カテゴリ:カテゴリ未分類
何てつまらない監督だろう。いや、これは誤解がある。作品としては面白く、上手くまとまっているし、センスも悪くない。むしろ「メゾン・ド・ヒミコ」にしろ、今回の「ジョゼと虎と魚たち」にしろ秀作といっていい。が、何だろう、上手くまとまりすぎていて、観ている側の想像力が刺激されないのだ。多くの女性がほろりとしつつ、それ以上ではない秀作。
【ストーリー】 大学生の恒夫(妻夫木聡)は、ある日の明け方、坂の上から乳母車が走ってくるのに遭遇する。中を覗くと包丁を握り締めた少女・ジョゼ(池脇千鶴)がいた。恒夫は危うく刺されそうになる。彼女は原因不明の病で生まれてから一度も歩いたことがなく、老婆は近所に孫の存在を隠して暮らしているために、夜明け間もない時間に乳母車に乗せて散歩させていたのだった。一日の多くを家で過ごすジョゼは、様々な本を読んでいたが、その中でもお気に入りがフランソワーズ・サガンの『一年ののち』。いつもそっけないジョゼが、その本の続編を読みたいと強く言いい、恒夫は既に絶版となっていた続篇『すばらしい雲』を古本屋で探し出し、プレゼントする。恒夫は、大学の同級生の香苗(上野樹里)に好意を持っている。福祉関係の就職を希望している香苗との会話のネタに、ジョゼの話をするのだった… 【感想】 設定の面白さはあるものの、基本的には誰もが1度は経験しているような、ほろ苦い恋愛もの。永遠に続くと思う瞬間とそうした季節もやがて1つの終わりを迎えるのだということ。そういった類の物語だ。主人公・恒夫は何人もの女性とそれなりに恋愛をし、割と気軽に女性を乗り換えるやさ男。妻夫木聡があまりに爽やかだから騙されるけれど、始まりにも終わりにも女性がいたりと、決して一途なタイプでもない。そんな恒夫が真剣に恋を落ちたのが、脚が不自由な少女・ジョゼ。多少、いびつな育てられ方をしていることもなって、かなりクセがあり、かつ我儘。そんな本来なら接点がないであろと異なるタイプだからこそ惹かれあい、終わりを迎えてしまう。 所謂、恋愛映画っぽい主人公達ではないのだけれど、妻夫木聡もしっくりしていたし、何と言ってもあの難しいキャラクターを池脇千鶴がうまく演じている。表情や仕種やせつなさや、そういったものを上手く引き出している。→ 続きを読む お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.11.27 22:19:10
コメント(0) | コメントを書く |
|