カテゴリ:書評
「経験経済」とは、産業経済からサービス経済に続く、
経済システムのことである。 経験に価値をおく経験経済は、 それ以前の経済システムと対比されることで、 その特徴が際立つ。 19ページの一覧がわかりやすいので抜粋してみる。 左から順に、産業経済→サービス経済→経験経済である。 経済的機能・・・製造→提供→演出 売り物の性質・・・形がある→形がない→思い出に残る 重要な特性・・・規格→カスタマイズ→個人的 売り手・・・メーカー→サービス事業者→ステージャー 買い手・・・ユーザー→クライアント→ゲスト 需要の源・・・特徴→便益→感動 ということになる。 ビジネス的にみても、価格競争に陥りやすい製品、 満足されることを追求するサービスに比較して、 個人の感動にコミットできる経験は、 より高い報酬を得ることが可能になる。 そして、この経験というステージングには、4つのEがある。 4つのEとは、 エンターテインメント(娯楽) エデュケーション(教育) エスケープ(非日常) エステティック(美的)の4つの領域である。 企業はこの4つの領域を提供する必要がある。 そして、経験経済についての認識と実践の重要性が、 さまざまな事例とともに紹介され、 この経験価値の提供の重要性は、 どんな企業でも変わらないことが述べられる。 最後のほうでは、 「経験をつくり出すこと自体がマーケティング」なのである、 とまで言っている。 途中の経験経済の次のシステムの、 変革経済-個人の変化を実現するシステムの話も、 興味深く読める。 私のビジネスに即していえば、 いまだサービス経済のものであるが、案件によっては、 経験経済、変革経済のものになっているものも実はある。 このように、自分のビジネスが、 どの辺にあるのかを考えさせられる。 とはいえ、経験経済、変革経済のビジネスは、 それ以前よりも難易度は高いのだ。 この本は、マーケティングに関わる者だけでなく、 ビジネスマン全員が読んでもいい本である。 ★5つ ★★★★★ ![]() ********************************** 有限会社リレーションメイク 羽切 徳行 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.04.09 08:55:06
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