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July 3, 2013
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カテゴリ:護美箱番外編
ある雨の日。三十代程度の若い女性が、紫穂のところにやって来た。黒っぽい和服の似合うじょせいだったが、腹がすこし、飛び出していて、明らかに妊婦さんとわかった。
「ここで、カウンセリングをやっているそうですが。」
と、彼女はいった。
「カウンセリングとは、また違う、サイコセラピーですよ。あと、妊婦さんには、刺青は、施術しませんからね。」
「それでいいから、やってくれませんか?わたし、前川と申しますが。」
紫穂は、今日は、何も用はないから引き受けることにした。彼は、車椅子を操作して、お茶を入れてやり、問題用紙と、折れ線グラフをつくらせた。で、結果は?
彼女は、どう見ても美人だったし、口調もしっかりしている。親の心であるpは、バランスがとれている。ところが、aと、fcがひくく、acが極端に数値が高い。これで子供を産んで大丈夫なのか?
「こまりましたね。」
と、前川はいった。
「僕は男性なのでよくわかりませんが、なにか、出産にたいして不安なのでしょうか?母親のnp、父親のcpは、平均的ですから、問題ないんですが、まず、aが非常にかけていて、fcが、同じように欠けています。自分がぶれている、というかんじですかね。この心理状態では、近づいてくる喜びをあじわうことは、できないとおもいます。あくまで、僕の意見ですが?」
「私は、友達が一人もいないんです。」
前川は涙声でいった。
とてもそうには、みえなかった。
「じゅあですね、何で僕のところにきたんですか?僕は男性なのに、ご主人もいらっしゃるだろうし、」
「実は先生、わたし、痛くないお産をしたいの。」
「そんなものありませんよ。誰だっていたいもんだとみんな言うじゃないですか。そんなあり得ないことかんがえてないで、赤ちゃんの着物をかうとか、そっちにお金をかけてくださいよ、お母さんなんですから。」
と、紫穂は、あっけにとられたまま、反論した。そんなことあるわけない。
「先生は、お父様もお母様もいらっしゃらないから、苦しみかわからないんですよ。母からきいたけど、お産は、生理痛のなん十倍もいたいんですって。」
「そんなことは、男性にだってわかりますよ。顔をみれば。痛いって特権じゃないですか。逆にね、寂しいときもありますよ、こどもが生まれるなんてうれしいことなのに、ただただ頑張れと言い続けるしかないんですから。」
「先生、心理学を学んでいるのに全然わかってないんですね。本当に、殿様商売だわ、こんなグラフを書いてもなにもならないじゃないの。私は、真剣に悩んでいるんです。バカにしないでください。」
彼女は、椅子から立ち上がり、ぷいっとでていってしまった。
たまに、そういうおかしな客がやってくる、と、紫穂は、知っていた。だから、自分のブログにも彼女のことはかかなかった。しかし、彼女のこれからのことは、何となく感じ取れたきがした。





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Last updated  July 4, 2013 07:01:47 PM
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増淵4996さん

冴えない、箏ひきで小説書きです。

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