カテゴリ:企画・企画書のヒント
それは“なぜ”なのか、理由がわかることで、見えてくることがある。
あたりまえと思っていることでも、“なぜ”当たり前なのかはわからないことがある。 そんな“なぜ”を、日常の世界から探し、考えることで、企画や企画書づくりのヒントにしようというのが、このシリーズの趣旨。 しかし、この、“なぜ”のその探究には、著者なりの主観や直観、推測、憶測、感覚、本能、そして何よりも企画マンとしての資質が含まれている。 なので、読者の方は、ここに書かれていることを簡単に信じないで、自分なりにとらえ、解釈、思考、分析してから、自分の意見として採用するように。 ●なぜ、Windows Vistaは遅いのか? 最先端のものを出したい気持ちが、ユーザー不在になっているからである。 <見方> 私がパソコンのOSをWindows Vistaにしたのが、2007年6月である。 メインパソコンが壊れてしまったためで、今買うならXPでもなかろうということで、Vistaにした。 このときは、2つのCPUがある、いわゆるデュアルコアが浸透し始めた頃だったが、ビジネスユースで、ゲームやビデオ編集をしない私には、Pentium4の3GHz、メモリー1GBも積んでいれば十分だろうと思って購入したのが間違いだった。 使ってみると、Vistaの外見は美しいのだが、パソコン動作の遅いこと、重いこと。 アプリケーションなどの基本的な動作だけでなく、異なるパソコンからのデータのコピーが、異様なほど遅い。 なぜ、最新のOSがこれほど遅いのか、パソコンのスペックだって最高峰ではないが、それほど悪くないはず。 しかし、それは見当違いだったのだ。 調べてみると、Vistaというのは、表示の美しさもCPUへ負荷をかけているが、裏でいろいろとやっている作業の負荷がとても高いのである。 特に、常時動いているのが、Vista Businessに搭載されているバックアップ機能である。 パソコンが異常になったら、正常なときに戻せるというものだ。 この機能が、たえず常時CPUとハードディスクを動かしている。 ハードディスクのアクセスランプが常に動いている状態になる。 つまり、どういうことかというと、Vistaは、デュアルCPUを前提としたOSなのである。 多分、こういうことである。 マイクロソフトは、最新のOSを開発するのにあたり、現在のCPUが持っている能力を最大限活用しようと考えた。 1つのCPUはOSで使い、アプリは、もう1つのCPUでやればいいと。 結果、裏で動いているはずの負荷が、アプリケーションソフトを使用して、日常の業務にまで及び、私たちの作業にまで支障がでるようなことになってしまった、ということである。 私たちビジネスマンにとっては、OSのすばらしさよりも、作業環境の快適さのほうが優先する。 OSメーカーとして、よいものを出したい、最先端のものを出したい気持ちはわかるが、まだ、Vistaの時代ではないのである。 そこには、ユーザーの使用環境のことを考えていないというのが垣間見える。 パソコン上でVistaならではの高負荷機能を止めることができるが、それも多少の知識が必要であるし、それだと、Vistaである意味がなくなるということもある。 そこには、パソコンOSが、成熟した果実であるという事実をみることができる。 また、これは、パソコンOSが事実上独占市場であり、マイクロソフトだからこそできる芸当なのである。 このような使いづらい商品が、なぜ展開でき、マイクロソフトの業績が史上最高になったのか、考えてみる価値はある。 大多数の企業は、基本的には真似してはいけないやり方であろう。 ********************************** 有限会社リレーションメイク 羽切 徳行 企画書作成サービス 企画書書き方事例集 企画書サンプル 企画・企画書用語集 ↓油そば6食パック お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.10.29 07:46:55
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