2017/01/14(土)04:30
雪を詠む(1)
ある朝目覚めたら、外は一面の銀世界。あたふたと朝食を済ませて雪を撮りに家を出た。つい最近のこと、自作の俳句を3日連続でブログに載せたら、アクセス数が半分に減った。それでも懲りずに俳句を詠む。しかも今度のテーマは雪だから、色気も全くない。まあブログを始めた頃は手探り状態だったので、それに比べたらまだ良いのかも知れない。最後までお付き合いいただけたら嬉しい。
目覚むればただ一面の銀世界
指先の冷たき朝の目覚めかな
玄米に鰯一匹冬の膳
幻日や小雪そろそろ止まんとす *げんじつ
葉の落ちし小枝に重き雪の色
柿の木の仁王立ちして冬の畑
雪中にカサブランカを捨てし人
竹の雪思はず腰の曲がりたる
雪の日や五葉の松の慌てぶり
川寒し流るる傍に萎れし実
冬の川町内老人ばかりなり
生も死も超越したる雪の色
捨てし夢幾つありしか冬の山
この冬も逢ひたる雪の懐かしき
山茶花の凍てつきさうな色形
山茶花の蕾に重き試練かな
荒れし日や風雪蝋梅の灯り消す
雪被る南天の彩目出度けれ <続く>
≪103歳の言葉≫
現役の前衛芸術家、篠田桃紅さんの著書『103歳になってわかったこと』から抜粋。
曰く。「運命の前では、いかなる人も無力。だから、いつも謙虚でいる」。
誰の言葉かは分からないが、小さな字で「どんなに愛する人でも、いつ奪われるかわからない」とある。本当にそうだ。最近著名人の訃報を聞くと、必ず享年を調べている。私より年長の方が多いが、中には若い方もおられる。きっとそれぞれにご家族がいることだろう。
たった1人で生きて来た篠田さんにしてこの述懐。運命とはそれほど軽く口に出来る言葉ではない。だからこそ真実を知れば知るほど、人は謙虚になるのだろう。