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法律なんて怖くない!

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刑事訴訟法

2004年09月14日
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テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法



さてどうなるのでしょうか。
これは条文があります。

憲法第三十九条
何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、
刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。


無罪判決が出た場合は、その後真犯人と分かっても二度と裁判できません。
どうお考えになりますか?
「おかしい」と思う方もおられるでしょう。
確かに、今は「真犯人」と決め付けていますからおかしいと思うかも知れません。
しかし、もし「何か有罪の証拠が出てきたらもう一度裁判できる」と言うことになっていた場合、一回無罪になってほっとしていたら「証拠が出てきたから裁判だ」となり、2回目の裁判でも無罪になって今度こそ落ち着けると思ったら「いやいや、また証拠が出てきたぞ」ということになり、裁判がエンドレスになりかねません。

これでは被告人はたまりません。
なので、裁判は一回きりとするしかないでしょう。
やむを得ないところです。






最終更新日  2004年11月17日 20時39分56秒


2004年09月13日
テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法


題名を見てあれっと思った方も多いでしょう。
民事訴訟では契約書などの文書は
証拠としてかなりの力を持つと言うことは
何となく想像していると思います。

しかし、刑事訴訟では文書は原則として証拠能力が無く、
裁判に提出することは認められません。
条文があります。

第三百二十条
第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、
公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、
又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。


「書面」すなわち文書は証拠とすることができないのです。
つまり、原則として裁判所で実際に喋ったこと以外は
証拠になりません。
これは、前も申し上げましたとおり、万一偽造だったら困るからです。
例えば「私は清水君が三島さんを殺害するところを見ました」という内容の文章を蒲原達樹が偽造して提出したらどうなるのでしょう。
清水君は殺人罪となり、最悪死刑になります。
その後になって「ごめんなさい、『私は清水君が三島さんを殺害するところを見ました』というのはウソです」と蒲原が謝っても、もう遅いのです。

これが民事事件だったらどうでしょう。
蒲原が「私は三島さんが清水君に100万円貸したという契約書を預かっています」と言って偽造した契約書を裁判所に提出して、清水君は借りてもいない100万円を三島さんに払う羽目になったとします。
それでも清水君は「蒲原、ひどいじゃないか。君のせいで僕は借りてもいない100万円を払う羽目になったんだ。弁償しろ」と蒲原に100万円を請求すれば損害はほとんど無いことになります。
ですから、民事裁判では文書も重要な証拠になりうるのです。

従って刑事裁判ではたとえ文書があろうとも、その文書を書いた人が実際に法廷で喋らない限り証拠にならないのが原則です。
「そうはいっても、喋る時にウソをついていたら同じじゃないか」とお考えになる方もいるでしょう。
確かにそうです。喋る時にウソをついていれば偽造の文書を提出するのと同じとも思えます。
しかし、裁判で実際に喋る時には弁護人がいますから、
ウソをついているかどうか確かめるべく質問してくれます。

例えば、「私は清水君が三島さんを殺害するところを見ました」という発言をした人に対しては、
「あなたは本当に殺害現場にいたのですか。
 他の場所で貴方が目撃されていますよ」とか、
「殺害現場にいたとしても、本当に見えましたか。
 あなたは視力が悪いらしいですね」とか、
「実際に見たとしても本当にそれは清水君でしたか。
 他人の空似ではないですか」とか、
いろいろ突っ込んで矛盾点を見つけてくれます。
なので文書と違い、ウソを発見できるのです。
実際、熟練した弁護人はほぼ確実にウソの証言を
暴けるんだそうです。
これが文書だったら突っ込みようがありませんから
うそを暴くことは大変困難なのです。

このように、刑事裁判では万一のミスをできる限りなくすべく、
文書には原則として証拠能力を認めていません。
(実際にはかなりの例外によって多くの文書が刑事裁判に
用いられてはいますが)






最終更新日  2004年11月17日 20時40分12秒
2004年09月12日
テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法


刑事裁判で言う自白とは、皆さんが想像される通り、
「すいません。わたしがやりました」と発言することです。
よく刑事ドラマでは「あとは自白を待つだけだ」とか、
「自白さえすればこの事件は解決だ」とか言っていて、
現実にも自白は有罪に持ち込むための条件であるかのように
扱われているようです。

