★ドラマ 「悪魔のようなあいつ」 - 1★
阿久 悠, 上村 一夫の原作コミックとほぼ同時に進行したというTVドラマ「悪魔のようなあいつ」がDVD化されている。1975年6月~9月にTBSで放送された沢田研二主演のフィクション作品。全9巻で17話で完結。レンタル屋で見つけて…はまってしまう…。面白い!!!結末もだが、設定もストーリーも先日のコミックとは“別モノ”として楽しめる、ドラマ・主題歌・劇画のコラボものとして、なかなかの秀作!!そう、あの世紀の未解決事件1968年12月10日に起った“三億円事件”の物語。しつこいくらいの『時の過ぎゆくままに』が耳に残る。可門良(沢田研二)は、孤児院の先輩だった元刑事の野々村(藤竜也)の経営するクラブ「日蝕」で歌手として働いているが彼には秘密があった。時効まで密かに目立たず過ごしていたのだが、あと半年という時になって、自分の脳腫瘍に気付いたり、良に金を要求し脅す元上司の八村(荒木一郎)、“三億円事件”解決に執念を燃やす白戸刑事(若山富三郎)、良の美しさと影に惹かれる女達…八村の妻史子(安田道代)、妹いずみ(三木聖子)看護婦山川静枝(篠ヒロコ)、元野々村の女のコールガール日夏恵い子(那智わたる)etc…彼等が…彼等自身と良の運命を狂わせていく…。 思いきり昭和のテレビドラマ感があふれ、ハード・ボイルド有り、お茶の間ドラマ有り、愛憎有りとあらゆる娯楽の要素を含んだ異色かつ痛快な部分のある作品。何より沢田研二の美しく、謎を秘めた男の魅力が絶大だ!あと○○日とショート・ホープにダーツの矢を投げる良。“三億円事件”これによって墜ちてゆく人々。良は言う。「三億円は青春なんだ」。その犯行に気付いていながらも気持ち悪いくらいに優しく良を愛し守る野々村、ひたすら執念深く良を追う白戸刑事も彼も良逮捕に別のロマンと夢を見たのだろうか。一見俗物にしか思えない描かれ方の女性や良の周りの人々には、あまりにも悲しい物語なのだが、本当は彼等の背景にも良を愛さずにいられなかった理由があったし、良なりに利用しつつも彼女達を愛し、悩み、甘えていたのだ(と思う)。原作コミックには無い、この“人間臭さ”がドラマにはある。そして、今やビッグなお笑いやGS出身の役者さんが出演しており、そんなトコロも見所の一つだ。では、ざくっとDVD BOXセット-1に納められている1~5各巻の感想を。1 第1,2話舞台は横浜。最初から良の病気の症状が…。毎回頭痛に悩まされる。尾崎紀世彦のキレっぷりがたまらない。良を見つめる藤竜也の色気、若林富三郎が迫力満点。ショッポをダーツでカウントダウンする、華奢なジュリー。こういう犯罪者の役、ポーカーフェイス そして歌の上手さは適役だ。2 第3,4話ついに病気が判明。グリオブラストマ=神経膠芽腫(GLIOBLASTOMA)という脳腫瘍の一種。死が近いと知り電車内で暴れる良。そしてあれよあれよと現れた三億円の札束には圧倒される。懐かしい聖徳太子さんや伊藤博文さんなどが…。それを、毛布にくるんで隠す場面は見ているこちらがドキドキする。あらゆる関係が明解になり深みを増す、見応えありの2巻。3 第5,6話あの三億円はどこに???伊東四郎の怪演!オカマっぽいヤっさんが強烈だ。白戸刑事が去ったと思えば、まさか八っつあんのせいで…。かなり危険な香りのするこの巻。尾崎紀代彦のキレ方と、どうしても長過ぎるもみあげが気になる。ここにきて、やっとコミックのような人物紹介有り。どろどろしていてハマってます。ついに殺意を露にする良…。ああ!気になる!!4 第7,8話おお! 三億円強奪の手口がこんなに細かに…何度も車乗りかえたり、キャデラックとかチューブとかとんでもないトコロに移したり、隠したりと大変だ。下準備…衣裳や拳銃バイクなども…なるほど。今ならバレバレだろうが…伊藤四郎ヤっちゃんの手下に岸辺一徳がこれまた妙演。それにしても野々村さん。良に何を求めているのか?????二人で服のままプールで泳ぎ、笑い合うシーンが印象的。愛情がハンパでない。この二人の関係って?“街頭三億円インタビュー”が、レトロで面白い。当時は当たり前なんだが、髪の色がみんな黒い。5 第9,10話白戸さ~ん。妹誘拐してまで…。ホントに凄い執念!腹巻き姿も板について…。故、浦辺粂子さんが八村モータースで白戸さん相手にいい味出している。篠ヒロコさん…看護婦の彼女の背中の綺麗さ!ゆるい展開と思っていたら、何てことだ!!!三億円はどこ?え?不法侵入の白戸さん!!!! 悪魔のようなあいつ DVDセット1 (DVD) →この続き「悪魔のようなあいつ」2のレビュー