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ココロのSound of Silence.

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2013.04.21
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カテゴリ:COTTON NOVEL


雨音を聴きながら、彼女の部屋でボーっとしていた。


「今日の雨は規則正しいわ」

「どうして?」

「シンフォニーになっている」

「風が無いせいかな」


雨音と一緒に時計が刻む音も聴こえてきた。


午後、何もしたいことがなくて、無理して街を歩くのも面倒で、ここに来た。

カップに手を伸ばして、湯気が立たなくなって久しいコーヒーを飲む。

冷めてもおいしい。豆選び、挽き具合、ドリップの仕方...彼女の味覚神経は素晴らしい

なぁ、と思った。


頬杖をしてうたたねを始めた彼女の顔を見ていると、ふと、美術館で美しい彫刻作品を鑑賞し

ている気分になる。

「きれいだな」

声に出して言ってみた。

彼女は気づかずに、浅い眠りの中で夢を見ているようだ。


雨音は止むことなく、ぼくらの幸福な時間を包んでくれる。





  • COTTON-P7.jpg









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最終更新日  2013.04.21 09:27:13
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