しかし、ここは一度自白には証拠能力があるのか
考えてみようでは有りませんか。
証拠能力とは
1、自然的関連性があり(最低限度の証明力(=裏付ける力)があること)
2、法律的関連性があり(証拠の評価を誤らせる事情が無いこと)
3、証拠禁止でないこと(証拠を集める手続に違法が無いこと)
を言いました。

ここで自白は疑われている本人自らが「やりました」と告白しているのですから、
裏付ける力はかなりあると言って良いでしょう。
そして、やったとされる本人自身の発言ですからその評価を
誤らせる事情があるとも思えません。
では、証拠禁止はどうでしょうか。
よく刑事ドラマでは「吐け!吐かんか!」と言って自白を強要する
シーンがあります。もちろん現実には多分無いでしょうが、
かつて自白を強要するような捜査方法がまかり通っていた
時代がありました。そこで、法律は自白を強要することを
禁じています。

憲法第三十八条  何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
○2  強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留
若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。

第三百十九条
強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白
その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。

よって、もし自白が強要されたら法律違反となり
証拠禁止にあたることになります。
しかし、自白が強要されたかどうかは取調室が密室ゆえに
誰にも分かりません。ですから、皆さんもニュースで
「初公判で○○被告が自白を覆し、無罪を主張しました」と
聞いたら「一度は自白したのに往生際の悪い奴だ」などと
思わず、「ひょっとしたら自白を強要されたのかも」と
疑ってみてください。







最終更新日  2004年11月17日 20時41分05秒
2004年09月11日
テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法



民事訴訟の場合、およそあらゆるものが証拠となりえました。
というのは、民事訴訟は財産が争いになりますから、
仮に証拠が偽造したものであってそれにより敗訴したとしても
偽造した人を相手取って損害賠償を求めれば何とかなってしまう
からなのです。
誤解を恐れずに言えば、民事訴訟の場合、証拠に間違いがあっても
財産を失うだけなので、あとで改めて失った財産を
返してもらえば足りるということなのです。

しかし、刑事訴訟の場合、証拠が偽造されたもので
間違った裁判がなされた場合、最悪死刑になってしまいます。
死刑となった後、「後であれは間違いでした」とお金を積まれても
失われた命は返って来ません。
死刑でなくとも1年でも刑務所に入れられたらその時間的
損害は重大です。
なので、刑事訴訟においては証拠はかなり厳重に吟味しなくてはなりません。
そこで、刑事訴訟においては証拠にも裁判に提出する価値のある「証拠能力」という概念を持ち込み、予め裁判に提出してよい証拠と提出してはいけない証拠とを分類します。

具体的には証拠能力とは、
1、自然的関連性があり
2、法律的関連性があり、
3、証拠禁止にあたらない
こといいます。
しかし、言葉が抽象的過ぎてよくわかりませんね。
なので、もう少し詳しくお話します。

1自然的関連性とは、証明しようとする事実に対する必要最小限度の証明力があることを言います。
そして、「証明力」とはその事実に対する証拠の価値を言います。
例えば三島さんの刺殺体が発見された事件において、
清水君の指紋がついてる血の付いたナイフは、清水君が殺人犯であることを強く裏づけますから「証明力が強い」と言います。
しかし、誰の指紋もついておらず、血も付いてない完全に未使用のナイフは清水君が殺人犯であることの裏づけにはほとんどなりませんから、「証明力が弱い」と言います。
この証明力が弱くなって0になることを「自然的関連性が無い」と言います。
例えば、三島さんの刺殺体が発見された事件において、
仮に清水君の家から毒薬が発見されたとしても刺殺事件においては
何の裏づけにもなりませんから毒薬は「自然的関連性が無い」と言います。
つまり、三島さん殺人事件の裁判で清水君の持っていた毒薬を
裁判に提出することはできません。

