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ココロのSound of Silence.

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2013.07.05
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カテゴリ:COTTON NOVEL


突然に暗くなって、大粒の雨が降り出した。

僕は菜実の手を引いて、50メートルほど先にある陸橋を目指した。


「どこ行くの?」

「いいからさ、急ごう」

38段の階段を上る。

服の上からも雨の冷たさを感じる。


「着いたぞ」

彼女は答えずに息を整えていた。


首都高速の下を横断する陸橋。

薄暗がりの待避所。

「なんか、不思議な場所だね」

彼女は路面を叩きつける雨粒を見ていた。


雨が止むのを待つには殺風景な場所だけど、十分なシェルターである。

時々、高速を走るクルマの振動が伝わってくる。

彼女は、飽きもせずに路面に踊る雨粒を見ていた。

僕は欄干に肘をついて、彼女の横に寄り添った。





  • COTTON-P22.jpg









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最終更新日  2013.07.05 08:26:20
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