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テーマ:★お菓子★(2750)
カテゴリ:風変わりな名物・B級グルメ
桜餅と一口で言っても、大きく分けて2種類が存在することをご存知でしょうか。 ひとつは「長命寺」と言い、クレープ風の焼き皮で餡をくるんだもの。もうひとつは、「道明寺」と言って、道明寺粉の団子の中に餡を入れた逆おはぎ風のもの。どちらも塩漬けの桜葉で巻かれているのは一緒です。 一般的に関西では道明寺を、関東では長命寺を桜餅と言っています。両方売っている場合、例えば関東では「桜餅」と「道明寺」というように区別しています。 では、「関東と関西の中間である北陸ではどっちなのか?」を調べてみたことがあります。 富山、石川、福井の約30軒ほどの和菓子屋さんに「どっちを売っているか?」と聞いたところ、富山県、石川県では長命寺派が多く、福井県では圧倒的に道明寺という結果になりました。 この調査では石川県と福井県の県境が二つの桜餅の境となるという結果が出ました。 とは言っても、北陸には両方の桜餅が混在しており、道明寺派と長命寺派に分かれてしのぎを削っているみたい。 金沢で両方の桜餅を売っている和菓子屋さんに聞いたところ、昔は桜餅といえば長命寺だったけど、最近は道明寺の方が売れると言い、長命寺から道明寺に切り替えたという店は、「道明寺の方が日持ちするから」とも言ってました。 金沢に限らず、ここ最近、全国的な傾向として道明寺の方に分があるようです。 また、福井の和菓子屋さんに聞くと、道明寺でも道明寺粉を使わずもち米を使う「道明寺風」が福井には多いと言ってました。 さて、ここ金沢では季節の先取りをしますので、桜餅は今が旬。桜が咲く頃になるともう売ってない。これもおでんと同じ傾向です。 シーズンが終わっちゃう前に、さっそく、市内を走り回って二種類の桜餅を買ってきました。 金沢は県庁所在地では日本一和菓子の消費量が多い町です。それだけに和菓子屋さんの数は多く、レベルも高い。そんな中でも私の気に入っている二店の桜餅を用意しました。 写真左が斬新な創作和菓子を得意とする浦田の道明寺、右は金沢を代表する大手の和菓子屋さんの柴舟小出の長命寺です。 まあ、うちは夫婦ともに関東出身ですから「桜餅といえば長命寺」の口なんですが、このガチンコ勝負はそんな親が二人とも道明寺に、子ども二人が長命寺に軍配を上げて、引き分けでした。 甘みを控えたあっさりした後味の浦田と、桜葉の香りを前面に出して餡も甘く仕上げた小出という二つの桜餅は、まったく違うもの。この二つに甲乙つけるのはちょっと難しいですね。 ちなみに、今まで食べた一番美味しい桜餅は伊豆半島の松崎にある「桜葉餅」。桜葉の産地だけに桜葉をふんだんに使った長命寺風のお菓子です。また、東京の長命寺には長命寺を最初に出した店が今もあるそうですが、食べたことはありません。道明寺というお寺は大阪にありますが、桜餅がいつごろからあるのか? 詳しい記述は残っていないそうです。 桜餅を食べるとき、こんなウンチク傾けてみてはいかがでしょうか? ぜひ、皆さんの桜餅も教えてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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