次に、2法律的関連性とは自然的関連性があってもその証明力の評価を誤らせるような事情があればやはり裁判に提出してはいけないと言うことです。
例えば、三島さん刺殺事件において、清水君の家から「将来は殺し屋になりたい」と書かれた卒業アルバムが発見されました。
この場合、この卒業アルバムは証拠能力があるでしょうか。
仮にも人殺しになりたいという内容の文章である以上、
三島さん殺人事件についても何らかの裏づけにはなると言えてしまい、
自然的関連性はあることになります。
しかし、冷静に考えると、卒業アルバムに書いたからといって
それが必ず実現するわけではありませんし、まして「殺し屋」なんて冗談で書いたとしか思えません。
でも、この卒業アルバムがテレビとかで流されたらどうでしょう「ああ、やっぱりね。殺人犯になるような奴は昔からどこかおかしいもんだ」なんて思う方もおられるのではないでしょうか。
つまり、冷静に考えれば無関係のはずなのに、パッと見ではそれなりの説得力をもってしまう証拠とは意外と多いのです。
刑事裁判ではそのような冷静に考えれば無関係な証拠を排除しなくてはなりません。
そこで、2法律的関連性という条件によって
冷静に考えれば無関係のはずなのに、パッと見ではそれなりの
説得力をもってしまう証拠、つまり証明力の評価を誤らせるような事情をもつ証拠は排除しなくてはなりません。

最後に3です。証拠禁止とは1・2に問題が無くてもその証拠を収集する手続に違法があればやはりその証拠は裁判に提出できないというものです。
例えば、三島さん刺殺事件で、清水君の家から、清水君の指紋つきで三島さんの血液のついたナイフが発見されたとします。
これが、自然的関連性・法律的関連性を有するのはあきらかでしょう。
しかし、その際に令状がなかったらどうなるでしょう。
刑事ドラマでも良く見るとおり、捜索(ガサいれ)には令状が必要です。条文もあります。

第二百十八条
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、
裁判官の発する令状により、差押、捜索又は検証をすることができる。
(以下略)


つまり、このナイフを収集する手続には違法があったということになり、このナイフは裁判には出せません。
とすると、有力な物証が無いことになりますから、裁判で清水君は
無罪になる可能性が極めて高いことになります。
これはどうでしょう、おそらく真犯人であろう清水君を取り逃がすことになります。
しかし、これはやむを得ません。
正しい手続を採ることは憲法の要請です。

憲法第三十五条
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、
第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、
且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
○2  捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。


憲法を踏みにじってまで、真犯人を捕まえるべきではないと考えられているのです。
また実質的に考えても無令状で捜索をされては国民は安心して生活できません。
なので真犯人を捕まえるということからすれば少々不合理でも
証拠禁止という条件は必要なのです。

今日は長かったですね。お疲れ様でした。










最終更新日  2004年11月17日 20時41分24秒
2004年09月10日
テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法


どうでしょう。この題名を見て「え!?」と思った方も
おられるのではないでしょうか。
もう一度刑事裁判の構造を思い出してください。
「有罪だー」と主張する検察官と、「無罪だ-」と主張する
弁護人がやりあうのを裁判官が見ていてどちらが正しいか
判断するというものでした。
と言うことは裁判官は裁判するまでは有罪とも無罪とも
分からない状態でいてくれなくては困ります。
もし、初めから「こりゃ多分有罪だろう」と思われていたら
有罪と主張する側に有利に動いてしまいます。

そこで刑事訴訟法は裁判官が中立を保てるような制度を定めています。

まずは公平な裁判ができないと考えられる裁判官を
裁判から遠ざける制度があります。
これが除斥・忌避(きひ)です。

第二十条  
裁判官は、次に掲げる場合には、職務の執行から除斥される。
一  裁判官が被害者であるとき。
(以下略)

第二十一条
裁判官が職務の執行から除斥されるべきとき、又は不公平な裁判をする虞があるときは、
検察官又は被告人は、これを忌避することができる。
○2  弁護人は、被告人のため忌避の申立をすることができる。
但し、被告人の明示した意思に反することはできない。

次に起訴状一本主義です。
検察官は起訴するときには、裁判官に対し「この人が有罪かどうか裁判してくれ」と
言う起訴状を裁判所に提出します。
ここで、もしその起訴状に犯罪の内容が詳しく書いてあったら裁判官は起訴された人が多分有罪だろうと思って裁判してしまいます。
そこで起訴状には「○○という事件について裁判してね」と言うこと以外には何も書いてはいけないことになっています。これが「起訴状一本主義」です。
条文もあります。

