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ココロのSound of Silence.

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2012.06.23
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カテゴリ:COTTON NOVEL


「はい、ざるそば一人前。ありがとうございます」


大きな声で店員が厨房に告げる。


ふと、気付いた。一人前という言葉。

まだ半人前なのになぁ。そう心の中でつぶやく。


昼休み明けの店は予想外に空いていて、風通しがよい。

ノートを開く。このあとの会議のポイントをメモする。


「心配性なところは私もいっしょよ」

昨夜、彼女が言った言葉。日曜日の天気を気にしてた。予報は雨。


「それなりに楽しめばいいよ」

「うそ。不安なくせに」

彼女は肩をすぼめて、ジントニックのグラスを口に運んだ。


「はい、お待たせ」

ざるそば、ざるそば。今は食事に集中しよう。

それに、半人前が二人いれば一人前さ。


のれんを揺らして、引き戸が開き、生温かい風が吹き抜けて行った。





  • COTTON91.jpg









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最終更新日  2012.06.23 16:45:56
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