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2011年11月13日
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カテゴリ:秋山真之伝記
 明治37年8月10日の黄海海戦において、

 15時頃、連合艦隊第1戦隊は、ロシア太平洋艦隊との距離を約8,000mとし、

 追撃戦を仕掛けました。


 この時の状況を、秋山真之は次のように書いています。

 『我が第1戦隊は敵の後方より随進追撃するの不利なる対勢となり、

 先頭の「三笠」のみ、絶えず敵の集弾を蒙り、

 このままにては到底戦機の発展を見るあたわざるに至った。』


 第1戦隊は、このような不利な状況を回避するしかなく、

 一時、ロシア艦隊から遠のくことになります。

 
 真之は「追撃する側は不利である」と、実に重大な事をさらりと書いているのですが、

 果たして、連合艦隊の先任参謀である真之は、

 「追撃する側は不利である」と知っていて、追撃戦を行ったのでしょうか、

 それとも、追撃戦を行ってみて、始めて「追撃する側は不利である」と判ったのでしょうか。


 いずれにしても、真之は「先行艦隊は後行艦隊より有利である」ということを、

 実体験したわけで、

 この実体験が、日本海海戦で用いられた「丁字戦法」に活かされることになるのです。


 (日本海海戦では、丁字戦法は無かったと書いてある書籍や記事がいろいろ出ていて、

 私も二、三斜め読みしてみたのですが、何が書いてあるのかよく理解できませんでしたし、

 秋山真之本人が日本海海戦は丁字戦法で戦ったといっているのですから、

 私はいまのところ「丁字戦法はあった」派です。)


 このへんで、これまでのことを整理すると、

 単縦陣とは、先頭艦に司令官を乗艦させ、

 先頭艦の航跡に沿って二番艦以降が金魚の糞のようについていくという陣形です。


 単縦陣が、他の陣形よりも有利であることは、

 日清戦争における黄海海戦において、

 伊東祐亨(スケユキ)司令長官率いる連合艦隊が自らこれを証明しています。


 しかし、単縦陣にも唯一ともいえる欠点があって、

 それは、最も攻撃されやすい先頭艦に司令官が乗艦していることであり、

 他の陣形に比べて、司令官を失う確率が高いということでした。

 もしも、司令官を失うと、艦隊は船頭を失い、圧倒的不利な状況に陥ってしまいます。


 以上のことを踏まえて、

 何故「先行艦隊は後行艦隊より有利である」のか、ということを書いておきます。


 この図は、単縦陣どうしの一般的な同航戦です。

 この場合、太陽の位置や風向きなどの自然条件を考慮しなければ、

 A艦隊とB艦隊は、陣形的にどちらが有利ということはありません。



 しかし、B艦隊が先行し、これをA艦隊が追撃する態勢になった場合、

 B艦隊の全ての艦艇は、A艦隊の先頭艦(旗艦)を砲撃可能ですが、

 A艦隊の場合、後続の艦艇ほど、B艦隊の先頭艦(旗艦)を砲撃することは困難になることを

 図から感覚的に理解できると思います。

 

 したがって、単縦陣同士の砲撃戦では、

 先行艦隊は、後行艦隊よりも有利に戦いを進めることができることになります。





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最終更新日  2011年11月16日 16時22分21秒
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