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***昨日は折角意気込んで日記を書いたのに、接続がダウンしてしまい、プロバイダーやブリティッシュ・テレコムに電話して原因を突き止めようとしたのですが、いつものように双方はお互いのせいにするだけで、昨日は全然問題を解決できず、とうとう日記をアップできませんでした。
結局どちらも当てにならず自分であれこれ試行錯誤して、今朝ようやくつながるようになったのですがまだ完全には回復していません。 一応、今つながっているうちに昨日書いた日記をアップしますので宜しく。 とっち*** 時間が経つに連れて自分の出番が近づいて来る。みんな自分の出番が終わり、ホッとした顔をして楽しそうだ。 ついに我々の班の順番が回ってきた。 我々の班の担当の先輩が挨拶と曲の紹介をした後で、まず野田くんが、皆が座って見ている場所から2~3メートル離れた場所に置いてある椅子にギターを持って座る。 シーンとした会場にゆっくりとギターの音が流れ出した。 シ~ンとした空気を縫うように響くギターは、彼の性格のような穏やかな響きをもって流れて行った。 しかし、私は彼のギターに聞き惚れている場合ではない。 楽器というのは不思議なもので、演奏している途中で考えれば考えるほど指が止まってしまう。かといって今自分の番がくるのをこうやって待っていると「弾けるだろうか?」という不安が襲って来る。 自分の番がくるのがやけに長く感じた。 野田くんが弾き終わり、拍手と歓声に送られて立ち去ると今度は私の番である。 ギターを持って今しがた野田くんが座っていた椅子に腰掛けると、何となく気持ちがすーっと落ち着いてきた。 弾き始めると頭は空っぽになって自分の弾いている音だけしか聴こえなくなり、次々に弾くフレーズの音が頭に浮かんで来る、いい調子だ! ところが曲の半分ぐらいまで弾いたあたりで、突然違うフレーズが頭に浮かんできて困った。 私はこの突然浮かんできたフレーズに、今いい具合で弾いている調子をかき乱されるのを恐れ、早く曲を終わるように自然に弾く速度が速くなった。 いい加減に弾いているとはいえ、やはり速度が速くなると弾く方も必死である。 必死で弾いているうちに循環コードの終わりの部分に差し掛かったので、ここだ!と思い、終わりのコードをジャーンと弾いて演奏を終わった。 一瞬ポカーンとした空間が空いた後に、歓声と拍手が起こった。 私は恥をかかなくて済んだ安堵感と、拍手と歓声でこの場を誤摩化してくれた仲間に感謝の一礼をしてその場を立ち去った。 会場をでると先輩が会場の出口の所で待っていて、「とっち!演奏自体は悪くなかったが、課題曲をちゃんと弾かなかった罰として、約束通り30分の正座をしてもらうぞ!」と言って、今回の合宿で練習をサボって発表会で失敗した連中が正座をさせられている場所を指差した。 『ええっ?私もですか?』と問い返しては見たが、サボっていたのは間違いなかったので黙って並んで正座をしていると、会場からでてきた同輩たちが私が正座をしている私を見つけて訳もわからずに「おい、とっち。そんなところで何やってんだ?」と話しかけてきたのだが、私は練習をサボっていたことは言いづらかったので「いや、ちょっとな。直ぐ行くから先に行っててくれ」と言ってその場をつくろった。 このクラブは前にも書いたように全員でコーラスするのが主体のクラブなのだが、それとは別にそれぞれの学年で20人程の小コーラス部を作り、コーラスの伴奏をするバックバンドを編成し、3年生になった時にはじめて全体のコーラスの責任を引き受ける仕組みになっている。 この合宿を境にして我が学年も自分たちでコーラス部を運営して行くことになった。 それにはまずバックバンドを作らなくてはならなくなり、ロック部門で演奏していたドラムの川口くん、ベースの千葉くん、リードギターの田中くん、アコースティックギター担当の野田くん、そしてアコースティック兼エレキのサイドギターの私が我々のコーラス部のバックバンドを結成することに決まった。 この話が決まった後、あの3年生のブルーズギタリストの先輩にエレキギターを購入したいことを相談してみたところ、ちょうど彼の知り合いで現在持っているエルクというメーカーのエレキギターをフェンダーのエレキギターに買い替えたい人がいるので話をしてくれると言う。 値段を聞いてみると約10万円のギターを、3万円で売ってくれるということなので私は喜んでその話に飛びついた。 このエルクのギターが私が生まれて初めて、そして小学校の時から夢にまで見た最初のエレキギターであった。 <続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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