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カテゴリ:日々の診療の狭間で
毎週土曜日の朝は、Sさんの往診で始まる。
往診と言っても、別に調子が悪いわけでなく、寝たきりで病院に来れない人をこっちから訪問するわけだ。これを訪問診療と言って、所謂往診とは保険上区別されている。 Sさんはまだ50代の女性だが、10年前にくも膜下出血、数年前に脳出血を起こして長い病院生活の末、昨年の夏に自宅介護を始めた。 四肢麻痺があり、言葉もはっきりせず、食べ物も飲み込めない。 胃瘻と言う管が皮膚から胃に直接通してあって、そこから流動食を注入するのだ。 介護はご主人だけなので、訪問看護婦、訪問ヘルパー、訪問リハビリ師、そして医者が交替で日曜日以外毎日出入りしている。文字通り介護保険が始まったことによって可能になった在宅診療だ。 今日部屋に入ったときに、なんかいつもと違うな~と思ったがすぐに気が付いた。 Sさんはパーマをかけていたのだ。こういう病状であるから、気軽に散髪にも行けない。普段は看護婦さんやヘルパーさんで心得のある人が切ってくれていたが、まあ所謂男の髪みたいな感じで短髪、そしてかなり白髪が目立っていた。 最近伸びてきて、また切らなきゃいけないねと言っていたのだ。 知り合いの美容師さんが訪問してくれて、髪を染めた上でパーマもかけてくれたそうだ。ま、冷静にみたらモコモコしたオバサンパーマだったけど、寝たきりの女性に毛染めをしてパーマをかけるなんて、かなりの手間が必要だと思う。 贅沢だと言う人もいるかも知れない。 でも、違うんだよな。こういう状態の人だから、そういう普通なら何も感じない些細な事で幸せを感じる事が出来るのだ。 「髪型変えて綺麗になったね」と言うと、Sさんはニッコリと笑ってくれた。 ほら、向こうの幸せがこっちに返ってきただろう! 今日はカズの遠足に配偶者が付いていったので、1日中外来をする。 低血糖になって来た患者さんが来たりして(一人は救急車で来るんだもの)時間を取られる。昼休みは20分。 でも時間通りに終われたからラッキーである。 夜は自転車キャラバンになって、最近出来た海鮮レストランへ行く。 以前の居酒屋が模様替えしたもので、経営母体は同じだけど、ナカナカお寿司が美味しかった。 でも、でっかいお皿に載ってきた刺身がちょっとしょぼかったな。 サザエの貝殻が載っていたのでサザエの刺身があるのかと思ったら、無いじゃん! 貝殻だけ載せるんじゃねえ!! 毎月27日は「お~い竜馬」(レミックス版)の発売日。 今朝、サンクスで仕入れていたのをじっくり読む。 面白いから、いっそ古本屋やオークションで全巻揃えようと思う時もあるけど、面白い故1冊を何度も読み返して1ヶ月が過ぎるんだよな。 やっと薩長同盟が成立。これからが維新の佳境だ。 明日はまたソフトバレーの試合。 そろそろ寝よう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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