★リトルフラワー★

先日購入した『砂の器』DVD BOX。

今日、最終楽章まで見終えた。

ドラマOAも観てたし、録画したビデオでも3回くらい見ていた。

だから今回が初めてじゃないのに号泣してしまった。

－宿命、それは生きることである－

中居くんが演じる「和賀英良」は『宿命』を受け入れることができず、苦しんで生きてきた。

「本浦秀夫」という『宿命』を無くしたかった。

でも、三木(赤井英和)が訪ねてきたことで、

宿命が痛み出す。

成瀬あさみ(松雪康子)は和賀と出会ったことで、

宿命が泣き出す。

和賀を追う刑事、今西(渡辺謙)は、

宿命が走り出す。

殺人という罪はもちろん許されることではない。

でも切ない。

本浦家は秀夫が6歳の時、いわれない濡れ衣をきされ村八分にあっていた。

村八分…葬式と結婚式で二分、

それ以外は無視するという陰湿ないじめみたいなものだ。

そのため秀夫は毎日学校でいじめをうけていた。

ある日、母親(かとうかずこ)が急病になった時、

村の医者は村八分を理由に診てくれず、母親は死んでしまった。

そして、父・千代吉は村に火を放って村人30人を殺してしまった。

千代吉と秀夫の放浪の旅が始まった。

秀夫の子役(斎藤隆成　さいとう　りゅうせい)がとても良い演技をしていた。

セリフは殆ど無い。

千代吉と二人で放浪するシーンは何故か涙が出てくる。

バックに流れる『宿命』の曲とシンクロして、

寂しさ、切なさ、辛さが伝わってくる。

巡礼にも似た放浪の中で、学校にも行けない秀夫の為に、

ある田舎の学校から「ピアニカ」を盗んだ千代吉。

もちろん、悪いことだ。

でも、そのピアニカに嬉しそうに「ひでお」と名前を書く、

秀夫の姿が切なかった。

最後のシーンで、今西の計らいで獄中にいる千代吉に面会する和賀。

あなたを許せなかった。
本浦秀夫を無くしたかった。
だから、三木さんを殺してしまいました。

殺してしまいました…。

そんな和賀に「悪かったな…」と誤る千代吉。

獄中の父親に話す和賀の姿は「秀夫」だった。

鉄格子越しに手を握り合い、秀夫は涙を流しながら叫ぶ。

「父ちゃんーーー！」

幼い頃、亀嵩の駅で汽車に乗る父を追いかけた秀夫がそこにはいた。

千代吉のそばに座りピアニカを吹く姿は、

「和賀英良」ではなく「本浦秀夫」だった。

本浦秀夫を無くしたいと思ってた和賀は何故、ピアニカを大事に持っていたのだろうか。

辛い放浪生活だったが、千代吉と一緒に居られて秀夫は幸せだったのではないだろうか。

だから、ずっと大切に持っていたのではないか。

唯一、心が休まる大切な「場所」だったのかも知れない

渡辺謙さん演じる今西刑事も人間味あふれる人物だった。

和賀が「宿命」完成の為に亀嵩駅に行ったとき、

今西もそこへ駆けつけた。

そのとき涙目の今西の心には和賀の「宿命」が分かっていたのだと思う。

多分、あたしは何回観ても泣いてしまうと思う。

ここ最近で一番号泣したドラマです。

最後の号泣しながら「父ちゃーーん」と叫ぶシーンは、

本番一発勝負で挑んだと、中居くんは語っていました。

また中居くんのシリアスなドラマやってくれないかなぁ…。