第256条
○6  起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類
その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。

「予断」とは思い込みや先入観のことを言います。有罪だと思い込ませたり、
先入観を持たせたりするような書類などを添付してはいけないと
いうことです。
他にもありますが、これくらいでいいでしょう。

お疲れ様でした。






最終更新日  2004年11月17日 20時41分42秒
2004年09月09日
テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法



起訴をするかどうかは検察官が決めます。
条文はこちらです。

第二百四十七条  公訴は、検察官がこれを行う。

これは検察官から見て有罪に持ち込めそうな事件は検察官が起訴を
決定し、無罪になりそうなら起訴しないという意味のみならず、
有罪に持ち込めそうな事件でも起訴しなくてもかまわないと言うことまで意味します。

第二百四十八条
犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに
犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

聞いた話では例えば、はじめての万引きとかの軽い事件では起訴しないことが多いようです。
というのも、今の日本では仮に執行猶予がついても
前科となってしまい、社会復帰が極めて困難になってしまいます。
「軽い罪とはいえ、自業自得だ」と思うかもしれませんが、
社会復帰が困難になると結局また犯罪に走る可能性が出てきてしまうので社会的にも不利益になります。なので軽い罪ならば
起訴しないほうがいい場合もあるのです。

このように起訴・不起訴は完全に検察官の裁量に任されていることになります。
ということはどう考えても起訴すべきなのに不起訴になる場合が
ありえます。そこで、そのような場合に是正する手段が必要です。

そこで以下の是正手段があります。
一つ目は、不起訴の理由を関係者に伝えるということです。
理由を伝えること自体に不起訴の効果を覆す効果はありませんが、
理由を要求することによって、慎重な判断を強いることになり、
不当な不起訴を間接的に防止します。

第二百六十条  
検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について、
公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、
速やかにその旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければならない。
公訴を取り消し、又は事件を他の検察庁の検察官に送致したときも、同様である。

第二百六十一条
検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について公訴を提起しない処分を
した場合において、告訴人、告発人又は請求人の請求があるときは、速やかに告訴人、告発人又は請求人にその理由を告げなければならない。

2つ目は検察審査会です。
検察審査会が不起訴となった事件を検討し不起訴が相当か不相当かを判断します。
ただし、検察は必ずしも検察審査会の意見にしたがう必要はありません。
あくまで参考意見にとどまります。

3つ目は準起訴手続です。
これは強力です。検察が起訴しない場合に弁護士が検察官の役割をして検察官の関与なしに起訴してしまいます。
しかし、これはかなり強力なのでごく限られた犯罪に限られます。

第二百六十二条  
刑法第百九十三条 から第百九十六条 まで又は
破壊活動防止法 (昭和二十七年法律第二百四十号)第四十五条
若しくは無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律
(平成十一年法律第百四十七号)第四十二条
若しくは第四十三条 の罪について告訴又は告発をした者は、
検察官の公訴を提起しない処分に不服があるときは、
その検察官所属の検察庁の所在地を管轄する地方裁判所に
事件を裁判所の審判に付することを請求することができる。

これらが不当な不起訴を是正する手段です。
逆に不当な起訴の場合はどうでしょうか。
起訴が不当なら結局無罪にすればいいというのが原則です。
しかし、一回でも「被告人」と呼ばれるのは日常生活では
不利益となりますし、できる限り早く釈放してもらいたい
と思うのが普通です。
なので、不当な起訴で一定の場合には無罪判決を待たずに訴訟を
打ち切るべきだと言う考えがあります。
それが「公訴権濫用論」というもので、具体的には
1、嫌疑(疑い)無き起訴、
2、訴追裁量逸脱の起訴、
3、違法捜査に基づく起訴
が挙げられます。
1・3はそのままです。2はめったに無いことなので
無視して結構です。
1・3の場合は裁判を打ち切るべきではないかという考えが出てくるということになります。






最終更新日  2004年11月17日 20時42分57秒
2004年09月08日
テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法


