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『さよならのあとで』 ヘンリー・スコット・ホランド 死はなんでもないものです。 私はただとなりの部屋にそっと移っただけ。 私は今でも私のまま あなたは今でもあなたのまま。 私とあなたは、かつて私たちがそうであった関係のままで これからもありつづけます。 私のことをこれまでどおりの 親しい名前で呼んでください。 あなたがいつもそうしたように 気軽な調子で話しかけて。 あなたの声音を変えないで。 重々しく、悲しそうな 不自然な素振りを見せないで。 私たち二人が面白がって笑った 冗談話に笑って。 人生を楽しんで。 ほほえみを忘れないで。 私のことを思ってください。 私のために祈ってください。 私の名前がこれまでどおり ありふれた言葉として呼ばれますように。 私の名前がなんの努力もいらずに自然に あなたの口の端にのぼりますように。 私の名前が少しの暗いかげもなく 話されますように。 人生の意味はこれまでと変わっていません。 人生はこれまでと同じ形でつづいています。 それは少しも途切れることなく これからもつづいていきます。 私が見えなくなったからといって どうして私が忘れられてしまうことがあるでしょう。 私はしばしばあなたを待っています。 どこかとても近いところで。 あの角を曲がったところで。 すべてはよしです。 【週報コラム】 おすすめの一冊 Y M この詩の作者は、ヘンリー・スコット・ホランドで、英国教会の神学者であり、経済や貧困、戦争などの社会問題について思索した哲学者でもありました。 昨年、この本に出会って何度か読み返し、早速数冊購入して手元に置いておきました。そして、親しい友人が連れ合いを見送った時に送りました。 悲しみをやわらげてくれたら、という祈りをもって! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年06月03日 14時51分11秒
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