中国の家は大きい?小さい?
↑我が家から徒歩20分で、この風景!海のある暮らしは、気持ちがいい。日本の大都市から家族で大連に越してきた方で、住まいのサイズが大幅UPした♪という方は、きっと多いことでしょう。たとえば、東京にいた時は、2LDK、55平米の賃貸マンション暮らしだったけど、大連に来た途端、一挙に面積倍増、110平米の巨大リビング付き3LDKマンションをGET!みたいな話が・・・。ま、独身の方だと、そうでもないんでしょうけど。大連の、比較的新しいマンションでは、東京のそれに比べて、間取りがゆったりつくられているものが多いようです。これには、ライフスタイルの違いも関係しているのでしょう。たとえば、中国人はベッドに寝ますから、布団・押入れを前提につくられた日本の和室より、寝室をやや広めにとる必要があるとか、またリビングも広めが好まれるとか・・・等々。それとは別に、住宅面積の測り方の違いから、日本の面積表示よりもかなり大きめの数字が出る、という点も指摘できます。このことは今、住宅価格高騰に悩む中国の大都市では社会問題になっています。今後、中国で住宅(投資物件)購入を考えている方々にも参考になる話だと思うので、もう少し詳しくお話ししますね。中国の住宅面積測定法は、日本のそれと、全然違います。日本の集合住宅では、各戸の占有面積を測定するのが一般的ですが、中国の場合、各戸の占有面積のほかに、共有部分の面積も各戸ごとに按分されて、占有面積に合算されてしまうので、日本の面積表示と比べて、だいたい2~3割ほど、水増しされてしまうようです。もっと分かりやすく言えば、日本でマンションを買う場合、階段、廊下、エレベーター、外壁など、共有部分の面積なんて誰も意識しませんよね。ところが中国では、これら共有部分の面積が、自分の買うマンションの値段に直接跳ね返ってきてしまうのです!昨今の中国では、この測定法が、大きな不平不満を呼んでいます。たとえばの話、1)A、Bという2戸で1つの階段を共有するマンションで、Aの占有面積が100平米、Bのそれが50平米あるとします。この場合、階段部分の面積が、A、Bの占有面積に比例按分されてしまい、その結果AはBの2倍、階段部分の面積に対するお金を負担しなければなりません。でも、階段は誰もが平等に使える施設だから、Aが多く払うのは不公平かもしれない。2)中国では、エレベーターの面積も、各戸ごとに按分されてしまいます。でも、1階に住む住民は、エレベーターなど使う必要ないから、高層階の住民と同じ額を負担するのは不公平かもしれない。3)中国では、各戸の占有面積が、外壁ベース(※壁の厚みを含めた測定法)で測定される。大連など北方都市では、壁の厚みが大きいので、全く同じ間取りでも、外壁に多く面した住居の方が、面積が大目に測定されてしまい、より多くの金額を負担しなければならないのは不公平かもしれない。中国の大都市では、ここ数年、住宅価格が大きく高騰し、大連でも、一般庶民には手の届かないものになりつつあります。私の住んでいるマンションの場合、1平米あたり6000元(8万4千円)前後が相場ですが、これは、日本の金銭感覚で言うと大体60万円に相当します。ということは、共有面積の測定方式の関係で、5平米も多く測定されてしまった場合、なんと300万円も損した感覚になる!これでは、中国人じゃなくても、誰もが敏感になってしまいますよね。すでに北京では、住宅面積の測定方式を、日本のような各戸占有面積ベースに変えようという動きになっているようです。これは近い将来、必ず大連にも波及してくることでしょう。そうなると、どうなるか?・これまで、100平米あると思っていた自分のマンションが、実は80平米しかなかった、ということに気づく。また、「平米単価」の考え方も、変わってくるでしょう。これまでは、共有部分と込み込みの面積に対して、平米単価(例.平米あたり6000元)をかけてマンション価格が決められていたけど、今後は、純粋に占有面積ベースの表示になるから、平米単価もそれに比例して上がることでしょう。たとえば、・(旧方式)100平米*6000元=60万元・(新方式)80平米*7500元=60万元これは、或いは住宅相場を冷やす効果があるのかもしれません。上にみるように、「平米単価が7500元」みたいな驚愕の数字(?)が出てきてしまった場合、大連市民が、それだけの大金を払って住宅を買おうとするだろうか?いや、彼らはそれでも買うでしょう。中国の住宅相場は、止まらない。だって皆、死に物狂いで買いまくってるんだもん・・・。