身柄を拘束されて、起訴が決まった場合、被疑者としても
そのままでいるわけには行きません。
一刻も早く無罪証拠を集めなくてはならないのです。
しかし、普通被疑者は身柄を拘束されてますから、
被疑者自身が無罪証拠を集めることはできません。
そこで弁護人の登場です。弁護人が被疑者の代わりに
無罪証拠を集めます。
そのためには、弁護人が被疑者と会って何をすべきか
打ち合わせしなくてはなりません。
法律も弁護人と会う権利を保障しています。

第三十九条  
○1 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、
弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者
(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と
立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。
(2項は略)
○3  検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は
、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、
その日時、場所及び時間を指定することができる。
但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

まず1項にある「接見」と言うのが「会う」と言うことです。
39条1項によって被疑者は弁護人と会う権利があるのです。
しかし、3項が曲者ですね。3項によると会う時間を指定されてしまうと
書いてあります。時間指定くらい良いじゃないかと思うかもしれませんが、
無罪証拠集めは一刻を争うこともありえますし、被疑者は
一刻も早く外部の人と会いたがるものです。
なので、39条3項があるとはいえ、できる限り時間指定は
控えなければならないと考えられています。









最終更新日  2004年11月17日 20時43分15秒
2004年09月07日
テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法


逮捕はポピュラーな言葉ですが、勾留はあまりポピュラーじゃないですね。
多分、逮捕されるとあとは起訴されるか、釈放されるかの二択だとお考えの方がおられると思います。
しかし、逮捕後身柄拘束できる時間は短いのです。
条文をご覧ください。

第二百三条
司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、
又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、
直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。

第二百五条  
検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、
弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、
留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から
二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。

48時間とか、24時間とかありますね。つまり、逮捕手続では
48時間+24時間の最高丸3日しか身柄拘束できないのです

しかし、現実には逮捕されてしばらく経ってから裁判が始まっています。
つまり、逮捕の後は別の身柄拘束手続があるということになります。
それが「勾留」です。条文をご覧ください。

第二百八条
1  前条の規定により被疑者を勾留した事件につき、
勾留の請求をした日から十日以内に公訴を提起しないときは、
検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
○2  裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、
検察官の請求により、前項の期間を延長することができる。
この期間の延長は、通じて十日を超えることができない。

このように20日間も身柄拘束できる手段があるのです。
これが勾留です。






最終更新日  2004年11月17日 20時43分30秒
2004年09月06日
テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法


天才バカボンの本官さんはピストルを撃ちつつ「逮捕する!」と
叫んでますし、ルパン三世の銭形警部はルパンを「ルパン、
今度こそ逮捕してやる」と言ってルパンを追っかけています。
この「逮捕」という言葉は警官と切っても切れないですね。

しかし逮捕は身柄を拘束することで強制的なものですから
強制処分となり、原則令状が必要です。
つまり、警官だからといっていつでも逮捕できると言うわけではないのです。
では、条文を見てみましょう


第百九十九条  
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、
被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは、
裁判官のあらかじめ発する逮捕状により、これを逮捕することができる。
(以下略)

「逮捕状」というのが令状のことです。
逮捕は原則として逮捕状と言う令状が無くてはできません。
これを「通常逮捕」と言います。

しかし、ニュースでは「現行犯逮捕」とか「緊急逮捕」と言う言葉も聞かれますね。それについてお話しましょう。

まずは現行犯逮捕の条文をご覧ください。


第二百十二条
 1現に罪を行い、又は現に罪を行い終つた者を現行犯人とする。
○2  左の各号の一にあたる者が、罪を行い終つてから間がないと明らかに認められるときは、
    これを現行犯人とみなす。
一  犯人として追呼されているとき。
二  贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。
三  身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。
四  誰何されて逃走しようとするとき。

