楽天の友人、うるとびーずさんのブログから以下転載させていただきます。
うるとびーずさん、転載許可、ありがとうございました。
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mixiの友人が日記に書いていた情報です。とても大切なメッセージだと思うので、ここにも紹介させていただきます。****** 転載ここから *******昨日、ぼくの職場の代表理事2人から、今回福島で起こっている原発問題についてメールをもらった。1人は前ボスの高草木博(たかくさき・ひろし)さん、そしてもう1人は被爆者でもある名古屋大学名誉教授の澤田昭二(さわだ・しょうじ)さん。
事態は今、さらに深刻に進んでいると思うが、原水爆禁止運動の最前線に立っている2人から多くのことを学べるとともに、指摘を重く受け止めて、政府は一企業の責任にするのではなく、人命救助優先で最大限の努力をするように求めたいと思う。
高草木博代表理事
最悪の事態を防ぐこと、被災者を救援することを最優先で
まず、ちょっと問い合わせを受けて感じたことですが、原子炉事故は、なにはともあれ、核分裂を停止させ、冷やすことです。核反応は自動停止したわけですが、冷却システムが破綻しました。それを別の手段で冷やす、これは東電も必死になってやっていると思います。柏崎原発のときも、結局、最後は現場の労働者による決死の働きが最悪の事態を救うことになりました。いまの段階で、余りあれこれ言い過ぎることは国民感情に合わなくなる恐れもあるので、その辺は考えた言い方、つまり、とにかく最悪の事態を防ぐことと救援に全力を尽くせということに尽きるかと思います。
福島第一原発と第二原発
まず、福島原発ですが、第一発電所(二葉町・大熊町)は稼動していた原子炉が6基、合計発電量は470万キロワット。第二原発は4基で発電量は440万キロワット。その総量は、かの大惨事を引き起こす手前まで行った柏崎原発の1000万キロワットに肉薄するものです。柏崎原発は、2007年7月の中越沖地震のとき、原子炉を冷やすためのディーゼル発電所で火災が発生。今回と同じように、核反応は止めたもののクーリングシステムが働かなくなり、まさに大惨事一歩手前まで行きました。
柏崎原発の発電量は世界第一位。大体、いくつものプレートが重なり、火山と活断層とで、世界最大の地震国の中で、いたるところに世界最大規模の原発を作っている今の実態は、本当に問題です。これについて言いたいことはたくさんありますが、とりあえず抑えておきます。
それに加えて、第一発電所の方は、ウランに加え、プルトニウムまで燃やし始めていました。後から言うように、原子炉本体である圧力容器が爆発するような事態になれば、これはもうチェルノブイリを上回る悲惨な事態になりかねません。
今度の事故の内容
柏崎もそうですが、福島の原発もすべて沸騰水型の軽水炉です。原子炉は、堅牢な建物の中に格納容器を据え付け、その中に圧力容器を入れます。圧力容器の上からウランとその入れ物をつけた燃料棒の束を入れ、下から、核分裂を制御する制御棒を燃料棒の間に入れます。制御棒は中性子を吸い取るので、完全に制御棒を入れれば、核分裂を止めることができます。
この圧力容器には大量の水が入れられており、燃料棒は水の中にあります。上のほうは沸騰してものすごい圧力となり、その蒸気を圧力容器から引き出し、タービンを回し、発電し、水に戻して圧力容器に返します。
この冷やすための水の循環には電力が必要です。そのために、原子炉を止め、電気が止まっても注水できるよう、原発には必ず重油による発電所がついています。それが柏崎では火災、今回も機能しなくなりました。
核分裂が止まっても、炉内は猛烈な熱なのでクーリングシステムが働かなければ水が蒸気となり、抜かなければ爆発します。抜いても、新たに水を入れなければ燃料棒が水から出て、いわゆる空焚き状態になります。今回の場合は、これが起こりました。そうすると燃料棒の先の容器に閉じ込められた放射性物質が飛び出してきます。そのひとつがセシウム137です。セシウム137は自然界にないので、これを検知すると炉心溶融が始まったことがわかるわけです。ちなみに、各地の核実験場でも起こったように、セシウム137は土にしみこみ、食物に取り込まれ、人間の体にも筋肉などに簡単に入り込める始末の悪い放射性物質で、半減期は27年もあります。
これまでの経過で見ると、アメリカのスリーマイル島(これは地名、本当の島ではありません)の事故でも、クーリングシステムがいかれ、燃料棒が水から露出し、空焚き状態が起こりましたが、溶融までには至りませんでした。今回はだから、スリーマイル島のときよりも事態は深刻なところまで行ったわけです。
