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マックス爺のエッセイ風日記

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2018.02.28
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カテゴリ:芸術論
~何とビックリな日中合作~

  

 何の予備知識もないままに映画を観て来た。タイトルに掲げた『空海』である。これが何と仏教者としての空海ではなく、楊貴妃の死の謎を解く日本人としての登場だけに度肝を抜かれる。探偵のお伴は白楽天。唐の高名な詩人である白居易と同一人物だ。なぜ遣唐使の一員として、仏教を学ぶため唐に渡った空海が、そんな謎解きをすることになったのか、私はどうしても合点が行かなかった。

               

 私は目下、司馬遼太郎の『空海の風景』を読んでいる。まだ冒頭部分に過ぎないが、学僧としての空海の姿が浮き彫りにされている。また宮城谷昌光の中国歴史小説も相当読んだ。それらのイメージとは全く異なる斬新な映画であることは明らか。原作は夢枕獏の『沙門空海 唐の国にて鬼と宴す』。彼は自らを「エロスとオカルトとバイオレンスの作家」と呼んでいるそうだが、まさにそれに相応しい内容だった。

  

 監督は中国の陳凱歌(チェン・カイコー)。文化大革命当時は、やはり映画監督だった父を裏切り、批判する側に回った人。その後映画技術を専攻し、日本の映画界とも親しい鬼才。日中合作のこの映画撮影に際しても変わらずに厳しく、阿倍仲麻呂役の阿部寛も音を上げた由。そのせいか、一早く封切られた中国での評判はすこぶる好評で、観客動員数も驚くべき数に上ったようだ。

        

 映像の美しさは天下一品。そして実写とCGの組み合わせが抜群で、観客は壮大で妖艶な古代中国の宮廷や社会に引き込まれてしまう。原作の奇抜さをそっくり映像化出来たように思えた。それにしてもなぜ空海が歴史の謎解きに挑んだのか不思議。中国人観客も、日本人は古代中国をあんな風に捉えていたのかと驚いたそうだが無理もない。恐らくきっと、夢枕獏の術中にはまったに相違ない。

  

 中国の四大美人の一人である楊貴妃がなぜ非業の最期を遂げたのか。それは歴史書を紐解いても簡単には分からない。この映画でも依然としてヴェールに包まれたままだが、謎を解く鍵の一つが黒猫。と言っても宅急便の会社ではない。一匹の猫が常時稀代の美人の裳裾にじゃれついていたとだけ、ここでは言って置こう。謎解きは映画を観てのお楽しみだ。いや~っ、映画って本当に良いですね。ビデオスマイル

えんぴつ 掲載した写真は、すべてネットから借用しました。改めて記載し、御礼申し上げます。





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Last updated  2018.02.28 06:37:59
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