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マックス爺のエッセイ風日記

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2017.09.09
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カテゴリ:ウルトラマラソン
<7 戦い済んで>

 

 実行委員会から交通費を受け取る。封筒には金千円也と委員長からの丁寧な感謝のメッセージが入っていた。車を提供した人は3千円。ボランティアなので何も受け取る理由はないのだが、「気持ち」を有難くいただいた。A沼さんとレンタカーのバンをホテルまで返しに行き、フロントにキーを預けた。ここからはM仙人の車で作並温泉に戻る。A沼さんの車はスタート地点に置いたままなのだ。

             

 大変お世話になったM仙人からは、往復の車中で色んなお話を聞いた。喜寿ランナーで今も100kmを完走出来る実力者。9月も4つのレースに出場予定とのこと。家庭の話、走友会の話も伺った。名前だけの会員でほとんど行事に参加してない私には、貴重な情報だった。相棒のA沼さんも素晴らしかった。2人1組で良いサポートが出来たと思う。私はウルトラ初心者の彼に、色んな経験を話した。

  

 帰路ゴール地点を通ったが、灯りはすっかり消えて誰もいなかった。第1回の今大会、参加した選手たちはどんな感想を持ったのだろう。宮城県で初めて開催された100kmレース。主催者の深い想いが、レース運営に反映されていたと思う。変化に富んだコース。温泉に入れると言う意外性。エイドの美味しい食べ物。そして県の内外から集まったサポーターが、選手たちの力走を支えたと信じたい。

              

 中にはコースミスをした選手もいた由。詳細なコース図は受付時に手渡され、それで初めてコースを知った選手も多かったと思う。暗く細い道では、矢印も見え難かったかも知れない。そんな体験も、来年への反省点になれば良い。何せコースの壮大さは国内でも屈指のはず。第1回にしてこれだけの充実ぶりは、運営に携わった者がウルトラマラソンの経験者揃いだったことが大きい。

  

 若手スタッフの実力が素晴らしかった。彼らは豊富な知識と最新の技術を駆使して、企画力を発揮した。だが、実務においてはベテランのスタッフがカバーした部分も大きかった。全体の指揮を執る者からトイレ掃除に当たった者まで、様々な形でレースを支え、全国から集まった選手たちを宮城の風土とフードが歓迎した。それにしても台風が直撃しなくて良かった。まさに奇跡だったと思う。


            

 車中から見えた走友たちには、正直言って衰えを感じた。それぞれ歳を取り、かつての勢いは影を潜めていた。私は既にランニングを止め、生命の限界すら感じることもある。走友たちもいずれ走れなくなる時が来るだろう。その時どんな気持ちで立ち向かうのか。何人かの選手に名前を呼ばれた。私がマックス爺であることを知っていたのだ。次回もサポートを依頼されたが、果たして体が着いて行けるかどうか。

  

 帰宅後、疲労困憊のため何も片づけず、リンゴとオレンジを食べて寝た。前夜眠ったのはわずか30分程度。そして極度の緊張のせいか、レース当日は血圧降下剤など4種類の薬を飲むことも忘れていた。疲労は暫く取れず、サポートの過酷さを身に沁みて味わった。良くあんな体調で倒れなかったものだ。運営に支障を来すので、絶対倒れないと言う気合いで臨んでいた私だったが。

              

 翌日、参加賞としてもらったTシャツを着て買い物に行った。1人の女性ランナーが私のシャツに気づいて手を上げた。なんと彼女も昨日サポートした仲間だったそうだ。今日は18km走ると言う。サポーターからランナーへと変身した彼女。私は普通の爺さんに戻った。愉快なりランニング。素晴らしきかなウルトラマラソン。走れなくなった私だが、心だけはまだランナーのままだ。<完>





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Last updated  2017.09.09 05:35:35
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