ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団「カフェ・ミュラー」「春の祭典」
すごいものを観てしまった!!!映画「トーク・トゥ・ハー」の冒頭と最後に出てくる印象的な舞踏。これがピナ・バウシュの作品だ。日本での初公演が1986年で「カフェ・ミュラー」と「春の祭典」まさに20年ぶりの再演となる。「トーク・トゥ・ハー」の冒頭に演じられた「カフェ・ミュラー」(ちなみに映画のラストで演じられるのは「炎のマズルカ」)が観られるというので、いてもたっても居られず観に行く事に!!!_______________________________ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団 来日20周年記念講演「カフェ・ミュラー」「春の祭典」2006/4/6・7・8・9・13・14・15・16平日は19:00開演・土日は14:00開演国立劇場・大劇場*パンフレットは会場で販売1,500円。楽天チケットピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団公演問い合わせ先日本文化財団こちらで全ての座席のタイプの予約が可能。S席で無くても上から全体見下ろす感じでも楽しめるはず!!ペア・チケットなどお得なものもあるので興味のある方はゼヒこちらで!その他、e+で予約するとS席のみだけれどパンフレットがついています。_______________________________「カフェ・ミュラー」(1978)約45分3方ガラス張りで回転ドアのある誰もいないカフェに入ってくる白いスリップを着たピナ・バウシュ演じる盲目の少女(!)並んだ机や椅子にぶつかりながら、静かに踊り、そして部屋の隅にたたずむ…そこへまた盲目であるらしい白いワンピースの女性が入ってくる。彼女も椅子や机にぶつかりながら進み見ていられない…と、悲しそうな顔のギャルソン風の男が現れ、彼女がぶつからないように、椅子や机をすごい勢いではらいのける。ガラスの壁にぶつかって、また戻り、踊る事を繰り返す…。(ここまでは「トーク・トゥ・ハー」の中でベニグノが解説していた)更にお店の人であろうか。コートを着てハイヒールの女性がパタパタと店内を走り回る。気がつくとまた一人、白いシャツの男性が現れ、先程の女性を気にしているようだ。背の高い黒い衣装の男前が新たに入ってきて、白いシャツの男と白いワンピースの女の愛の手助け?を始めた。部屋の隅の少女以外の男性3人女性2人は、店内中を走り、歩き、立ち止まり、踊り、転げ回り、抱えられ、落とされ、抱き合い、壁にぶつけあい、奥のデスクに座り、また新たに動きだす事を少しずつ変化しつつくり返す。ヘンリー・バーセルの音楽が流れたり、無音だったりする中ピナ・バウシュ演じる少女は周囲の変化に気付きながら、どうする事も出来ず、静かに佇み踊るのみ…「春の祭典」(1975)約35分茶色い土の上に横たわる女性と赤い布。大勢の女性達が現れ、その赤い布におののきながら踊り出す。プリミティブで躍動感のある激しい踊り…そこへ今度は雄々しい大勢の男性達が現れ、女性達と共に、または男性達だけで、あの赤い布を意識しながら土にまみれて激しく踊る!そのうちある女性が選ばれてしまいあの赤い布を着せられてしまう。そう、彼女は生け贄に選ばれてしまったのだ。抵抗することも出来ずにおののき悲しみ、彼女は精一杯踊る… 2本の間の休憩の時に舞台のチェンジが幕が降りず、オープンのまま行われる。そう、カフェのセットを取り除き、次にマットをしきつめて、大量の茶色の湿った土を約20人がかりで舞台上に盛りならすのだ。この過程を見ているだけでワクワクする。このヴッパタール舞踊団には様々な人種のダンサーが在籍しているため、非常に無国籍な感じがして面白い。「カフェ・ミュラー」は、何ともいえない悲しみを含む、恋愛劇を見ているようだ。時には何ともコミカルな動きに笑い声すら…それを観る事が出来ない盲目の少女。でもその状況をステージの背後でずっと感じている。「春の祭典」の圧倒されるダンサー達のパワー!その中で赤い布をめぐっての人間模様がくり広げられる。選ばれたくない!でも…男性達に目をとめてもらいたい女性達。選ばれた女性を見つめる目の冷ややかな安堵感。それとは違って常に野性的な男性達。原始的な“儀式”においての感情の変化、ストラビンスキーの音楽が終始感情を刺激する圧巻のステージ!!「ブラボー!」鳴り止まぬ拍手のカーテンコール。何度も戻ってきては頭を下げる、彼らの満足げな顔と、何よりピナの笑顔がとてもキュートで印象的だった!!! あまりにもスリムなピナ・バウシュ!彼女の踊る姿を生で目に出来とても幸せ!!!ピナ・バウシュピナ・バウシュタンツテアターとともにピナ・バウシュ中毒 日活 トーク・トゥ・ハー リミテッド・エディション(初回限定)→映画 トーク・トゥ・ハーレビュー