テーマ:ヨーロッパ旅行(4174)
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****以下、某ブログ2007年12月21日の記事より抜粋****
レオナルド・ダ・ピンチ!(続き) さっきまであんなに心地良かったイタリアの風が、今は呪わしく感じてきた。 なぜ出たら入れないような扉なんて作ったんだ! なぜ鍵をかけといてくれなかったんだ!ダビンチのハゲ! そんな事言ってる場合じゃない。 30分前には搭乗手続きをしなきゃいけない。何とか30分以内に何とかここを脱出し、 搭乗口まで猛ダッシュしなけりゃスペインには行けないどころか イタリアに取り残された上に帰りの航空券も無いから日本にも帰れない。 もしかして絶体絶命ってこういう事を言うのかな? ・・!? 真っ暗だった屋上で、突然私の周りだけ明るくなった。 よく映画に出てくる、灯台みたいな監視塔だ! スポットライトがグルグル回り、不審者がいないか探してる! まずい、見つかったか・・?いや、まだきっと大丈夫だ。根拠はないけど。 私は今、間違いなく不審者だ。見つかったら旅行者に化けたテロかスパイ扱いで イタリアの監獄にぶちこまれるに違いない! ここはひとまず瞳になりきり、上体を低くしてライトを避ける。 ちょっと楽しいかも・・。けど見つかるのは時間の問題だな。一体どうすれば・・ ふと、階段が目に入る。 下に降りる階段だ!! いや・・でもこの階段はまずい気がする。 関係者用というより、緊急用の階段に近い。 いや、そんな事言ってる場合じゃない。 第一今は立派な緊急事態でしょ。緊急用を使って何が悪いのさ。 迷ってる時間もない。階段は降りる為にあるんだ。よし、降りるぜ! 何フロア分降りただろうか。 突然踊り場に「WARNING」と書かれた鉄の重たい扉が現れた。 WARNINGか・・。 警告。ここには入るなってとこかな。 ま、今は私自身がとってもWARNINGだからちょっと開けさせてもらいますよー って鍵開けとけやーダビンチのハゲー 諦めて更に階段を降りて行く。 どれだけ降りただろう。 この階段は一生続くんじゃないかと思えてきた所でやっと降りきった。 あ~~つっかれた~~ヒザがガクガクするよ。 さて、空港内のどこら辺に出たんだろ?乗り場に近いといいんだけど。 ん?なんだこのでっかいの・・ 顔を上げると、その目の前のブツはなんと飛行機だった。近すぎてわかんなかった。 横を見ればそこにも飛行機が・・ こ、ここはまさか・・ 作業服を着たイタリア人が何やら忙しそうに作業をしている。 しまった。やっぱりこれは飛行機の格納庫・・ 確かに乗り場に近いっちゃめっちゃ近いな。 ちょっと近すぎるけど。 更に恐る恐る後ろを振り返ると、そこは滑走路だった。 うわーー超キレイ!さっき屋上から見下ろしてた美しい滑走路じゃないのーっ なんて広くて綺麗なんだろう。一瞬、この緊急時を忘れちゃう美しさだなー。 滑走路をこんな場所から見れるなんてきっと一生ないだろうなぁ。 この時見た景色は多分一生忘れない。 でもこんな社会科見学でも来ないような場所に来ちゃったら、 とてもじゃないがスペインになんて辿り着けそうにないよ。 いやいや、諦めるのはまだ早い。 閉じ込められた屋上から、こうして自由な空間に出ただけでもすごいよね。 もうひと頑張りで脱出できるかも知れないな! よーし、こうなりゃ開き直ってあの作業員に道案内させてやるよー 「エクスキューズミー!ヘルプミー!」 作業員 「○×△□◇×□◇×??」 ・・はっ? 何言ってんのこの人。サッパリわかんないんだけど。 あっ、そっか!ここイタリアだからイタリア語しゃべってるのか! おいおい、私イタリア語なんてセニョリータとスパゲッティくらいしか知らないよ! とりあえず巧みなジェスチャーと、八の字眉で何とか気持ちを伝える。 作業員1 「おい、どうするこの子?」 作業員2 「しょうがない、ここは俺がやっとくからお前案内してやれよ」 作業員1 「俺がぁ?今日早く帰りたかったのに・・」 (以上 憶測) 俺について来い的なジェスチャーをする作業員1の後ろについて、 ジグザグになったクレーンハシゴみたいな階段を登る。 するといつの間にか、搭乗口の自動改札機から飛行機のドアまでに歩く、筒状の道に出た。 あららら、不思議。ワープみたい。 今から飛行機に乗る客達にさからって反対方向に歩いていく。 なんでこの子逆に進んでるの?って顔で見られてる感タップリだけど、あんた達には 到底理解できないふか~い事情が私にはあるのよーんと、ツンとおすまし。 と、搭乗口の自動改札機で作業員1からアテンダントに(私を)引き渡される。 作業員にお礼を言い、その場を去ろうとするとアテンダントに呼び止められた。 アテ 「あんたなんで滑走路なんかにいたの!」 おっ、この人アテンダントだけあってめっちゃ英語うまっ! 私 「えっと、屋上。ホラ屋上↑(屋上を指差す)えーっと屋上って英語で何だっけ・・」 アテ 「オーマイガッ!!」 あ、通じた。さすがアテンダント。 アテ1 「ぺらぺらぺらぺーらー!!ガミガミガミー!」 アテ2 「ぺーらぺらぺらーーー!!ガミガミガーミ!」 うえ~ん、なんかめっちゃ怒ってるー。 早すぎて何言ってるかわかんないし、搭乗客がクスクス笑ってるよー 怖いよー恥ずかしいよー もはや何語だかわからん言葉で散々叱られ、ようやく解放。 初のヨーロッパで、なんで私こんな叱られなきゃいけないんだろ・・ なんか急激に凹んできた。 誰かに泣きつきたくなり、公衆電話から母に電話する。 「お母さ~ん!かくかくしかじかでイタリア人に怒られた~~うえ~ん!」 「あーあー何やってんのーもう帰って来たらー?」 いや、まだ目的地にも着いてないのよー あっ!しまった、時間ないんだった! 電話を切り、スペイン行きの搭乗口まで闇雲に猛ダッシュ!! 道なんて全くわかんないけどとにかくダーーッシュ!! マドリッド行き、離陸数分前に滑り込む。 の、乗れたよ・・奇跡だ。全身汗びっしょり。 こうして私の楽しいスペイン一人旅が始まるのでした。 皆さんも、取っ手のない扉にはご注意下さい。 そこにはとっても危険な落とし穴があるはずです。 レオナルド・ダ・ピンチ!-完-(1票) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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