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凡声庵閑話:南正邦の覚え書き Minami Masakuni

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2024.03.09
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カテゴリ:近況
日本ソプラノ界の宝。
佐竹由美(さたけなおみ)さんが亡くなって、2年。
香川県レグザムホールで追悼コンサートがありました。
ご主人の辻秀幸氏の指揮の下、ヘンデルのメサイアが演奏されました。

それに合わせて、追悼文集が作られました。





表紙の絵を描きました。


私も寄稿しました。






南正邦

(高松一高芸専コース同級生)

肖像画を描いた南正邦です。

佐竹由美さんと私は、高松一高の同級生です。二年生の時に、 芸術専門コースで一緒になりました。

通称「芸専」は、声楽、 器楽、 ピアノ、 美術、保育専門などを目指す学生たちの集まりです。

担任は合唱の竹内肇先生で、一人一人が、エネルギーと才能とパワーとを秘めています。私は、そのクラスで竹内先生から委員長を指名されました。

佐竹さんは、クラスの推薦で副委員長となり、芸専卒業までクラス委員を佐竹さんと一緒に務めました。

そのパワーあふれる二年生の一高祭では、クラスで、オペレッタ、ヘンゼルとグレーテルを上演しました。

主人公のヘンゼルが、佐竹由美さんです。

田中雅純君が魔法使い役で、樫村誠君がお父さんです。

伴奏はピアノ科達が分担して演奏し、舞台制作と照明は美術で担いました。

一回限りの舞台を満杯の一高ホールで上演し、 大喝采を浴びました。

三年生の時、音楽部は、 NHK全国学校音楽コンクールと全日本合唱コンクールとダブルで金賞に輝き、吹奏楽部も全国出場し、佐竹さんもその中心メンバーの、すごいクラスでした。 大学受験では、佐竹さんは、東京芸大の声楽科に現役で合格しました。

芸専を卒業した同級生たちは、それぞれの進路に向かっていきました。

しかしクラスの何人かは、翌年の佐竹さんと芸大での学び合いを誓いました。私も、東京芸大の彫刻科を目指し東京の美術予備校に通いはじめました。

佐竹さんは、私の為に翌年の芸大の願書をもらってきてくれましたが、私は、三浪をしても、 芸大に入れず、 東京造形大学の彫刻に進学しました

次の年、佐竹さんは、芸大を首席で卒業したのを聞きました。

私が造形大学を卒業する年、卒業制作展の会場に、わざわざ佐竹さんは、見に来てくださり、 喫茶店でお互いの消息を確かめ、前途を祝ってくれました。

それから、ミラノに留学され、東京芸大などで後進の指導にあたられました。

私は造形大学を卒業した後 高松に戻り、専門学校の先生をしながら、銅像を作ったりしました。

誕生日にはフェイスブックに誕生祝いを交換して、近作を添付していました。

私が、国立新美術館での展覧会に彫刻作品を発 表した時、佐竹さんは、芸専の同級生と見に来て、ブログに、「彼の作品は」と紹介してくださいました。

私が竹内先生の喜寿祝いで肖像画を描いた時、 佐竹さんから、「私も描いて」と頼まれ「いいよ」とそのままにしておりました。

六十歳の同窓会に歌ってくれる約束が、コロナで延期になりました。

そこへ突然の訃報。

「何でだよ。 天に召されるのが早すぎる。」 さらに翌年、お母さまで、香川県美術家協会でお世話になった、染色家の佐竹藍月先生の訃報まで。

今、肖像画を描きながら「さたけ、 どう?」とつぶやきます。

ところが、佐竹さんがいないことに気付き、 涙が溢れ出ます。

「約束の絵です。君の奇跡の歌声にこの絵が届くでしょうか。ありがとう。」

どうか安らかにお休みください。




コンサートでは、高校時代の友人たちと再会しました。
そこで佐竹さんが、60歳の同窓会で歌う予定の曲を知りました。

「よかった」という曲です。

「よかった」 
 (詞 河野進 曲 川口耕平)


ほほえんで よかった
黙っていて よかった
悪口を言わないで よかった

我慢して よかった
怒らないで よかった
やさしく言って よかった
お祈りして よかった

よかった よかっただけを



河野進(こうのすすむ)さんの
歌詞が素晴らしい。

佐竹由美さんの歌で、「よかった」を聞きたかったと思います。


































 






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Last updated  2024.03.12 20:12:30
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