けた年だから、ずいぶん長らくメフテル・ファンでいたものだ、と自分ながら感心し、そこに運命的なものさえ感じてならないのである。







   かに座さそり座いて座
かに座さそり座いて座



madamkaseのトルコ本 「犬と三日月 イスタンブールの7年」(新宿書房)




猫猫「チュクルジュマ猫会」猫猫




海泡石のパイプやアクセサリーと、「宮古島月桃」の買える店

ピンクハート  アントニーナ・アウグスタ  緑ハート黄ハート















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017年04月01日 06時46分41秒
コメント(0) | コメントを書く
[メフテル軍楽隊] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.