ちなみに、チェルノブイリの事故も空焚きで、ついにそれが圧力容器の蓋が吹っ飛ぶところまで行ったので、炉内の放射性物質がヨーロッパ中に広がりました。福島の場合、炉内にどれほどの放射性物質があるのか知りませんが、圧力容器が爆発すればその被害がどれほどのものになるか、推測は容易だと思います。
もうひとつ、この過程で、燃料を覆うジルコニウムが高熱で水と反応すると水素が生じます。それが一番外側の建物内部にたまり、ついに爆発したのが今回の1号炉の爆発だと考えられています。3号炉も爆発の危険があるわけですが、それでも格納容器や圧力容器は丈夫だから大丈夫などと、枝野さんがいうほど事態は簡単でないと思います。
結論を出すために作ったのではないので、結論はありません。しかし、いまは、最悪の惨事を食い止めるために全力を挙げさせるべきであり、被害者の救済、そして副次的に起こっている市民生活への影響をきちんと解決させること、もうひとつ、余震の危険にもきちんと備えることなどを求めることが先決だと思います。
澤田昭二代表理事
原発問題が最悪の事態を迎えています。こうしたことを経験する前に核エネルギー利用の正しい方向を見出してほしかったと思います。
原発問題での私のかねてからの主張は、放射性廃棄物の処理技術が全く未完成で、決して起こしてはならない原発事故についても安全性についても不十分な段階で、安全基準が原爆放射線による内部被曝を軽視してきた国際放射線防護委員会(ICRP)に依存して、2桁の過小評価をして放射性物質の環境への放出をしていること、また原発の解体などを考慮するとコストも問題であること、特に地震国で人口密度の高い日本であることなど、まだ核エネルギーや原子力を利用する段階ではないと考えます。トリウム炉の可能性についても全く研究されていない段階で、アメリカの核政策(Atom for Peace)に従って原子力平和利用3原則を無視して、原発大増設をしてきました。その意味で浜岡原発は最悪で、即時停止をすべきだと思います。
もう一つ、私は内部被曝の軽視の発表と報道に憂慮しています。身体を洗って表面に付着した放射性物質を洗い流せば良いと言わんばかりの説明ですが、身体の表面に付着しているのを検出しておれば、呼吸をしていますから当然内部被曝をしています。激しい運動をすればそれだけ沢山取込みますから、湿ったマスクをするなどの工夫をして早く風上に立ち去ることが必要です。
放射性ヨードやセシウムが検出されていますので、被曝した人は、これらを早く排出させるためのヨード剤を飲むなどの処置が求められます。ヨードの摂取は副作用があるので、緊急の場合です。普段はヨードを含む海草類を沢山食べておくのがよいと思います。風向きによっては首都圏も気をつけなければならないでしょう。
すでに放射性微粒子が排出されていますが、報道も含めて隠蔽されているように感じます。森住卓さんのホームページでは彼は測定に行っているようです。放射性微粒子を摂取すると飲食を通じて下痢が起こることが考えられます。広島原爆の場合はその日の夕刻から下痢が始まりました。
しかし、放射線防護の専門家の大部分は、放射線による下痢は大量被曝でなければ起こらないと外部被曝による発想から抜け出していません。(東海村) JCO事故に関わった放射線防護の鈴木元氏や明石氏は原爆症認定裁判や長崎の訴訟で主張を続けています。内部被曝をしていることを前提に、現在症状が現れていなくても、内部被曝の場合は遅れて発症するので長期間観察する必要があります。
発表では体外に付着したものを認める一方、現在は症状がないとそれで終わりという姿勢は危険だと思います。
放射線影響は急性症状の場合も個人差がきわめて大きく、広島の原爆被爆者を調べた結果、内部被曝による下痢の発症は期待値(半発症線量)が約2 グレイ、標準偏差約0.6グレイの正規分布をしていますので(外部被曝の場合の下痢発症は期待値[半発症線量]が約4グレイ、標準偏差約0.9グレイの正規分布)低線量でも発症しますので、内部被曝の最初の兆候を見ることになります。脱毛や紫斑はかなり遅れて発症するので検出は難しいと思います。放射線被害について慎重に考えて下さる医師の方の協力はきわめて重要です。
まだ燃料棒が露出している段階で今後の燃料棒冷却の100度以下の見通しがない状況ですし、ベントといって爆発を避けるため放射性の気体の放出をおこなっているので被曝の増加が心配です。双葉町の住民がすでに160人被曝をしています、スリーマイル島規模の被曝がすでに起こっていますが、2号炉が炉心溶融のようなシンドロームにならないことを祈るばかりです。
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