第二百十三条  
現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。

まず、212条1項をご覧ください。犯罪をしている最中、及び直後であれば
令状が無くても現行犯逮捕ができます。それはそうですね。
今、目の前で人が殺されたと言うのに令状を取ってこなくては逮捕できない
となったらあまりに不都合です。
次に2項をご覧ください。
2項の場合はは目の前で犯罪が起きている必要はありません。
具体的に見てみましょう。
「一  犯人として追呼されているとき」というのは、
「ドロボー!捕まえてくれー」と言われて追われているときと言うことです。
「二  贓物又は明らかに犯罪の用に供したと思われる兇器その他の物を所持しているとき。」
とは、ちょっと難しい言葉が入っていますね。
「贓物」とは盗品、「兇器」とは「凶器」ということです。
ですから、イメージとしては血の付いたナイフを持っているときが挙げられるでしょう。
「三  身体又は被服に犯罪の顕著な証跡があるとき。 」とは
シャツに返り血がついている場合と考えてください。
「四  誰何(すいか)されて逃走しようとするとき。」と言うのは
「貴方の名前を教えてください」と問われて逃げ出した場合をいいます。
ですから、昨日は言いませんでしたが、職務質問に応じずに逃げ出そうとすると
この条文によって現行犯逮捕されてしまう可能性があります。
気をつけてください。

次に緊急逮捕に行きましょう。
まずは条文をご覧ください。


第二百十条  
1 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは
長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを
疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることが
できないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。
この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。
逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
○2  第二百条の規定は、前項の逮捕状についてこれを準用する。


イメージとしては、重大事件の指名手配犯人が、交番の前を通った時です。
指名手配されているからといって全ての交番に令状が手配されているなんて事はありえません。
なので、指名手配犯だと分かっていても令状がないということが
ありえます。
しかし、令状が無いからといって逃がすわけには行きません。


*私の例示したイメージでは誤りという事をかずやさんに教えていただきました。申し訳ありませんでした。
正しいイメージについてはこの下のコメント欄をご覧下さい。


そこで例外手段として重大事件の場合には令状が無くても逮捕できる手段を定めてあります。







最終更新日  2004年11月17日 20時43分47秒
2004年09月05日
カテゴリ:刑事訴訟法



きっと職質を受けたことがある人は多いことでしょう。
で、何となく受けて何となく釈然としないうちに職質が
終わったと言う方が多いと思います。
この職質は一体なんなのでしょうか。
ちゃんと条文があります。


警察官職務執行法第二条  
警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、
若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、
若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を
停止させて質問することができる。
(以下略)

早い話、怪しい人に対しては職務質問できると書いてあります。
ここで「令状」とは書いていませんから令状が無くても職務質問はできます。
しかし、令状の必要が無いこということは任意処分に過ぎません。
と言うことは強制的に職務質問はできないはずです。
ところが、「停止させて」とありますから令状が無くても停止させることができるとも読むことができます。
ではどう考えたらいいのでしょう。

もし完全に任意だとすると本当に怪しい人を発見し、
犯罪を未然に防ぐことができません。
怪しい人ほど職務質問に応じるはずが無いからです。
特に放火や麻薬関係の犯罪は職務質問によって未然に防がれる事が
多いといわれていますので、ある程度は職務質問を受けさせるように仕向けることは令状が無くてもできると考えた方が良いでしょう。
そこで、職務質問自体を強制させることはできないが、
文字通り停止させて職務質問を受けるよう説得することは
許されると考えると丁度良いことになりそうです。

ということで、やはり職務質問は黙って受けた方がいいでしょう。
何も疚しいことの無い自分が職質を受けるのは釈然としませんが、
職質によって犯罪が未然に防がれていると言う面もあるのです。

では、自動車検問はどうでしょう。
自動車検問に関する条文はありません。
ここで、怪しい歩行者は職質のために停止させることができます。
しかし、自動車の場合は怪しいかどうかは外見から分かりません。
そこで、自動車の場合は外見から怪しいと分からなくても
停止させることができると考えざるを得ないでしょう。
具体的には、
1、交通違反の多発する地域において
2、短時間
3、ドライバーの任意の協力を求める形で
4、ドライバーの自由を不当に害さない方法
であれば自動車検問も合法とされています。

このように職質・自動車検問は任意捜査の一環ですが、
実際には協力しなくてはならないと考えた方がいいでしょう。

※この段階では、何の嫌疑も無いので、行政警察活動であって、司法警察活動たる「捜査」ではありませんでした。そこで、「任意捜査」を「任意」に訂正させて頂きます。申し訳ございません。青島巡査部長さん、ご指摘ありがとうございました。






最終更新日  2007年10月29日 17時03分08秒

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