弟の就職
弟の就職が決まったので、彼は東京で独り暮らしをする事になりました。母と私と弟の三人家族なので、たった一人の男性が家庭からいなくなるというのは不安です。 考えてみれば、私が小学2年生の時に生まれ、オムツを替えたりミルクをあげたり、子守もしてきた小さかった弟がもう大人になったんだな~、と実感します。成績優秀で姉とは対照的な弟でした。受験も何もかも今までストレート一発で来ていて挫折という言葉が人生に見当たらない弟。社会人になったらいつかは挫折という言葉も味わうのでしょうか? 当初、母と私は弟の東京行きには反対でした。せっかくの高学歴を棒にふり、全く先の見通しの無い業界に契約社員として就職する弟。不安定な道を選んでまで自分のやりたい事があるのは、少し羨ましくもありました。やりたい事があるなら、世間の厳しさを知るなら若いうちに…という事で失敗したら戻ってくる約束で東京行きが決まりました。 これからは独りで頑張るんだね。お母さんと私も二人だけの生活で淋しくなるよ。だけど帰って来たい時はいつでも帰って来ていいんだ。ここはいつでも君の家だからね。